90年代始めを代表するヒットアルバムの1つ。ビルボードで最高3位を記録し、77週連続でチャートインした。UKでも3位を記録し、最終的にはアメリカで300万枚、全世界で600万枚売り上げている。
シングルカットされた7曲のうち、2曲はビルボード1位を獲得した。成功の鍵となったのが、地元のコンテストで鍛え上げたハーモニー重視のスタイル。当時ありがちだった、そこそこ歌えるリードシンガーと急遽集めた他のメンバー、というようなグループとは一線を画していた。
この耳触りの良いスタイルは、アメリカだけでなくヨーロッパでヒットした要因にもなっていると思う。4人中3人が白人で、やや軟弱なスタイルといった点からか、R&Bの歴史を語る上であまり話題にならないグループだが、このアルバムにはヒットしただけの十分な魅力がある。
(1)"I Wanna Sex You Up"は重要サントラ「New Jack City」に先行収録された彼らのデビューシングルで、全米最高2位、UK3週連続1位、USの年間チャートで2位を記録したメガヒットナンバーだ。シングルの売上は200万枚という恐ろしい数字である。製作はDr. Freezeで、彼らしいゴリゴリのニュージャックではなく、ソフトでハーモニーが重視されたダンスナンバー。"La Di Da Di"の有名フレーズがループされているのが彼らしい曲といえるかもしれない。アンサーソングがいくつも作られたことでも有名で、特にJadeやTCF Crewのものは人気がある。
他ヒット曲との巡り合わせの関係で全米1位を獲得できなかった(1)なのだが、(2)"All 4 Love"は全米1位となった3rdシングル。プロデューサーはHIPHOP畑のHowie Teeで、The Mad Ladsの"Patch My Heart"という66年曲を今風に弾き直した爽やかなアップナンバーだ。こちらは年間チャート9位。同じくHowie Tee制の(3)"Heartbreaker"はアルバムから6番目のシングル。チャートは奮わなかったが、ダンスナンバーではアルバム内ベストだと思う。定番ブレイクMantronix"King Of The Beats"のベル音を使った疾走感のあるHIPHOP寄りなトラックと、ターンテーブルでレコードを止める音がワンポイントで組み込まれている所がツボ。
(4)"I Adore Mi Amor"は彼らを代表するバラードで、初の全米1位を獲得した2ndシングル。ストリートでハーモニーを磨いた彼らのスタイルを体現したような曲で、BoyzⅡMenが歌いそうな激甘なスローだ。続く(5)"Groove My Mind"も同系統の激甘ナンバーで、こちらはHi-FiveやBobby Brown的な青酸っぱさがある。ドラマティックな展開が堪らない、個人的にアルバムで一番好きな曲。
(8)"Slow Mothion"はシンプルなミッドテンポの7thシングル。(9)"Thinkin' Back"はアダルティなムード漂う5thシングルで、R&Bチャート10位とヒットした。ほぼベース音のみで終盤まで引っ張る珍しい良曲。ソングライトにはTroy Taylorの名前も。
ヒットしたシングルも含め、ポップで大味な曲が多い印象があるが、その辺りは次作で改善する模様。
ニュージャックはちょっと合わないな、という人には凄くオススメのアルバム。
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