Arvo Part のアルバムは、EMIの同一音源がヴァリエーションCDとして数タイプ出ているので、
注意が必要だが、これもそうした1枚。コンピレーションということになっている。
クラシック音楽が、ロマン派から、12音といった世界に入り、そこが袋小路になり、
現代音楽になっていった時に、ペルトがルネッサンス期の音楽やグレゴリオ聖歌などに淵源を求めたことは、
ひとつの解となっていく。彼が、もともと豊かな作曲の才に恵まれていたこともあり、
「現代の静寂派」とでもいうような独自世界が生みだされていく。
最初、このアルバムの数曲をyoutubeで聴いて、購入を決めたが、
いざCDが手元に来ると、どう受けとめていいかわからなかった。
どうしても構えて聴いてしまい、面白みが感じられない。
ニュートラルに受けとめられない。
そこでランダム再生にして、それぞれの曲のことをいったん忘れてみると、
彼の音楽が心の中にスッと入ってくるようになった。
「Sanctuary」というのは、アルバムのタイトルとしてつけられたもので、曲の名ではない。
8曲中3曲が、声楽曲だが、全体のトーンは一貫している。食事後の午睡時、横になって聴くと最適。