私がこの写真家の写真を初めてみたのは、まさに高校生のときだった。
あの時の衝撃は今でも覚えている。
ばれた、と思った。
高校生。世間一般には青春真っ只中で、大人からは口ぐちに「今が一番楽しい時期だよ」といわれる時期。
なんとなくそのイメージに合わせようとキラキラしている“ふり”をしていた時期。
…本当は。
言いたいことが言えなくて、自分の枠組みを作ってはみ出ないようにして、打たれないように出る杭になるまいと必死で。
中学生のときまでは経験したことがなったモヤモヤがいつも心のどこかにあった。
だけど、自分の中に渦巻く暗いものを悟られたら負ける気がして隠していた。
高校生。キラキラしてなきゃいけない時期だったから。
この写真集に写るのは、キラキラしてない、モヤモヤを丸出しにしている高校生たち。
ある意味無防備なその姿は、リアルすぎて、目をそらせない。
高校生。
あのとき必死に隠してたことを、
この写真集が全て暴露しているように感じる。
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