うーん。ここに来て「『実在のナチス関係者も出てくる』ってだけの話」になってる気がします。
なんでノインの性格が唐突に変わってゼクスみたいなキャラになってるのか、読者としては戸惑うばかりであります。「もしかして一巻飛ばしたのか?」「いや、確かにエルフの表紙の五巻の続きで第六巻だよな。もしかして編集ミスがあって何話か飛ばしてないか?」と確認してしまったくらいであります。
で、肝心のノインやテオやエルフがこの巻ではほとんど登場しないんであります。代わりに物語の狂言回しの役を務めるのがこの巻初登場の新キャラ、医師カール・バウマン。
しかし、主人公たちを遠景に押しやってまで、この人物のエピソードを描くのに三話も費やす必要があったのか。何ともバランスの悪さを感じざるを得ない構成です。
この巻収録の最終話でいきなりベルリンにワープ?してノインとゼクス対面してるし、なんかもうこの勢いで終わるんじゃないかという気がしてきました。まだ六巻なのに(九巻じゃないのに)表紙にノイン出てきたしさ。
設定はすごくおもしろいのに、無闇にキャラクターを増やしすぎたせいか、広げた大風呂敷を畳みきれない予感がします。
「ナオミが人気あるからナオミを活躍させろ」とかそういう編集部の意向、つまりは読者の意向だったのであろうか。
私もナオミは嫌いではないんだけど、ナオミだけじゃなくノインもテオも根はヒューマニストという印象を持っていたので、こういう方向転換の仕方は残念だ(-“-;)
日本人との混血とか日本刀の使い手とかいう設定はどうでもよくなっちゃってるし。
物語を読んでいて一番嫌なのって、「途中から主人公たちに共感できなくなる」ことなんですよね。
気になる点が一つあるんですが、ナオミがバウマンの妻の治療費について言及してますよね?
とすると、患者で愛人のヘレナにめった刺しにされた妻は重傷を負ったけど死んでいないということなのかな(娘の方は生死不明)。
しかし、この展開、描き方を見る限りではどう見ても死んでますよね。妻が生きてるなら、「全てを失った」とか言って死を希求してすらいるように見えるバウマンの言動はおかしい。
その辺、作者はちゃんと煮詰めてなくて、行き当たりばったりで筆任せに描いてるようにも思えます。バウマン→ヘレナの「(妻子があるということは)言ってなかったか・・・・?」はいくらなんでもない。描写が雑すぎる。
精神科医でありながらうかうかと患者とそういう関係になっちゃって・・・・というベタな愛憎劇やベッドシーンを挿入するのはいいんですが、そういうのはいきなり出てきたサブキャラではなく、主人公サイドやナチスサイドでやってほしい。といっても、テオとナオミはそういう関係にしないでほしいと前に言ったし、他にめぼしいキャラもいないのですが。ヒトラーとエヴァは史実なのであまり大胆な改変も解釈もできないしな。
あと、「ナチスドイツを舞台にしたハードボイルド」かと思って読み進めたらかなりSF寄りであることに面喰らい、失望する読者が少なからずいるんじゃないかと心配で夜も眠れないのですが、それは余計なお世話というものでしょうかね。
【2020.2.10.追記】
やっぱり、単行本未収録分の三話を残し、「第一部・完」として無期休載となったようです。
連載再開する見込みがないからノインを表紙に持ってきたんじゃないかと思ったりして。
でも、未完っていうのはちょっとぶさいくですよね。再開するにしてもしないにしても、何か入れて早めに第七巻を出してほしい。
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NeuN(6) (ヤンマガKCスペシャル) コミック – 2020/2/6
「同期」能力に目覚めたノインはナチスに捕らえられ、海上の隔離施設に監禁されていた。多数のナチス軍に囲まれた状況でありながらも、脱出を目論むノイン。一方、ノインを監視するナチス軍ではノインの「同期」能力により精神を破壊される者が続出していた。そこへ、被害にあった軍人達のケアをするべくカール・バウマンという青年医師が現れてーー?
- 本の長さ208ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2020/2/6
- 寸法13 x 1.6 x 18.3 cm
- ISBN-104065184851
- ISBN-13978-4065184851
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商品の説明
著者について
高橋 ツトム
『GOTAVOICE』で1987年アフタヌーン四季賞春のコンテスト準入選受賞。代表作は『地雷震』『鉄腕ガール』『スカイハイ』『爆音列島』『SIDOOH』『ヒトヒトリフタリ』など。
『GOTAVOICE』で1987年アフタヌーン四季賞春のコンテスト準入選受賞。代表作は『地雷震』『鉄腕ガール』『スカイハイ』『爆音列島』『SIDOOH』『ヒトヒトリフタリ』など。
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著者について
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カスタマーレビュー
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トップレビュー
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2020年2月8日に日本でレビュー済み
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21人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2021年4月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
作者の作家性を考えると必ずしも優性遺伝政策を肯定する話にはならないと思っていましたが
ヒトラーの優性遺伝子を持つ者によるサバイバル能力バトルという展開を目の当たりにすると
人権団体からのクレームによって連載継続が困難になったとの向きにも信ぴょう性が出てきます
優性遺伝を引き継ぐ主人公による能力バトルなんて日本の少年誌ではどこの誌面にも何も考えず出てきますが
それが現実の生々しい悲惨な政治的人道的犯罪と接点を持つようになると
昨今ますます監視の目が厳しくなるポリコレの大義の前に、無知との誹りを免れない表現の自由を貪るのは難しいのでしょう
それでも漫画の中にまで個人や個別の正義を持ち込んでうるさいことを言うなと言いたい気持ちは分かりますが
連載が休止状態になっても、作者には引き続き、新たな表現をする機会を与えられる恵まれた環境が一方ではあるのを見ると
商業的出版においては、思考的錯誤者の烙印を押される危険を冒してでも押し通す表現の自由なんて存在しないのではないかと考えちゃいますね
ヒトラーの優性遺伝子を持つ者によるサバイバル能力バトルという展開を目の当たりにすると
人権団体からのクレームによって連載継続が困難になったとの向きにも信ぴょう性が出てきます
優性遺伝を引き継ぐ主人公による能力バトルなんて日本の少年誌ではどこの誌面にも何も考えず出てきますが
それが現実の生々しい悲惨な政治的人道的犯罪と接点を持つようになると
昨今ますます監視の目が厳しくなるポリコレの大義の前に、無知との誹りを免れない表現の自由を貪るのは難しいのでしょう
それでも漫画の中にまで個人や個別の正義を持ち込んでうるさいことを言うなと言いたい気持ちは分かりますが
連載が休止状態になっても、作者には引き続き、新たな表現をする機会を与えられる恵まれた環境が一方ではあるのを見ると
商業的出版においては、思考的錯誤者の烙印を押される危険を冒してでも押し通す表現の自由なんて存在しないのではないかと考えちゃいますね
2022年4月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
Kindle版購入。
ものっっっすごく中途半端でこれから一番盛り上がるだろ!って所で終わってます。残念ながら打ち切りです。
理由は単に売れ行きか、団体系の圧力があったのかは分かりませんが…。
因みに単行本未収録の残り数話は一部の漫画サイトで配信されていますので、割高ですが一話ずつ購入で読む事は可能です。
ですがその数話を読んだとて未完なのは変わらないので、よほどファンで無ければそこまでして読む必要はないかなと思います。
再開予定のない作品に固執するより、バンバン新作を描いてくれる作者さんなのでそちらに目を向けましょう。2022年現在はED薬を題材にしたやつがめちゃめちゃ面白いですよ!
ものっっっすごく中途半端でこれから一番盛り上がるだろ!って所で終わってます。残念ながら打ち切りです。
理由は単に売れ行きか、団体系の圧力があったのかは分かりませんが…。
因みに単行本未収録の残り数話は一部の漫画サイトで配信されていますので、割高ですが一話ずつ購入で読む事は可能です。
ですがその数話を読んだとて未完なのは変わらないので、よほどファンで無ければそこまでして読む必要はないかなと思います。
再開予定のない作品に固執するより、バンバン新作を描いてくれる作者さんなのでそちらに目を向けましょう。2022年現在はED薬を題材にしたやつがめちゃめちゃ面白いですよ!