今回、COSMOSのPVを閲覧し、衝動的に即購入しました。
おとぎ話は数多のロックを取り込み、解釈し、少年期をぎゅっと抱えた日本のロックンロールバンドとして記憶しておきたいバンドです。有馬和樹氏の織り成す、あくまで少年の中から飛び出た大人、もとい大人の中から飛び出た少年の世界はどこか懐かしさがあり、声質と言葉の親和性が、誰しもが覚えている青春期を散りばめて包容してくれる様な、あたたかさがあります。
王道スケールでありながらも巧みにそしてクールな牛尾健太氏のギターは時々不器用に寄り添う時もありますが、絶妙なバランスで繊細さが映える距離感で奏でられています。風間洋隆氏のベース、前越啓輔氏のドラムも、安心して歌に繋げられるグルーブで、今作でのおとぎ話の音楽世界は一層に一体感を増します。
通しで聴いてみてほしいものですが、敢えて選ぶとすれば、2.きゅーと研究会 4.少年 6.光の涙 7.COSMOS 8.AURORA などから聴いてみてはいかがでしょうか。
声を少し奥の方に置いているマスタリングの作り込みは多少気に掛かりますが、
現在のおとぎ話で、渾身の素晴らしいアルバムと思います。
これ以上を今後創り出していくのか、次の作品も楽しみです。