1部「AIの遺電子」は一話完結型のヒューマノイドを診るブラックジャックです。
AIが人間にとって理想の姿で発展した理想の社会に住んでいながら尚、人間(ヒト・ヒューマノイド)なら抱えるであろう悩みや不満がリアルに描かれています。
2部「AIの遺電子 RED QUEEN」では主人公の最大の目的を果たすために舞台を先進国日本からAI排斥国の発展途上国に移し、話は主人公を追い続けます。
1部では主に個人個人の悩みや葛藤を描いていましたが、その中で垣間見えたAI社会に至るまでの問題、穏やか社会の裏で暗躍する不正なAI犯罪、主人公の暗い過去、等々のチラつかせていた闇と2部で全面的に対峙します。
1部を読んでいた時に感じた、完成後の社会がテーマであり、完成前の動乱期は過ぎ去った過去として具体的な描写はされないんだろうな、という気持ちが2部で良い意味で裏切られました。
1部は2部の壮大な前振りとも取れますが、1部の平和な社会があってこそ映える2部だと思います。
1部単体でも上質なヒューマンドラマとして☆5です。
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