この本以前は、SFジャンル批評といえば、キングズリイ・エイミスやブライアン・W・オールディスといった作家によるものばかりだった。そこにこの本格的な批評が出てきたのだから、当時は大変な衝撃だった。
20年以上たってようやく読み返すことができた(以前は原書で読んだため、正直言ってよく分からなかった)。今読むとファンタジーやアメリカ作家を全然認めていなかったりして、かなり偏屈だなとは思う。でもここで書かれたSFの定義を超えたものは、まだ出ていないだろう。
とくにユートピアが地理的な概念から時間上の概念へ変わり、近代SFが生まれた、というくだりは素晴らしい洞察力だ。新歴史主義を先取りしていた、早すぎた名著かもしれない。
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