進学塾を運営する日能研が出版しているので、子供向き、教育者向きの本かと思ったが、コンパクトに纏められており、ビジネスパーソンにとっても最適な入門書。人類の歴史は戦争、貧困、自然破壊の歴史でもあるが、そこから決別しようというＳＤＧ’ｓの考えがコンパクトに説明されている。
SDG’ｓの各目標毎に、目標の叙述のみならず、「目標を読み解く手がかり」が解説されており、たいへんわかりやすい。また、巻末にはSDG’ｓと関連した入試問題が載っており、ESD（Education for Sustainable Development）がどう進んでいるかも理解できる。これを読むと、企業よりも教育界のほうが進んでいるのでは、とも思ってしまう。
なお、本書の冒頭で、Developmentを「開発」と訳しているが、「発達」「成長」などの意味を持つ、との説明がある。なるほど、確かに「開発」と訳してしまうとDevelopmentの多義性が失われてしまう。この話を冒頭に持ってきたところに、著者たちの見識の高さを感じる。
著名人が書いた本でないが、見識は高く、わかりやすい。そして、たいへんわかりやすい叙述は、この本そのものがSDG’sの基本思想である’no one left behind.’（誰一人取り残さない）を体現している、と思う。
この商品には新版があります:
Kindle 端末は必要ありません。無料 Kindle アプリのいずれかをダウンロードすると、スマートフォン、タブレットPCで Kindle 本をお読みいただけます。
-
Apple
-
Android
-
Android
無料アプリを入手するには、Eメールアドレスを入力してください。
出版社より
もくじ
SDGsという１７のゴールがあります。
国際連合加盟国である日本に住んでいる私たち一人ひとりが、この１７のゴールを達成することを担っている、ことになっているのです。あなたがこのゴールを担っていることが、どこで、どのように決定したのでしょう。
このゴールに向かっていくと、どんな未来を創ることになるのでしょう。どうやら、子どもも大人も一緒になって、一人ひとりが“今の私にできること”を始めることが、未来創造につながるようです。
１７のゴールが自分自身のゴールになることにチャレンジしていきましょう。
内容紹介
|
|
|
|
|---|---|---|
第1章：17のゴールを使って身のまわりの出来事をとらえる出来事をとらえる前に…… 世界のリーダーたちが2015年９月の国連サミットで採択した、SDGs（17のゴール）が定められたプロセスに目を向けていきましょう。１７ のゴールは、「誰一人取り残さない（No one will be left behind）」という考え方にもとづいて定められました。言い換えれば、今から創っていく未来で生きていく、すべての時代のすべての人のための目標ということです。 |
第2章：SDGsの目標一つひとつに目を向けて17のゴールは、今から創っていく未来を生きる、全ての時代の全ての人のための目標です。 一つひとつの目標は、人間、豊かさ、地球、平和、パートナーシップという５つの要素のいずれか１つ以上に関係しています。ここからは、一つひとつ、目標ごとにどのような内容が示されているのかを見ていきます。また、示された内容を読み解くための手がかりをさまざまな形で紹介していきます。それぞれのゴールを見据えて、未来を創るためにどのような行動をとることができるでしょうか。 自分自身で、そして仲間とともに、未来を創るための一歩をふみ出していきましょう。 |
第3章：私学とSDGsを重ねていこう目標５で示されているターゲットの一つには、「あらゆる場所におけるすべての女性及び女児に対するあらゆる形態の差別を撤廃する」と書かれています。このターゲットだけを読むと、“あまり自分には関係ないなぁ”と感じる人がいるかもしれません（また、とても大切で自分に関係があると思う人もいるかもしれません）。この課題に正面から向き合うことのできる入試問題が、国連サミットでSDGsが採択される10年以上前から出題されています。 |
