ジェニファー・ロペスは立ち位置の微妙な特殊な歌手である。元々ダンスやボイストレーニング、演技の稽古を幼い頃より積んできたので、万能気質に育ってきたのは事実だが、そのキャリアはノーマルではない。一番最初にキャリアをスタートさせたのは意外にもダンサー。93年にジャネット・ジャクソンのTHAT'S THE WAY LOVE GOES(8週全米一位)のPVに出演したことで姿を見せ、本来ならばその曲の収録されたアルバム「janet.」を引っさげてのいツアーにバックダンサーとして同行するはずだった。しかしツアーの前にダンサーチームを脱退。次は歌手ではなく女優業をスタートさせる。アナコンダやセルなど様々なタイプの演技をこなしていくことで女優としての地位をまず不動のものにする。元々誰かのダンサーであったかなど忘れてしまうくらいイメージが付いていた。しかし、1999年にはまた一転。SONYからCDデビューを果たすことに。ロドニー・ジャーキンスやパフ・ダディ、さらにはコーリー・ルーニーやトラックマスターズなどの旬はR&B、HIP HOP畑のプロデューサーに曲を作らせ、自分のルーツとなるラテンを織り交ぜることにより、ブリトニー・スピアーズやクリスティーナ・アギレラとの差別化を計った。ラテンブームのお陰もあり、彼女は孤高のシンガーとして地位を築き上げる。ロドニーの手がけたファーストシングルは5週連続の全米1位。その後にも立て続けにTOP10にヒット曲を送り込み、アルバムは世界で600万枚を超えている。