1985年にアイドルとしてデビューし、80年代末期に芸能界を引退。1996年にEriとしてトイズファクトリ―から再デビューし、以来地道に音楽活動を続けているNobori Eriさんが2015年に出したアルバムです。エンジニアに、Eri名義での初期の作品を手掛けたこともある大ベテラン、森達彦氏を再び迎えています。
本作は、紙ジャケにCDが入っているだけのシンプルな仕様で、本人の写真も歌詞カードもありません。「歌詞もいいけど曲を聴いてくれ」ってことなのでしょうか。なお歌詞については公式サイトで全曲普通に見ることができます。
前作「HARD flower」収録の "blame" のように、突出して「これだ!」と思うような曲は(個人的には)ないものの、本作もEriさんらしいアルバムとなっています。前作はその "blame" が唯一際立って暗い曲で、そういう曲が大好きな私の琴線に激しく触れたのですが、本作も曲や詞のみならず、アレンジに関しても相当に作り込まれたアルバムとなっています。
このアルバムは、あからさまにダークな曲は入っていないものの、歌詞の端々から感じる孤独感と、それを受け入れて進もうとする力強さは健在。このあたりの軸は、初期の頃から一貫してますね。
透明感のある歌声と、自分の内面を深く見つめるような詞。アレンジ面でのセンスも高く、もっと多くの人に注目されてほしいアーティストです。