ランドリオール第10巻を読んだ単行本派のいち読者である私は本巻の内容を次のように予想していました。
『竜脈に囚われて死の窮地に瀕した親友リドを神剣レッセ・フェールをもって一閃で竜脈を断ち切りリドを救うDX』、
『間髪を入れず竜脈の乱れを正すウールン』、
『分らず屋のリドの兄、竜葵を母親直伝の傭兵剣法で翻弄し、得意顔のDX』
…白状します。おがき先生は私の予想を遥かに越えた次元で本作品を描かれておられたのだ、と。
本巻で描かれていたのは『子供と大人の違いとは何か』、ということです。
−親友が困っている、だから助けに行く。
−分らず屋の親友の兄が邪魔をするからぶっとばす。
単純明快な子供の論理です。
しかしそれでは大人に勝てないのです。
肋骨を折られ、負傷をした箇所を足で踏みつけられ、地べたに這いつくばったのは竜葵ではなくDXでした。
傭兵剣法が全く通じず、DXの『口撃』にも微塵も動じない竜葵。
DXと竜葵、2人の違いとは、子供と大人の違いとは何なのでしょう。
子供には無くて大人に有るもの…それは『覚悟』です。『大義』と言ってもいいでしょう。
竜葵には国を背負って立つ『覚悟』がある。そして領主として国を守る『大義』を持っている。
だから傭兵ごときに、子供などには負けないのです。
『竜葵』という名前は決していたずらに付けられたものではありません。
時代劇『水戸黄門』で水戸光圀が『葵の御紋』の印籠を示すとき、徳川幕府の威光が悪代官や悪徳商人を地べたにひれ伏せさせます。
竜葵がDXを地べたに這いつくばらせたように。
本巻の最後でDXは神剣を騎士の作法で構え、自分の身分と名前を名乗ります。
その名において自分の親友リドを、ではなく、自国の庇護下にあるリドを守る、と高らかに宣言します。
この瞬間、DXは子供であることを止め、『覚悟』をもって『大義』を背負う大人として竜葵に対峙します。
次巻で如何なる決着がつくのか。それを知るのが楽しみです。
- コミック: 192ページ
- 出版社: 一迅社 (2007/11/24)
- 言語: 日本語
- ISBN-10: 4758053189
- ISBN-13: 978-4758053181
- 発売日: 2007/11/24
- 梱包サイズ: 18.2 x 13 x 2 cm
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