世界のLinuxシェアの半分以上を占めると言われるRedHatの最新版、RedHat9は最も手軽に使えるUNIX系OSだろう(2003年7月現在)。ユーザーインターフェースもますます洗練され、Windowsとほとんど遜色ない出来栄えだ。RedHat9ではサーバーサイドの機能に強化が図られており、アプリケーションの入れ替え、更新が行なわれているため、今までのRedHatを使用していた方も学び直す部分があるだろう。
本書はRedHat9のサーバー機能を解説したものだ。単純にサーバー構築といっても非常に広範であるが、本書ではUNIXにおけるサーバー管理の基本技術をはじめ、メールサーバー、Webサーバー、ファイルサーバー、DNSサーバー、プロキシサーバー、DHCPサーバー等が扱われている。さらには、バックアップやログ管理、システムリソース管理など、運用における技術、VPNほかネットワーキングの技術も解説している。サーバー管理の初心者にも対応できるようにシステム管理の部分もよくまとまっているのが特徴で、viやシェルの操作、RPMの操作、カーネルの再構築などについてもきちんと解説している。
GUIを利用した操作は基本的に取り扱っておらず、すべてコマンドラインからの操作を解説している点が実用的ですぐれている。GUI操作は行いやすい反面、頻繁にインターフェースが変更されることが多く 、Xが使えなかったりシェルによる自動化を行いたい場合には役に立たないため、サーバーの操作ではCUI操作が基本となるからだ。システム障害時に必要となるCDブートによるレスキューやトラブルシューティングも掲載されているので、サーバー管理の経験が少ない方にとっては非常に役立つはずだ。
サーバー管理は基本的には枯れた技術で、表面のインターフェースは変化することが多いが、コマンドラインから行う操作にはさほど大きな変化はない。しかし、Linuxサーバーの管理経験が長い方にとっても、RedHat9から追加されたさまざまな機能・パッケージを知るために本書は有益だろう。(齋藤牧人)
内容(「BOOK」データベースより)
本書はRed Hat Linux 9を使用してサーバー構築を行いたい初心者、中級者の方を対象とし、サーバーの設定だけにとどまらず、運用や管理についても一般的な考え方を網羅している。単なるリファレンス本とならないように各章にクイックスタートを設け、基本的な設定方法について説明している。また、付属CD‐ROM(DISC 4)には、設定ファイルの例や参照すべきURLなどをまとめた。
内容(「MARC」データベースより)
Red Hat Linux9を使用してサーバー構築を行いたい初心者から中級者向けの一冊。サーバー設定だけにとどまらず、運用や管理についても完全網羅。各章にクイックスタートを設け、基本的な設定方法について説明する。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
吉田/智彦
(有)システムデザイン研究所
関根/達夫
(有)システムデザイン研究所(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)