シンプルなコーラスとギターだけで9分を聴かせる4.Down By The River 。ウエスト・コーストの音と言うよりフリーの後期に近くて、ブリティッシュ・ロックのユーザーにニール・ヤングが好かれているのがわかります。訥々としたギターはわたしの耳をがしっとつかみますし、コーラス部のカタルシスも素晴らしい。メランコリーを歌わせたらこの人の右に出る人はいないのでは、と感じさせます。この曲で陶然となっていると最後に7.Cowgirl In The Sand で、またもや魂を持っていかれます。
イントロだけでもすさまじいのに、どこに行くのか見通せないヤングのギターの破格なこと。ブルーズの雰囲気はあることはありますけれど、ざくざくっとした感触はこの人でなくては味わえません。ただただ感情の趣くままをギターにぶつけているような演奏です。さらにクレイジーホースの面々がシンプルで大きな音を出しているのも大変よろしいです。この曲を聴いていると音数なんか問題じゃないんだと本当に思いますね。ニール・ヤングとクレイジーホースのその後数十年を決定してしまったモニュメント。ほかにもちろん1.Cinnamon Girl も外せません。