芸術にさして興味があるわけでもなく、造詣も深くないというか無知に近いのだが、表紙の強烈なインパクトに惹かれ、ただの作品集だと勝手に思い込んで購入。
実際はそうではなく芸術家榎忠の４０年の活動の足跡を写真（作品の写真ばかりではない）と文章で記したものだったのだが、これが凄い。芸術として何が凄いかは最後まで理解できなかったが、なんだかわからないが凄い。そんな感じで見終わった。圧倒されまくりだった。ついでに言えば文章を寄せている評論家の文章も難しくて理解できなかった…。
さらに、人間としての榎忠も私の理解の範囲を超えていた。それは、彼が専業の芸術家ではなく会社員として定年まで働いていたことである。「半刈り」でハンガリーへ行ったときにもそうだった。しかも半刈りを４年もの間続けていた。
凡人には狂気と取られかねないような内容の芸術活動と、会社員として長年に渡り普通の生活を営むことが、彼の中でどうやって並存していたのだろうか。凡人の私にはわからない。人間としても非常に興味がある人物だ。
誰か人間としての榎忠の「評伝」を書いてくれないだろうか…。
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