Free culture インターネット・ベースの技術を積極的に使うことで,知的財産権の過剰な保護が進みつつあり,それによって健全なイノベーションが妨げられている――。こうした主張をするLessig教授の書籍第3弾である。前2冊は理論的な内容でとっつきにくかったが,今回は実話を基にしていて読みやすい。例えばLessig教授は,米国で著作権の有効期間が延長されたとき,その無効を裁判に訴えた。結局,敗訴するのだがそのてん末を細かく記載している。前著を読んでいないなら,本書を先に読んでみるのもいい。
(日経バイト 2004/10/01 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
-- 日経BP企画
自由な文化は技術が変わり著作権のもたらすバランスが変わるにつれて、そのバランスを最新の状態に保つ。でも奇妙なことに、少なくとも政策立案者たちの中では、繁栄は知的財産権が最大化されたときにしか起きないというこれと対立する発想がある。権利を増やすのが常によいことだ、というわけだ。保護を増やすのが常に効率を最大化する、とでも言うようだ。この正反対の見方は、われわれの社会でどんなに有力だろうと、根本的にまちがっている。本書では、なぜまちがっているかを示そうとしている―そしてもっと重要なこととして、デジタル技術の経済成長と創造的な可能性が実現されるためには、このまちがった見方を改めることが重要だということを示そうとしている。
内容(「MARC」データベースより)
いま法によって本当に守られるべきものは何か? インターネットを越えて創られる文化について特に著作権に話を絞り、無節操な強化とそれによる明白な害、それに対する具体的な反対運動について述べる。
著者について
ローレンス・レッシグ 現在スタンフォード大学の憲法学教授およびサイバー法センターの教授。また、クリ エイティブ・コモンズの主導者でもある。『CODE』によりサイバー法の第一人者とさ れ、次の『コモンズ』においてもインターネットによる新しい文化創造の問題に取り 組み話題を呼んでいる。
また、アメリカの著作権延長違憲裁判においては提訴側の弁護人を務め、クリエイティ ブ・コモンズ運動を主導するなど、象牙の塔の学者にとどまらない活発な活動を繰り 広げている。2002年には来日も果たしており、本書ではそのときの成果も盛り込まれ ている。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
レッシグ,ローレンス
現在スタンフォード大学の憲法学教授およびサイバー法センターの教授。また、クリエイティブ・コモンズの主導者でもある。『CODE』によりサイバー法の第一人者とされ、次の『コモンズ』においてもインターネットによる新しい文化創造の問題に取り組み話題を呼んでいる
山形/浩生
1964年東京生まれ。東京大学都市工学科修士課程およびマサチューセッツ工科大学不動産センター修士課程修了。大手調査会社に勤務のかたわら、小説、経済、ネット文化、コンピュータなど無節操なほどに広範な分野での翻訳および各種の雑文書きに手を染める。フリーソフトの社会経済的な意義に関しても造詣が深い
守岡/桜
1975年京都生まれ。大学在学中にアメリカに留学。卒業後、秘書職を経て現在に至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)