stanは心理計量や経済学,機械学習分野で注目されている確率プログラミング言語のひとつです。同様の特徴を有したものにTensorflowやGreta(R)などがありますが,自然科学系のなかでの知名度はひとつ頭をでています。
特徴は,これまで計算コストが高く,コードも非常に長くなりがちだったベイズ統計モデルをわずか数十行から百行程度でくみ上げられてしまうことです。
それと同時に,従来は既存のモデルとそれに対応するいくつかの分析方法に当てはめて結果を出力することがセオリーであった心理学などの研究方法を大きく変えてくれるものでもあります。これからは(ベイズ統計モデリングとそれを実行できる環境のおかげて)分析者が自由な発想でモデリングできる様になったとまでも言われています。
stanはC++に似たコード記法をしますが,C++よりも遙かに分量が少なくてすむ上に,Rやpython, juliaなどの汎用的な関数型プログラミング言語からアクセスできるなど,ユーザビリティにも優れています。本書はそのstanコードの書き方とモデリングの具体例を丁寧に追っていくような内容となっています。
後半にはエラーメッセージへの対処法なども載っていますので,使い慣れてきた人にもお勧めできます。
ただ,掲載されている具体例が少ないので星4つとしておきました。
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