AI vs. 教科書が読めない子どもたち (日本語) 単行本 – 2018/2/2
新井 紀子
(著)
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本の長さ287ページ
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言語日本語
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出版社東洋経済新報社
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発売日2018/2/2
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ISBN-104492762396
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ISBN-13978-4492762394
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商品の説明
メディア掲載レビューほか
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★新聞 日経/朝日/読売/毎日/産経/東京/北海道/高知 ほか
★週刊誌 週刊文春/週刊現代/AERA ほか
★ビジネス誌 週刊ダイヤモンド/プレジデント/週刊エコノミスト/週刊東洋経済 ほか
★月刊誌 文藝春秋/正論/Voice ほか
★女性誌 女性セブン/婦人公論/anan/VERY ほか
★ネット ほぼ日刊イトイ新聞/ニューズウィーク日本版オンライン/東洋経済オンライン ほか
人間がAIに勝つためには「読解力」を磨くしかない
先日惜しまれつつ世を去ったホーキング博士は、数年前に「完全な人工知能(AI)が実現すれば、人類は終焉を迎える」という意の発言をしていた。いわゆる「シンギュラリティ」、つまりAIの進化が人間のそれを上回るという「技術的特異点」のことだ。
しかし、東大合格を目指した「東ロボくん」の開発者である著者は言う。「AIが人類を滅ぼす?……滅ぼしません! 」「シンギュラリティが到来する?……到来しません! 」。それどころか、東大合格すらAIには無理だろうと言うのだ。
とはいえ、個人的にあまり笑っていられない。「東ロボくん」は既に私の勤める大学の入試は十分に突破する偏差値を模試で叩き出している。では、MARCHレベルと東大との入試の間に、AIが決して越すことのできないどのような溝があるというのか。
それは国語、読解力だ。AIが自然言語を読みこなすことは金輪際できないというのだ。その不可能性の仕組みは本書にあたってもらいたいが、ここでほっと胸を撫でおろすのも束の間、シンギュラリティよりもっと切迫した問題があった。
実は中高生の多くが、「東ロボくん」以下の読解力しか持っていないということが調査から浮かび上がってきた。二つの文章の意味が同じかどうかを判定する問題で、中学生の正答率はなんと57%。しかも、それを聞いたある新聞記者が、57%もあるなら悪くないんじゃないかと言ったそうで、もうこうなると日本人の読解力は壊滅的と言わざるを得ない。二択の問題なら誰でも五割はとれる。
他のタイプの問題でも、サイコロを転がすのと同じ程度の正答率しかなかったというこの若者の読解力の現状で、小学校からプログラミングや英語が導入されようとしているが、著者は言う。「一に読解、二に読解」と。そうしなければ、AIの進化を待たずに人間が職場をAIに明け渡さねばならなくなる日が遠からず訪れることになるだろう。
評者:伊藤氏貴
(週刊文春 2018年04月12日号掲載)
読解力が世界を支配
藤井聡太が羽生善治を破った朝日杯。やっぱり将棋は人間対人間がおもしろい。いくら強くても、コンピュータでは味気ない。
『AIvs.教科書が読めない子どもたち』は、AI(人工知能)と人間の現状と未来についての本である。著者は国立情報学研究所教授で数学者。東大合格を目指すAI「東ロボくん」の育ての親だ。この本には、同プロジェクトから見えてきたAIの可能性と限界、そして人間との関係が書かれている。
良いニュースと悪いニュースがひとつずつ。まず、良いニュースから。AIが人間を超える、いわゆるシンギュラリティが到来することはない、と著者は断言する。なぜなら、AIはコンピュータであり、コンピュータは四則計算をする機械でしかないから。どんなに高度になっても、その本質は変わらない。
たとえば東ロボくんの偏差値は57・1。東大は無理だけど、MARCHなら入れそうだ。ただし国語や英語は苦手だ。なぜなら、AIは意味を理解しないから。読解力がないのである。
しかし、これで人類の未来は明るいぞなんて安心してはいられない。AIでもできる仕事は、この先どんどん奪われていくのだ。これが悪いニュース。
ならばAIにできない仕事をやればいい、と思うだろう。ところがこれもお先真っ暗だ。全国読解力調査によると、教科書の文章を正しく理解できない中高生が多いというのである。なんと3人に1人が簡単な文章すら読めない。これからの世界は、読解力がある一握りのエリートに支配されてしまうのか。
評者:永江朗
(週刊朝日 掲載)
内容(「BOOK」データベースより)
著者について
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
国立情報学研究所教授、同社会共有知研究センター長。一般社団法人「教育のための科学研究所」代表理事・所長。東京都出身。一橋大学法学部およびイリノイ大学数学科卒業、イリノイ大学5年一貫制大学院数学研究科単位取得退学(ABD)。東京工業大学より博士(理学)を取得。専門は数理論理学。2011年より人工知能プロジェクト「ロボットは東大に入れるか」プロジェクトディレクタを務める。2016年より読解力を診断する「リーディングスキルテスト」の研究開発を主導(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社より

著者:新井紀子(あらい・のりこ)
国立情報学研究所教授、同社会共有知研究センター長。
一般社団法人「教育のための科学研究所」代表理事・所長。
東京都出身。一橋大学法学部およびイリノイ大学数学科卒業、イリノイ大学5年一貫制大学院数学研究科単位取得退学(ABD)。東京工業大学より博士(理学)を取得。専門は数理論理学。
2011年より人工知能プロジェクト「ロボットは東大に入れるか」プロジェクトディレクタを務める。2016年より読解力を診断する「リーディングスキルテスト」の研究開発を主導。

ビジネスパーソン、親世代に大反響。25万部のベストセラー!ビジネスパーソン、親世代に大反響。25万部のベストセラー!
東ロボくんは東大には入れなかった。AIの限界。
しかし、”彼”はMARCHクラスには楽勝で合格していた!
これが意味することとはなにか? AIは何を得意とし、何を苦手とするのか?
AI楽観論者は、人間とAIが補完し合い共存するシナリオを描く。
しかし、東ロボくんの実験と同時に行なわれた全国2万5000人を対象にした読解力調査では恐るべき実態が判明する。
AIの限界が示される一方で、これからの危機はむしろ人間側の教育にあることが示され、その行く着く先は最悪の恐慌だという。
では、最悪のシナリオを避けるのはどうしたらいいのか? 最終章では教育に関する専門家でもある新井先生の提言が語られる。
AI vs. 教科書が読めない子どもたち 内容紹介
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第1章 MARCHに合格――AIはライバル
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第2章 桜散る――シンギュラリティはSF
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第3章 教科書が読めない――全国読解力調査
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第4章 最悪のシナリオ
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AIに負けない子どもを育てる | AI vs. 教科書が読めない子どもたち | HUMAN+MACHINE 人間+マシン: AI時代の8つの融合スキル | AI×人口減少 これから日本で何が起こるのか | 週刊東洋経済 2019年4/13号 [雑誌](AI時代に食える仕事 食えない仕事) | AI時代に勝つ子・負ける子―週刊東洋経済eビジネス新書No.265 | |
著者 | 新井 紀子 | 新井 紀子 | ポール・R・ドーアティ、H・ジェームズ・ウィルソン | 中原 圭介 | 週刊東洋経済編集部 | 週刊東洋経済編集部 |
内容紹介 | 日本中で騒然の書『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』、待望の続編。AIが苦手とする読解力を人間が身につけるにはどうしたらいいのか? 読解力向上のために親、学校、個人ができることを提言。小学校・中学校で実際に行われて成果をあげている授業・取組みを公開! 大人が読解力を身につける方法も明らかに。あなたは大丈夫? すぐにできる「体験版リーディングスキルテスト」も収録。 | 東ロボくんは東大には入れなかった。AIの限界ーー。しかし、"彼"はMARCHクラスには楽勝で合格していた!これが意味することとはなにか? AIは何を得意とし、何を苦手とするのか? 東ロボくんの実験と同時に行なわれた全国2万5000人を対象にした読解力調査では恐るべき実態が判明する。AIの限界が示される一方で、これからの危機はむしろ人間側の教育にあり、その行く着く先は最悪の恐慌だという。では、最悪のシナリオを避けるにはどうしたらいいのか? | 製造、サプライチェーン、会計、R&D、営業、マーケティング ヒトと人工知能との「協働」が始まる GE、マイクロソフト、BMW、グーグル、アマゾン・・・・・・ 先進企業に学ぶ「これまでと違う仕事」と「これまでと違う仕事のやり方」 AI革命とは「人間の能力を拡張する」ために業務プロセスを根本的に変えることである。 本書はこの新しい時代を理解し、勝ち抜くためのガイドとなる。 | これから5年、私たちの仕事、給料、生活が大きく変わる! ・定年はどこまで延びるのか、年金はどうなるのか ・5年後、高学歴大量失業社会はやってくるのか ・AI時代のビジネスエリートの条件とは何か ・シェア経済の進化でモノは売れなくなるのか ・銀行、自動車、流通…業界再編は避けらないのか もっとも予測が当たる経済アナリストによる最新の未来予測 | AIで職業はどう変わるのか? 弁護士、医師、製薬会社の研究開発、銀行の法人営業、小中高の教員、不動産仲介、自治体職員など18職種・1350万人の仕事の未来を大胆に予測。未来の社会を知りたい方、教育関係者だけでなく、子どもの教育に迷う親御さんも必見! | ロボットやAI(人工知能)がもたらすインパクトは大きい。将来、人間の仕事を代替する分野も生まれるかもしれない。「消える仕事・残る仕事」の議論で重要なのは、道具としてのAIが得意・不得意な領域をきちんと認識することだ。創造性や非定型さを求められる分野や医療、教育などの分野は人間を代替することは難しい。AI時代に求められる能力とは何か。子どもが養うべき3つの力(読解力・論理力・数学力)を徹底解説する。 |
ページ数 | 332ページ | 287ページ | 352ページ | 254ページ | 94ページ | 『週刊東洋経済』2018年5月12日号掲載の24ページ分を電子化 |
出版社 | 東洋経済新報社 | 東洋経済新報社 | 東洋経済新報社 | 東洋経済新報社 | 東洋経済新報社 | 東洋経済新報社 |
登録情報
- 出版社 : 東洋経済新報社 (2018/2/2)
- 発売日 : 2018/2/2
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 287ページ
- ISBN-10 : 4492762396
- ISBN-13 : 978-4492762394
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,757位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- カスタマーレビュー:
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カスタマーレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
東ロボについては、やはり不適格な人がリーダーをしていたのでしょう。例えば数学で大変良い結果になったのは、数学者(?)たる著者の成果でも何でもないことは本著に正直に記載されています。まあ大雑把に言って第五世代コンピュータプロジェクトと同じようなものであったと、後世言われることになるでしょう。
RSTについては、実のところあまり興味がないこともあり、ここでは触れません。生まれつきのものじゃないか、と複数の子を持つ親としては思ってしまいます。
プロジェクトは大失敗だったにも関わらず、総括が全くされていないのだ。
情報学の知人から聞いた話だが、スパコン研究というのは既得権益の世界なのだそうだ。
ゼネコンのように一部の学者が権力を握り、資金力さえあれば計算能力が向上する、知的生産性の低い分野なのだとか。
失敗から学ぼうとせず、公的資金や権力を独占することが目的化した闇が、垣間見える。
本書を読んで感銘を受けたのは、(スパコン研究者とは対照的に)著者が東ロボの限界を早々に見極め、ムダにスペックの向上を目指さなかったことである。
バカな国民に対する説明はそこそこにして、大言壮語して自分の地位を確保することなど簡単だったにも関わらず。
著者は東ロボの失敗から(現行の)AIの限界を見出し、同じ課題が大多数の日本人にも当てはまることに気付いた。
そしてAIが人間の職を奪うという近未来の危機に、教育というかたちで取り組むことを決断した。
旧帝大を除けば、大学入試はパターン認識(AIが能力を発揮する)で対応できてしまうという事実は指摘されていたことである。
パターンが変わると凍り付いて問題文を読むことすらできない、そのような学生は教育現場のあちこちで見掛ける。
アシカやオウムに算数の問題を解かせるように、ある程度の問題なら意味を理解しなくとも(訓練だけで)解けるということなのだ。
その点でReading Skillが塾通いと相関しないという結果は、大変興味深い。
進学塾というのは子どもの長期的な将来はともかく、かたちだけ点数を取らせれば親の(当座の)要求には応えているのだから。
またReading Skillを求められる有名私立中学の入試が、はじめから優秀な子どものスクリーニングとして機能しているという指摘も面白い。
私自身高等教育に携わる人間として、また我が子が入試改革に翻弄される親として、著者の活動を支持して行きたい。
・「国立Sクラスでは論理的な読解や推論力を要する問題の正答率が他のグループに比べ高かった」(p183)という結果について。
これは憶測だが、国立Sクラスに入学する学生は難関中学の入試を突破したことのある人が多いのではないか。
ここで何が言いたいかというと、「12歳までに読解力を身に着けることができた子どもが過ごしたのはどのような環境だったか」を探らねばならないということだ。難関中学対策を提供している塾に秘密が隠されているかもしれない。
・「AIは大学進学希望者の中で上位20%の実力がある。だからAIにできない仕事をできる能力を持つ人は20%に満たない可能性がある。」(p272)
確かに可能性はあるだろう。(※蓋然性ではなく可能性だ。)
この主張の背景には大学入試での学力が仕事の能力に結ぶつくという前提があると思う。この点に私は疑問を抱いた。本当にそうなのか?そんな証拠は一体どこにあるのだろうか。それともわざと読者を煽っているのか?
・「読解能力値は中学生の間は平均的に向上する。高校の間は向上しない」(p228)という結果に対して、私なりの仮説を提示したい。
中学生は高校入試という「絶対に受からないとまずいと思えるような」試験を受けなければならないという人が大半だろう。ということは学年が進むにつれて高校入試に向けて自分で勉強しようとする(教科書を読もうとする)のでないか。
ではなぜ大学受験がある高校では読解能力が向上しないのかといえば、それは就職や専門学校に進む人もいるし、大学に受からなくても高校に落ちるよりはダメージが低い(浪人する人は高校入試の時より多いだろう)ので全く勉強しない人も多いと思うからだ。
ここで言いたいのはそもそも「教科書を読もうという気」がなければ読解能力も上がらないのではないかということだ。多くの生徒は普段の授業は聞いてるだけで教科書を丹念に読もうとしてないだろう(私のことだ)。そこに高校入試という一大イベントが迫ってくると「自主的に」教科書を読もうとする。その結果苦労しつつも読解能力が向上するのではないかという仮説だ。残念ながら読解能力が向上するメカニズムをすべて解明するのは難しい。だが、読もうとすることは読解能力向上の必要条件なのではないかと思っている。
・「手書きだから真面目にやったか概ね判断できる」(p181)という趣旨の主張があったが、それについて何の根拠も示されていない。会社の採用担当者にありがちな手書き信仰に近いものを感じた。
経験則だとしても、本当にやる気があったかどうかいちいち聞いて検証してみたということか?
・「貧困は読解能力値に影響を与えている」(p227))について。相関関係があるだけで因果関係が明示されていない。
・偏差値とその調査の点数に相関があるからと言って「真面目にやった」(p181)といえるのか。
・エベレストの問題(p192)について。「世界で」というのはおそらく「地球上で」という意味なのだろう。私は宇宙も含むと考えた。実際、火星のオリンポス山はエベレストより高い。エルブルス山(聞いたこともない山だった)はどこの山か書いてないので判断できないと答えたのだ。おそらく世界といったら地球のことだと考えるのが「常識」なのだろう。私のような非常識な人間もいると考えてもう少し定義を厳密にするべきだったのではないか。
・「何人もの優秀な研究者から直接確認したことですから間違いありません。」(p153)とあるが、その研究者の名前を出してほしかった。匿名ではいい加減なことを言っている可能性を排除しきれない。もちろん名前を出しているからといって嘘を言っていない保証はどこにもないが。
・読み間違いをする生徒の話(p202)について疑問。そのような生徒は本当に「増えて」いるのか?社会科の先生はそのような発言をしていたそうだが、ただの印象に過ぎないのではないのか?昔からそのような生徒はいたのでは?
・グルコースの問題(p204)についてのデータがみたい。個人的には、専門用語だらけで読む気が失せる文章だなと感じた。私はうんざりしながらも数秒考えて正解したが、この問題はテキトーに回答する人が多かったのではないか?もちろん他の人も私と同じく読む気が失せる文章だと感じるとは言えないが、肝心のデータの分布はどうなっていたのだろうか。
著者のRSTを普及させるための宣伝書というのはよくわかりました。
煽る内容にしていればよく物事を考えない人々が飛びつくのだな、日本は大丈夫かなと5つの星を付けた人々のことが心配になりました。きっと数年後には賛辞を送っていたのがだまされた!と手のひらをかえすんだろうな、、、、
欲しい2をつけたのは、その煽る戦略に騙された一人だから、そこは称賛します
本書は先ず、世間で AI と呼ばれている AI 技術について、シンギュラリティは達成不可能である反面、一部の分野で人間を超える事は可能だと論じる。AI の得意分野と苦手分野について述べ、AI が発展しても仕事を奪われない為には、AI の苦手分野で勝つ事が理想と説く。
一方、AI の学力が受験生の上位 20%(大学で言うと MARCH クラス)に相当する事を述べ、AI よりも学力の劣る学生達は、AI の苦手な仕事も同様に苦手である事を論じる。つまり 現実には、AI の得意分野で負けて苦手分野で引き分けなので、仕事が奪われっぱなしで挽回できないと危惧する。
そして調査の結果、学力を左右する最大の要因は読解力であると結論づける。読解力不足は現役の学生にのみ該当する事ではなく、新聞記者や官僚のように、高学歴の代表とも言える職種にすら該当する課題なのだ。
もちろん高度な読解力が無くても、介護士や保育士のように AI の苦手な仕事は、たくさんある。しかし、それらは外貨を稼ぐ仕事ではない。外貨を稼ぎ国を豊かにするには、高度な読解力を持ち『AI に勝てる』人材の量と質を向上させる以外に無いのである。
本書は、AI の実力のみならず、日本社会の抱える課題と方向性を明らかにした、珠玉の名著であった。
(余談ながら、本書をスラスラ読める人は AI に仕事が奪われない人であり、本書を曲解したり難解だと感じる人は、AI に仕事が奪われるリスクのある人、と言っても構わない。)
読解力と偏差値とは非常に高い相関関係がある。つまり、読解力のある子供が将来高い賃金を獲得でき、AIに淘汰されない職業に就ける可能性が高いということができる。しかし、著者が憂いているのは、現実の小中学生の読解力の低さである。膨大なデータから導き出されてきた結果は、教科書が読めない子供が半分いるという厳しい現実である。恐ろしいのは、アクティブラーニングは中教審の委員がこの事実に気づかず進めていることになる。
教科書が読めていない子供たちが、グループ討議して獲得できる認識の変容というものは到底期待されたものとは遠いレベルにとどまると考えられる。今、教育界で最も取り組まなければいけないことは、アクティブラーニングよりも読解力の向上である。しかし、読解力を向上させる決定的な要因は解明されていない。残念ながら読書すれが向上するという単純なものでもないらしい。著者は、AI時代を生き残る光明として「困ったこと」を見つけること、そしてどうやったら解決できるかをAIを味方に付けて追求していくことだと提案している。
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