コントラバス奏者/一ノ瀬大悟の幼児性を伴った「野蛮」という才気をギタリスト/祥の知性とバランス感覚がみごとにコントロールしている絶妙のコンビネーションで展開するのは傑作アルバム1st[MILD]と同様、3年ぶりにリリースした2nd[CLIMAX]もフルボリュームで一聴すれば当然、「スゲェ傑作」だと一ノ瀬大悟デュオを知らない人々も感じる筈である。ウッドベースとガットギター、足の裏には可愛いくカスタネットだけで凡百の電気仕掛けのエフェクターかましのロックバンドなど寄せつけないようなハイテンション・トラックがズラリと・・・こんな独自の音楽を創造してしまったのが英国でも米国でもなく「made in japanの一ノ瀬大悟デュオ」だということ。これはニッポンが世界に誇れることのひとつだと思う。
サムライ・ハラキリ・京都・ゲイシャ・富士山・一ノ瀬大悟デュオになるのはもう時間の問題でしょう。おふたりとも日本に厭きてしまったらたぶん世界進出するでしょうし、何かのきっかけで例えばマッドリブあたりがREMIXしたいと言い出しかねないしロバート・ロドリゲスからオファーがくるかもわからない。冗談じゃなくそんなレベルまでイッてしまってます。そうなれば一ノ瀬大悟はアクターとしてコントラバスに仕込んだ狂喜のマシンガンを思う存分、「デスペラード撃ち」できるだろう。まさに[CLIMAX]2枚買いです。