精神崩壊曲カールマイヤーで著名ななかおちさとさんのソロ・アルバムです。
全部の楽器を一人で演奏したそうです。
全10曲、67分の大作ですが、聴いていて長さはあまり意識しませんでした。
「歌」重視の内容なので、カールマイヤーのあの阿鼻叫喚を求める人にどう受け入れられるか興味がありますが、バックの音源にはカールマイヤーの金属質の音魂が随所に響いています。
一方で着目したいのは歌詞です。
M1ドレスデン 「ここは爆心地」、M6サラエヴォ 「薬は足りていますか?」、M10黒い日曜日 「少しの水と花をくれ」
言葉と声が突き刺さってきます。
今これだけの歌詞を書ける人は他にいないと思います。
収録曲
M01ドレスデン
M02ぼくらの魂が舟をこぎだすとき
M03ドロップ
M04八月の水滴
M05JAL
M06サラエヴォ
M07眩しい
M08夜の隙間から叫び声が聞こえる
M09鳥を見た
M10黒い日曜日
歌を取り囲むように歪むギター・トーンがサイケデリックで美しいです。
サウンド・プロダクションの在り方からしてアヴァンギャルド。
他に似たような作品を探すのは至難です。
唯一無二。
今年前半の日本のアンダーグラウンド音楽の大傑作だと思います。