エンヤの最初の作品が収められたサントラです。該当曲は1,2,5,6,7,8,9,10,13,14,16です。8は後に彼女の作品制作に協力するニッキーライアンとの共作です。10,16は8のインスト版です。
ジャケットを見ても判る通り、曲全てがフレンチ映画のサントラという感じのものです。本作収録の彼女の初めての曲は映画に合わせた様な内容で、イージーリスニングかムード音楽とでもいうべき、典型的な映画サントラ音楽の曲調です。その後の作品とはまるでかけ離れているので驚かされます。まだまだ未熟な所と、既にこの頃からある彼女のポップでロマンティックな作曲センスは彼女の音楽を考察する上で非常に興味深いです。本作の聞き物は歌モノの8,9でしょう。どちらも佳曲です。
本作は彼女の作曲の原点と意外な音楽面の表出という意味で貴重ですが、上記の様な曲調は率直に言うと平凡で、彼女の曲よりも他人の曲であるフレンチジャズの方が(悲しいことですが)遥かに良く印象的です。本作はエンヤの熱心なファン以外にはあまりお勧めはできないので初心者は参考程度に知っておくだけで十分です。