本作は未だにガンダム史上トップクラスの作画クオリティを誇ります。それこそバニング
大尉の顔のシワを見るだけでも神の息吹というか、世界からの訪れを感じさせられます。
本作は、主人公以上に人気のキャラクター・ガトーが出てきます。本作は彼を主軸にした
物語だという意見もあるのですが、私は、やはり主人公・コウの負け続ける物語として魅力
を感じます。
人生は、何事も上手くいって順調な時よりも、やっていることは正しい筈なのに何故か結果
が付いてこない時や、何故か上手くいかない時にこそ、精神的な成長を遂げやすい面が実は
あります。コウを主軸として見ると本作は正にそういった作品です。
本作には、主人公が手をじっと見つめるシーンが二度あります。一度目は、自信を回復した
コウがケリィからパイロット章を返してもらうシーン。もう一度は、ガトーたちの行った
コロニー落しで炭化した麦を手に取るシーンです。これらは、ひよっ子だったコウが、二人
の大人の男の魂を受けついで、一人前の男に成長したということを表しています。
今西監督がバッドエンドとして語られやすい本作のエンディングを「コウの成長物語としては
ハッピーエンド」だと語るのも、今言ったような文脈からだと理解できます。そして、そういう
コウだからこそニナは戻ってきた、という物語の構造になっています。
ですが、女性と結ばれてハッピーエンド、というのも、コウがあくまで「普通の人間」だという
ことも表しており、とてもほろ苦いエンディングです。


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