これ1つがあれば、あとは選り取りで良い。。という演奏は、たまにであるが見つけられるものである
この、1980年のマリナー、アカデミー室内管弦楽団。。ロンドン、セント・ジョンズ教会でのブランデンブルク録音もその1つだと思う。。。
自分が1番最初にこの演奏を聴いたのは、ポリグラムから最初期に出されたCDで、赤ジャケットと青ジャケットに分かれたものである
赤の方1枚に1.2.3番、もう1枚の青に4.5.6番が収録されている、400番台の銀蒸着の青ラベルである
それで聴いた4番の冒頭、最初の管の柔らかい音の置き方と、全く乱れのないアンサンブル、そしてふくよかな音質に感嘆してしまった
それだけで、この演奏と録音のコンセプトがはっきりと伝わる程の秀逸さで、今までピノックやムジカアンティクァケルン等で聴いて来た、些かの物足りなさや過剰を、この演奏は一気に払拭したのである
今までに、もう一度2枚別々に出された事もあるが、上部のフィリップス帯に灰色の背景に文字だけというシンプルなものである
この盤に於いて、歯に衣着せぬオーディオ、レコード評論で有名な、長岡鉄男氏の外盤A級セレクションに抜粋されたお墨付きである
あと、1980年録音の全集盤は初期盤のジャケの装飾を生かした、ブラックを基調としたものが97年に出ているので、ご参照の程。。。
自分がこの盤をお薦めするのは、2枚目に素敵なボートラが入ったからでもある。。。
1つは、ギドンクレーメルによる、2つのヴァイオリンのための協奏曲 BWV 1043
もう1つはホリガーがソロを担当するヴァイオリンとオーボエの為の協奏曲 BWV 1060である
どちらも1982年録音で、その颯爽とした素晴らしさは本編と違和感無い
新品で購入しやすい価格であるというのも魅力
ただし、初期盤のようなアナログ的なふくよかさ、というよりは、リマスターによるものなのか、些か線の細い洗練された聴きやすい音という雰囲気なので、少しだけ音量を上げ気味にすると『聴こえ方』が旧盤と違和感が無くなり、聴きごたえがある
全体の整合感は増しているような気がするので、ご安心の程。。。
マリナーはこの演奏の他に、あと2回、前後に録音を行っているが、自分としてはこの盤の演奏をお薦めしたい
尚、この盤の紹介文にもジャケットにも、どこにも1980年録音と表示がないので、ここに明記しておきたいと思う^^
自分は視聴の音で判断し、購入してからライナーノートで確認した