なんだろう、こんな「大好き」なアルバムも近年珍しい。こんな気合いの入ったアルバムを、結成20周年(TRACY時代も入れれば30年?)のバンドが作ったというのだから信じがたい。捨て曲なしのパンクチューンが怒涛のごとく15曲!コンセプトアルバムではないと思うけれど、1曲目「Came from West Side...」とラスト「Came from Waste Side...」が前半で共通した歌詞を持ち1つの世界観を創りつつも、全く別の曲として提示されているのが面白い。全体的に激しい曲が大半を占める中、珍しく低音ボーカルで語りかけるように歌う#10「Homeless」も印象的。#3「The Vacant」と#13「汚染衝突」はバンドの今後を担う曲になりそうな気がする。キーボードが抜けてギターが加入した新体制での初フルアルバムとなる本作ですが、この2曲では特にギターソロがその存在感を見事に主張している。鎌坂さんのボーカル唯一無二ですね。ただ「うまく歌う」だけのボーカリストが多い中、彼の歌い方は誰にもマネできません。何度も飽きず聴いてしまう最新型リアルパンクの大作!