南米アマゾンのジャングルの奥深くにある研究所で、秘密の研究をしている生物学者のアレキサンダー・ソーケル(アルバート・デッカー)は、日に日に視力が落ち、顕微鏡を覗くのが難しくなってきた。そこで、彼は、自分の研究をサポートしてもらうために、科学者のメアリー・ロビンソン博士(ジャニス・ローガン)、ルパート・ブルフィンチ博士(チャールズ・ハルトン)、鉱物学者のビル・ストックトン(トーマス・コーリー)を研究所に呼び寄せるのだが…。
『キング・コング』の監督として有名なアーネスト・B・シュードザック監督によるSFサスペンスの佳作(クレジットはされていないものの、メリアン・C・クーパーが、プロデューサーをしている)。3色式的テクニカラーを採用した最初のSF作品として知られる。日本劇場未公開。
人間を14インチ(約36センチ)に縮小する技術を手に入れた科学者が(言うまでもなく、その技術を悪用、暴走するマッド・サイエンティストだ！)、仲間を次々に縮小していく…という基本のプロットを聞いて、胸躍らない映画ファンなどいるのだろうか？俗っぽいと言ったら、これほど俗っぽい設定もないが、同時に、これほど、映画のファンタジーの力を発揮出来る設定もないだろう。
実際、縮小した(された)人間の特撮が、本作の要であり、最大の見せ場となるのだが、それが実に良く出来ている。本作以前の同種作品である、トッド・ブラウニング監督の『悪魔の人形』などと比べても(この白黒作品も良く出来ているが)、カラー作品ということで、誤魔化しがきかず、より特撮の技術力が明確に出てしまうので大きな挑戦だったはずだが、テーブル、イス、本、メガネ、ナイフ、ライフル、そして、ソーケル博士の手…などの巨大なプロップ(ディテール、質感が素晴らしい)に囲まれた俳優たちに演技をさせた場面を駆使して、縮小した人間から見える世界を見事に視覚化している。普通のサイズの時のごくありふれた何でもない景色が、縮小したことで、危険に溢れた全く別の世界に変貌する落差の面白さ！
オプチカル合成も、細心の注意を払って行われていて、ソーケル博士と縮小した人間たちが一緒の場面でも、違和感や不自然さが全く感じられない。本作以降も、『
縮みゆく人間
』、『親指トム』(
北米盤DVD-R
)、『縮みゆく女』などの同種作品が作り続けられることになるのは周知の通りだが、すでに、本作で、特撮技術は完成していると言えるだろう。
主演のデッカーは、はげ頭に、度の強いメガネをかけた相貌のソーケル博士を好演している。マッド・サイエンティストながら、一見穏やかで物腰柔らかい感じが、かえって不気味で邪悪な印象を増幅させている。
常に、観る者を驚かせる作品を作り続けたクーパー=シュードザックのコンビらしい、センス・オブ・ワンダーに溢れた作品で、誰もが楽しめる良質のエンターテインメントになっている。
本Blu-rayは、米Kino Lorberが、ユニバーサル(1948年までのパラマウント作品の権利を保有)からライセンスを受けて発売したもの。マスターには、新規4Kマスターを1920×1080に落として作られたHDマスターを使用している。
キズ、ゴミはきれいに取り除かれ、色調、ディテール表現の細やかさが素晴らしい画質だ。2.0ch DTS-HD マスター・オーディオ音声も明瞭。英語字幕も収録。
特典には、映画史家リチャード・ハーランド・スミスのコメンタリー、ジーザス・トレヴィーノが解説する”Trailers From Hell”の抜粋(2分28秒)、予告編(2分02秒)が収録。
本Blu-rayは、北米盤ながら、日本と同じR-A仕様なので、日本の通常のBlu-rayプレーヤーで問題なく視聴可能だ。
残念ながら、日本では正規盤のDVDもBlu-rayも発売されず、出処不明の怪しげなマスターを使った
パブリック・ドメイン盤
しか流通していない情けない状況だが、極上の質で本作を楽しみたい方には、本Blu-ray一択だと思う。
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r a price
Worth the money
2020年5月20日に英国でレビュー済みAmazonで購入
Harry Payne
Brilliant special effects
2017年11月1日に英国でレビュー済みAmazonで購入
stephen wheeler
Five Stars
2015年5月21日に英国でレビュー済みAmazonで購入
anniebaby
Five Stars
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Movieman
Piccolo gioiello del cinema fantastico
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