一度聴いたら忘れられない稀有な名曲"If I Ever Fall In Love"が収録されたShaiのデビューアルバム。
その"If I Ever Fall In Love"のラジオプレイからの大ヒットを受けて作られた急造作がこのアルバムなのだが、その"If I Ever~"だけを聴いてCDをケースに仕舞うのは些か勿体無い。
グループのセルフプロデュースによって生み出された他の収録曲から漂うのは、西海岸の"G"なギャングスタな香りである。ワシントンDC出身の彼らだが、アルバムの収録はカリフォルニアなのである。彼ら得意のハーモニーだけでなく、そういった点に注目して聴くとまた面白い。
尚、当アルバムの売上は300万枚に達している大ヒットアルバムである。
重い重低音が響くGなインタールードから始まる(2)"Comforter"は全米10位、R&Bチャート4位となった2ndシングル。キーボードを中心とした気怠い曲調と南部を思わせるドラムス、後半の泣きを誘うサックスと、好き者にはたまらない人気曲である。(3)は"If I Ever Fall In Love"のリミックス。やり過ぎ感もある重低音を効かせたドラムスとベースがオリジナルとの違いを際立たせており、名リミックスだといえよう。歌唱もリテイクしている点もプラス。(4)"Sexual"は(2)と同系統の曲で、こちらはサックスの量を増やしてジャジー度が増しているが、やや単調か。
(2)や表題曲に負けず劣らず人気なのが(5)"Together Forever"で、感動的なピアノに情動的な歌を乗せたズルいともいえるような名曲。"Ordinary People"の上位互換といって差し支えなし。続く(6)"If I Ever Fall In Love"が既に何度も述べた全米2位、R&Bチャート1位の大ヒットシングルである。幾度と無く繰り返し聴いたが、未だに聴くことに抵抗を感じない奇跡のアカペラソングといえる。
(7)"Falva"は何故かラップソング。だがこれが凄く良いのである。どちらにせよこの曲は謎である。シングルとなった(8)"Baby I'm Yours"は耳触りがよくヒットしたが、当時にありがちな曲で個人的にはあまり好きではない。オークランドの香り漂う(11)"Don't Wanna Play"はAnt Banksが作りそうな隠れた好曲。中々こういった曲はR&Bではお目にかかる機会がないので、個人的には楽しめた1曲。
どうしても(6)のインパクトは強いが、(2)(5)あたりも充分それに負けていない出来である。他のグループとは一味違った彼らの独特なコーラスワークを楽しめる良作アルバムである。
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