ゲームそのものが雰囲気を重視していて、これらサウンドトラックも例外ではない。
凝ったケースは紙製でCDは袋に入った3枚入り。ライナーノーツ等はナシ(これが残念だった)。
始めた時からピアノの細い旋律が印象的で、???のモノローグと共に一挙に作品世界に引き込まれることだろう。そう、劇中で数々の犠牲者が、辺獄へ引き込まれていたように。
全ては削除(sakuzyo)氏のもとで作曲されており、ジャンルが多岐にわたると共に曲調も大幅に違えているが、しかし統一した意思が貫かれているのが重要な点。作曲が複数人に亘ると、個々の楽器の使い方で雰囲気が違って聞こえることもある。同様に揃えても、やはり違いはわかるものである。
以下は主だった曲の寸評。ライナーノーツが無いので自分の感想とも言うべき。
*ディスク1
01.0:タイトル曲兼、零のテーマとされる。が、そこまで「らしく」はないような…
04.LimBus:最初の細いピアノ、それを下から支えるバスが零のプロフィールにある「不安定さを持ちながら、前に進む強さ」をよく表現しているステージ曲。そういう意味では「0」よりも性格を良く表現しているかも。
13.Desparate:ボス汎用ながら、最初から半音・低音で攻めてくる迫力が印象的。「強敵と戦っている感」が強い。
14.Fancy Fancy:前とはうって変わって安定基調で始まるが、前奏が終わると大事件が待っていそうな曲調にかわる。ただ長くは続かず、全体は二つの曲調が互いに繰り返すような構成になっている。2回あるピアノソロ周辺がお気に入り。
15.Trickstar:777のテーマ。イントロで「えんじょいでえきさいてぃんぐ」が膨らんでいき、破裂して始まる様。本人の性格そのままに、主旋律が吹き飛んだオルゴールのように始まり、続いて加減を間違えた行進曲調に、テクノ調にジャズ調と目まぐるしく展開する。とにかく奔放で、製作は楽しそうだけど大変そうでもあったろう曲。あまりにドハマリしている事から、おそらく777の性格に合せて後で製作されたものと思われる。この曲だけシンクロ率が高いもの。
*ディスク2
04.Courage:第2章曲。テンポが早く、復讐に走り続ける小衣を象徴するような一曲。千の初登場曲もこちら。「強い意志」を感じさせるシーンに使われてるので、いわば意思のテーマというところか。
08.Revenger:Courageの印象が強いものの、千ではなく実は小衣のテーマはこちらの模様。初登場シーンもこの曲だったが、即入れ替わったせいでその時はあまり記憶には残らず。一つの旋律が基なので、一貫した小衣の意思を感じさせる一曲。ただ実際には小衣だけに拘らず、割と広く使われている。
14.Anamnesis:いきなり半音から始まる不安定さを強調した曲。Revengerと似た一節があるのは…?
*ディスク3
02.Chaos:ラスボス手前のステージ曲にふさわしく、これまでのステージ曲すべてを総合して編曲したもの。ラスボス手前の高揚感、4人が再び投合した爽快感とが相まって、非常に気持ちよく流せるアレンジに。
03.Traitor:タイトルの意味は「嘘つき」。みらいのテーマはDear(ディスク1)とされるものの、実は2週目ラスボス曲のこちらが本命。高いストリング系と低いシンセとが上辺と本性との二面を表し、互いに補うように進行した後、サビでは共に共通した旋律を奏でる。要するに愛情と依存心とが複雑に絡み合って成る、みらいの心情そのもの。
04.Flame:千のテーマだが、登場は…
07.The End:サントラは完全版を謳いつつも、実はゲーム中では2Ver.ある。片方しか入ってない…
08 Spirits:エンディング曲。「あなたの涙が、あなたの未来を輝かせますように」