日本のhiphopシーン内外にに大きな賛否の渦を巻き起こしたテリヤキビーフ、そしてギネスビーフ後のアルバム。
この2009年は、Scarsの2ndから始まりビーフ騒動からアルバムリリース、引退そして復帰と、
まさにSeedaの一挙手一投足がすべて話題になるというSeedaの年でしたね。
アメブレイクのアーティストインタビューなんかでも、殆どの記事内でSeedaの名前が挙がっていた記憶があります。
さて、内容はというと前作の傑作「Heaven」とは大きく変わっているので、戸惑った方も多いかと思います。
トラック面では盟友I-DeAの関与がなく、Bach LogicとSky Beatz、そしてOhld、ham-Rといったメンツを中心に
サンプリングを使わぬ)所謂「USメインストリーム」系や「Swag」系先取りのビートが並んでいます。
(Ohld、ham-R、Sky Beatzの起用といい、Seedaの大胆な新進トラックメイカー起用、発掘の眼は凄い)
リリック面ではさらなる変化が見られますね。
「Dear Japan」「Hell's Kitchen」の2曲で顕著ですが、現在の国、政治等へ向けたメッセージがストレートに打ち出されるようになっています。
本人の言葉を借りると「時代を投影した」そして「世間の声を代弁する」リリックって奴ですね。
同時に、どちらかというとハスラー生活を営んでいた故かダウナー系のリリックが多かったSeedaですが、
ポジティブで明るめのPOPなリリックも増えてます。「Blue Bird」なんかがその代表格でしょうかね。
こういったリリックの変化にはリスナーにも大きく賛否があり、「安直で誰でも書けるリリックしか書けないSeedaは終わった」
なんていう人も居ます。ただ、僕は最近のリリックもSeedaの生真面目な人間性と、愛らしさを感じられて好きですがね。
個人的な推し曲は、Norikiyoとのクラシック曲のリメイク「Intro」(笑)、
超豪華マイクリレーの「God Bless You Kid」ham-Rのトラックが当時では新しすぎてヤバすぎた「Go Hard Or Go Home」
Streetを抜け出したSeedaの思いを、Sky Beatzの美麗トラック、ボイスに乗せる「Just Another Feelin'」です。