Keith Sweatに見出され、彼のKeiaレコード第一弾アーティストとしてデビューしたSilkの1stアルバム。90年代を代表する男性ボーカルグループとなるSilkはメインリードのLil Gを中心としたクインテット構成で、コーラスワークを重視しながらも後にはセルフプロデュースを行うようにもなる万能グループである。
このデビューアルバムはこれまでの合計で200万枚の売上を残す大ヒットとなり、3枚のヒットシングルを生み出した彼らの代表作である。
グループとしての完成度を楽しむなら次作以降ということになるだろうが、実質9曲しか収録されていないやや急造感のあるこの作品には、彼らの若々しさと勢いが感じられる。収録曲の全てはKeith Sweatが手がけており、彼のプロデュースワークを楽しめる作品でもある。
(2)"Happy Days"がこのアルバムからの1stシングル。James Brown"Payback"のベースをサンプリングした重くシリアスなビートと、クールなヴァース部分と熱いフックが最高な、間違いなくこの時代のクラシックの1つ。
(3)"Don't Keep Me Waiting"はGeraldとSeanのLeVert兄弟が客演しておりSilk色は希薄。(4)"Girl U For Me"は切ないハーモニーが美しいバラードで、人気曲の一つだ。後述の(8)と共にシングル化されR&Bチャートで4位となった。
(5)"Freak Me"は全米を制した大ヒットシングルで、プラチナムディスクに認定されている。フック以外は語りであり、後はひたすら同じフックを繰り返すという珍しい構成の曲だが、段々と力強くバラエティを増していくLil Gのアドリブがこの曲の醍醐味だろう。なお、R&Bチャートに関して言えば8週連続トップに立った。何度がカヴァーされているが、最も有名なのはUKのAnother Levelによるもの。
(6)"When I Think About You"はラップ多めのニュージャック。この曲のラップはTeno Westなる人物が担当しており、(5)の語りを演じているのも彼だ。(7)"Baby It's You"もややニュージャック色の残る明るいダンスナンバーで、どこかで聴いたことのあるようなフックのメロディーが印象的。
そして(8)"Lose Control"も彼らを代表するシングル。当時人気の高かったアカペラ風のアレンジで、Lil Gはピアノとソングライトに参加。メンバーそれぞれの活躍が楽しめる曲でもある。2003年にアトランタのラッパーデュオDirtyがこの曲をサンプリングした曲にはSilk本人たちが参加しておりこちらも必聴。ザッピーな(9)"I Had To Be You"も好曲だが、The Delfonicsのカヴァー(10)"I Gave To You"はファルセットがヘタウマに聞こえてしまいイマイチ。
以上、収録曲が少なく、あっという間に聞き終えてしまう。
この後、コンスタントに良作を生み出していく彼らだが、Keith Sweatと組んだ作品は実はこれが最後。この時代にしか生まれ得なかったであろう(2)(4)(5)(8)という名曲を含んだ本作品はマスターピースだ。
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