源氏物語と雅楽の世界に親しむ最高の一枚。
旧盤(20年程前)の「源氏物語の音楽」と同音源同内容の新盤(一話「常夏」はないがその分安価な新盤。また旧盤はレアもので高値で取引されており、「常夏」なくとも十分楽しめこの新盤で十分)。
谷崎潤一郎の「新々訳源氏物語」から、曲にちなんだ一節を関弘子氏が朗読し、雅楽の世界へいざなう。超有名な「青海波」など名前の知られた曲を含め、そのジャンルは唐楽・高麗楽・催馬楽に及ぶ。
類似した構成のCDには「義経の龍笛」(長谷川景光)があるが、これは珍しい選曲と構成はマニア向けであるので、やはりこの「源氏物語の世界」が、源氏物語にも雅楽に初めて触れようとする方には、親しみやすいと思われる。「源氏物語」と雅楽。古風な雅(みやび)の世界に遊ぶ、恰好の一枚、名盤中の名盤である。