タイトルは「食べてみよう!」なのだが「楽しんで味わってみよう」ということ。
全体の構成から見れば、ドラマティックでヴァラエティに富んだ選曲は見事。
いきなりアップテンポな「僕たちのこと秘密にしよう」でやや過激なインパクト。
つづく「サクラ、ヒトヒラ。」ではライトロック調の明るく華やかなムードへ。
「Distance」でしみじみとした別れのバラードを歌い上げる。
ディスコ調の「SECOND RING」でまた盛り上がる展開、緊迫しながらも前へ、前へと進んでいくイメージが心地よい。
テクノポップ風の「one For REAL!!」はポジティヴに人生を駆け抜けるヒロインをモチーフ。「あきらめない」「大丈夫、心配ないから」と自分に言い聞かせながらHAMAはさらに突っ走る。
「Best Friends」では優しいピアノのメロディが再び穏やかな気持ちにしてくれる。友がいるから成長できる…そんな思いが伝わる。
「maze of LOVE」も短調のやや悲しげなメロディがベース、憂いを帯びながらも愛に対する情熱の炎は熱い。
「舞花-maika-」演歌的な曲調…ひとつの曲の中にも必ずドラマが用意されている。サビの部分での盛り上がりが素晴らしい。
「ふるさと」…ふるさとを愛する少女の思い、遠くに離れていても忘れない、ふるさとを思えば優しくなれる…一人暮らしの人間にはぐっと来る。
「Dear sister -Wedding Ver.-」…嫁いで行く姉を歌った歌というのは珍しいのだろう。共に成長してきた過程を振り返りながら、あらためて自分と向き合い、自分自身を見つめ直すというテーマも含まれているようだ。家族への愛…これが彼女のふるさとへの愛にもつながっている。
10曲それぞれに楽しめる…味わい深く、中味の濃いアルバム…いろんな顔を持ったHAMAの世界をぜひ堪能してみて欲しい。