「A/Bテストの教科書」を読んだ。
A/Bテストとは、異なるWebサイトを用意し、実際にユーザーに利用してもらうことで良否を判断する試験のことだ。
思いつくままにテストしていてはダメで、必ずユーザー調査を元にテストを設計する。
ユーザー調査には以下の6つがある。
・ヒートマップ調査
・KPIマップ調査
・アクセス解析
・ログデータ×パネルアンケート
・ユーザーテスト
・ヒューリスティック調査
なかでも王道とされるアクセス解析+KPIマップは、サイト全体を把握したり、ページ単位での課題発見に役立つ。課題を解決することで、離脱率を改善する。
続いてヒートマップは、パーツ単位での課題発見に役立つ。こちらはページスクロール率・ボタンクリック率を改善する。
以上のユーザー調査を踏まえて明らかになった課題群を、3つの視点から絞り込む。
・リターンの大きい場所か?
・課題が明確な場所か?
・テストをしやすい場所か?
次にどのようにテストするのか、テスト内容を決める。テスト様式には以下のものがある。
◆クイック&バリューテスト
01.引き算テスト
02.配置替えテスト
03.要素強調テスト
04.心を動かすコピーテスト
◆ベーシックテスト
05.足し算テスト
06.ビジュアルチェンジテスト
07.UIコンポーネントテスト
08.カラムレイアウトテスト
◆アドバンスドテスト(ハイエンドテスト)
09.リニューアル前後テスト
10.複数ページ横断テスト
11.多変量テスト
12.セグメント別テスト
◆アドバンスドテスト(テクニカルテスト)
13.フロー改修テスト
14.機能改修テスト
15.ダイナミックテスト
16.ネイティブアプリテスト
またテストには、次の要素が含まれていると良い。
・テスト案の仮説意図が明確である
・テストパターンに振り幅がある
・仮説を詰め込みすぎていない
・次のテスト案が用意されている
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本書はタイトル通り、A/Bテストのお作法から体制作りまで網羅されている。しかし、すぐにテストを実施したい小さな組織や、要点だけ知りたい人には不向きだ。
良い特徴として、OptimizelyやPtengineなどA/Bテストで必要となるツールの紹介や、テストの事例が豊富に掲載されている点が挙げられる。
時間は掛かるが、基礎からしっかりA/Bテストを学びたい人にオススメ。
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