エステバリスの出来には文句がない。各部がよく可動し、様々なポージングが可能、ラピッドライフルとそれに対応した手首のパーツも嬉しい。
各パーツの出来もよく、ガンプラでいえばMGクラス、塗装に手を加えればよりリアルな質感を実現できるだろう。
ただし、エステバリスを素体に追加装甲を装着して完成するブラックサレナには問題が多い。装着法は聖闘志星矢のプラモデルの聖衣装着工程とおおよそ同じ。
・上半身の頭部・胸部・背部装甲接合部の頼りなさ
エステバリスの頭部を外さなければ装甲を装着できないのはマイナスだが、素体頭部を残したまま被せる形だと、エステバリス・ブラックサレナ双方の全体のフォルムのバランスが崩れる可能性があるためやむを得なかったと想像できる。
ただ、前部と背部を分けて腋の下で接続する形式になっているが、あまりに接続部が頼りなく、強く押し込みすぎたり、落下させたりすれば簡単に破損してしまうだろうほどに脆い。アームから落ちてしまった場合、接合部のオスが折れる可能性があるほどに細い。
また、胸部装甲を少し押し上げて取り外す仕組みになっているが、肩部にバック・パック(ブースター)を装着すると、全体の重量バランスの関係か、少し触った程度で外れてしまうので、バック・パックを稼働させづらい(可動させる場合は、安定している肩部を押さえて動かすとよい)。
・股間部装甲・大腿部装甲・脚部装甲が外れやすい
股間部も前部・後部で分かれており、開口部への差し込みではなく前後のでっぱりに引っかけて股下で接合する形になっているが、ひどく不安定。付属の説明書では、装甲はまずこの部分から装着するよう手順が示されているが、各部装甲を追加していく度にポロポロ外れる。他の追加パーツ装着中、台座とアームでボディを固定している最中に外れると、再度装着しづらくなる。差し込み式にするべきだった。
大腿部装甲は接続部のメスが大変に見づらく、接合しても少し触った程度で簡単に外れてしまう。脚部装甲は踵部のマグネットで接着するようになっているが、こちらも非常に外れやすく、肩部・背部の装甲を装着中に落下するのはストレスがたまる。
・テイルとテイル・アームの接着の甘さと脆さ
テイル・アームはテイル後部に下から差し込んで接続する形になっているが、こちらも他の追加装甲と同様外れやすく、長く関節部の多いテイル・アームを可動させる度に落下し、オスも細く頼りない。落下しないよう強く押し込むと、オス・メス双方が摩耗してより外れやすくなってしまう。エステバリスとブラックサレナを併せて楽しむフィギュアだが、装甲の脱着を繰り返していくと、まずこの部分がバカになってしまうだろう。接着剤等で固定したくとも、各パーツを細かく分けて納めるようになっている箱への収納が不可能となるためできない。接合方法に一工夫が欲しかった。
テイル部自体も脆く、私の場合、テイル・アームを強く押し込んだ結果、テイル部のパーツが破損、上下に分かれてしまった。このフィギュアは全体的に接合部が繊細で脆い作りになっているため、装甲装着時にはくれぐれも強く押し込みすぎないよう注意する必要がある。
・太いアームによる各装甲への干渉
台座のメスにアーム土台部のオスを差し込み、腰部を左右から挟み込んで支え、固定する仕組みになっているが、重量のあるフィギュアを支えるため、左右のアームはかなり太く、股間部・大腿部の装甲、素体のエステバリスのバック・パック(ウィングとバインダー)と干渉して挟みづらい。
説明書ではフィギュアが落下しないよう、アーム可動部のネジを締めるよう書かれているが、装甲との干渉があり、また前述したようにボディに少し触れただけで各装甲がたやすく外れてしまうため、かなり面倒な作業となる。
できれば、アームの半径をもう少し細くした上で、腰部を360度しっかりロックして保持できるようにしてほしかった。また、アーム部にテイル・アームを支える補助が欲しかった。
まとめると、
1.各装甲接合部の外れやすさ(様々なポージング、エステバリスとブラックサレナ両形態へのスムーズな移行の実現のためという点を加味しても)
2.テイルとテイル・アーム部の脆さ
3.各部の干渉によるフィギュアのアームによる保持のしづらさ
以上の問題点が、せっかくの見た目のよさにもかかわらず評価を下げてしまっている。残念ながら、期待と値段に相応する出来ではなかったと評価せざるを得ない。
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