【概要】
(分野)ジャーナリズム、業界分析
(頁数)204頁
(出版日)2013/7/19
本書では、「東京経済オンライン」編集長である著者が、現在起きているメディア業界の「IT化」が、どの様にビジネスを変えているかについて、当事者である筆者の熱意と共に述べられます。
「こういう記事は、こう書かないと読者がつかない」的な、同業者に向けてのメッセージ性が強い本書ですが、私達が日々接する「情報」の作り手が、「財政的」、「質的」にどの様な状況にあるのかを知る上で、大変示唆的な内容を含んでいると思います。
【内容】
~インターネットを駆使するIT企業が既存メディアを駆逐している~
本書の前半では、今までメディアの専売特許であった「情報」が、インターネットの普及によって相対的に価値が下がって来ており、ここ10年に至って新聞や雑誌などの既存メディアとのパワーバランスが逆転して来た経緯が述べられます。
また、こうした時代には、一過性の記事は価値を生み出しにくく、数ある情報を上手く「編集」し、納得できる独自の視点を読者に与えられる記者だけが生き残れるのだと、数々の事例を挙げながら述べられます。
~欧米のメディア業界の苦心~
中盤では、いち早くこうした変化に見舞われた欧米のメディア業界が、一時的に壊滅的な影響を受けたことが述べられます。
特にアメリカのメディア業界は、財政基盤を広告収入に大幅に頼っています。しかし、GoogleやYahoo !、更にはFacebookなどの、本当にここ10数年に出来たIT企業がメディア業界の広告市場を駆逐していった結果、一気に存亡の危機に追い込まれます。
追い込まれたメディア業界が、「原則無料」が常識のインターネットを通じ、自らを「IT化」、そして不得手の「オンライン版」を創設する中で、いかに自分たちの提供する「情報」を「金を払う価値がある」と感じてもらえるか、様々な試行錯誤をしていることが記されます。
本書では、こうした取り組みを最初に成功させたのが、「メーター制」を導入した英フィナンシャル・タイムズであることが紹介されます。こうした出来事からは、2015年7月に発表された日本経済新聞社による大変高額でのフィナンシャル・タイムズ買収の背景を感じます。
~日本のメディアの変化が必要~
本書の後半では、欧米の流れにやや遅れた日本のメディア業界でも、同様の変化起きていることが述べられます。新聞自体の売上げが広告収集より多くを占める日本では、インターネットによる影響が比較的軽微だったのですが、スマートフォンの登場で状況が一変します。
もはや、インターネットまでモバイル出来る時代に、再生の利かない「紙媒体」で「一過性の情報」からお金を取ることが極めて難しくなってきた事が、特に雑誌で年々激減して行く売上を根拠に述べられます。
筆者は、こうした激動期の中でも“5年後”生き残る「記者」の素養を説き、「ベンチャージャーナリスト」の様な、新進気鋭のメディアの存在が重要だと唱えます。
【感想】
著者は、「SmartNews」や「Gunosy」などの「コンテンツキュレーション」系のメディアが安定な収益を得ることは出来ないと述べています。こうした新興メディアは、「編集」による「独自の視点」を付加価値として与えられないため、「原則無料のオンライン」からはお金は取れないだろうと言う意見です。
これを、今までの自分たちの食い扶持を盗られた皮肉と取るか、冷静な分析と取るかは人それぞれでしょうが、少なくとも数年後に、メディア業界には今、従来私たちが考えていたものとは、違った形になるのであろうと、深く考えさせられました。
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5年後、メディアは稼げるか――Monetize or Die? 単行本 – 2013/7/19
佐々木 紀彦
(著)
米国の新聞社・出版社が繰り広げている
「血みどろの生存競争」が日本にやってくる!
4カ月でビジネス誌系サイトNo.1に導いた
東洋経済オンライン編集長が予見するメディア・サバイバル
今、日本と世界のメディア界は、大きな岐路を迎えている。今後5年、メディア業界は100年に一度といってもいい激震を経験するはずだ。では、ウェブのさらなる進化などによって、メディアの形はどう変わっていくのか。ネットメディアを運営するプレーヤーの目と、業界を分析するジャーナリストの目から、「メディア新世界」の姿を予測する。
・8~9割のメディア人はデフレに
・テクノロジー音痴のメディア人は2流
・日経以外の一般紙はウェブで全滅する
・有料課金できるメディアの条件
・起業家ジャーナリストの時代がくる
・最後のガラパゴス業界が激変する
・欧米メディアの"血みどろ"の戦い
・これからはコンテンツとデータが王様
・5年でデジタルは端役から主役に
・一番偉いのは、新しい"稼ぎ"を創る人
・新時代のカギを握るのは、30代
・“のっぺらぼうメディア"の終わり
・ウェブと紙の6つの違い
・紙の本はそのまま残る?
・雑誌が紙である必要はあるか?
・次世代ジャーナリストの10の生き方
・記者は没落、編集者は引く手あまた
・ウェブメディアの8つの稼ぎ方
・どうすればネット広告は儲かるか?
・サラリーマン記者・編集者の終わり
「血みどろの生存競争」が日本にやってくる!
4カ月でビジネス誌系サイトNo.1に導いた
東洋経済オンライン編集長が予見するメディア・サバイバル
今、日本と世界のメディア界は、大きな岐路を迎えている。今後5年、メディア業界は100年に一度といってもいい激震を経験するはずだ。では、ウェブのさらなる進化などによって、メディアの形はどう変わっていくのか。ネットメディアを運営するプレーヤーの目と、業界を分析するジャーナリストの目から、「メディア新世界」の姿を予測する。
・8~9割のメディア人はデフレに
・テクノロジー音痴のメディア人は2流
・日経以外の一般紙はウェブで全滅する
・有料課金できるメディアの条件
・起業家ジャーナリストの時代がくる
・最後のガラパゴス業界が激変する
・欧米メディアの"血みどろ"の戦い
・これからはコンテンツとデータが王様
・5年でデジタルは端役から主役に
・一番偉いのは、新しい"稼ぎ"を創る人
・新時代のカギを握るのは、30代
・“のっぺらぼうメディア"の終わり
・ウェブと紙の6つの違い
・紙の本はそのまま残る?
・雑誌が紙である必要はあるか?
・次世代ジャーナリストの10の生き方
・記者は没落、編集者は引く手あまた
・ウェブメディアの8つの稼ぎ方
・どうすればネット広告は儲かるか?
・サラリーマン記者・編集者の終わり
- 本の長さ204ページ
- 言語日本語
- 出版社東洋経済新報社
- 発売日2013/7/19
- ISBN-104492762124
- ISBN-13978-4492762127
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
今、日本と世界のメディア界は、大きな岐路を迎えている。今後5年、メディア業界は100年に一度といってもいい激震を経験するはずだ。では、ウェブのさらなる進化などによって、メディアの形はどう変わっていくのか。ネットメディアを運営するプレーヤーの目と、業界を分析するジャーナリストの目から、「メディア新世界」の姿を予測する。
著者について
佐々木 紀彦(ササキ ノリヒコ)
東洋経済オンライン編集長
東洋経済オンライン編集長。1979年福岡県北九州市生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業後、東洋経済新報社で自動車、IT業界などを担当。2007年9月より休職し、スタンフォード大学大学院で修士号取得(国際政治経済専攻)。2009年7月より復職し、『週刊東洋経済』編集部に所属。「30歳の逆襲」「非ネイティブの英語術」「世界VS.中国」「2020年の世界と日本」「ストーリーで戦略を作ろう」「グローバルエリートを育成せよ」などの特集を担当。2012年より現職。
東洋経済オンライン編集長
東洋経済オンライン編集長。1979年福岡県北九州市生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業後、東洋経済新報社で自動車、IT業界などを担当。2007年9月より休職し、スタンフォード大学大学院で修士号取得(国際政治経済専攻)。2009年7月より復職し、『週刊東洋経済』編集部に所属。「30歳の逆襲」「非ネイティブの英語術」「世界VS.中国」「2020年の世界と日本」「ストーリーで戦略を作ろう」「グローバルエリートを育成せよ」などの特集を担当。2012年より現職。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
佐々木/紀彦
1979年福岡県生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業後、東洋経済新報社で自動車、IT業界などを担当。2007年9月より休職し、スタンフォード大学大学院で修士号取得(国際政治経済専攻)。2009年7月より復職し、『週刊東洋経済』編集部に所属。2012年11月、「東洋経済オンライン」編集長に就任。リニューアルから4カ月で5301万ページビューを記録し、同サイトをビジネス誌系サイトNo.1に導く(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1979年福岡県生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業後、東洋経済新報社で自動車、IT業界などを担当。2007年9月より休職し、スタンフォード大学大学院で修士号取得(国際政治経済専攻)。2009年7月より復職し、『週刊東洋経済』編集部に所属。2012年11月、「東洋経済オンライン」編集長に就任。リニューアルから4カ月で5301万ページビューを記録し、同サイトをビジネス誌系サイトNo.1に導く(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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登録情報
- 出版社 : 東洋経済新報社 (2013/7/19)
- 発売日 : 2013/7/19
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 204ページ
- ISBN-10 : 4492762124
- ISBN-13 : 978-4492762127
- Amazon 売れ筋ランキング: - 211,942位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 164位メディアと社会
- - 349位ジャーナリズム (本)
- カスタマーレビュー:
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カスタマーレビュー
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2015年10月31日に日本でレビュー済み
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2015年4月12日に日本でレビュー済み
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紙からwebメディアに移り成果を挙げている、メディアのプロとしての著者による「ここから5年のメディア論」。
基本的には新聞・雑誌を中心としたメディア(紙&web)についての情報・考察がメインだが、
特に前半の3章は、広告やwebサービス…とより幅広いくくりの人にとっても役立つと思う。
「いかにユーザーを巻き込むか」「マネタイズをどう考えるか」「ユーザーは何を求めるか」…が日米のメディア状況を例に展開される。
1章ウェブメディアをやってみて痛感したこと
2章米国製メディアは稼げているのか
3章ウェブメディアでどう稼ぐか
ちなみに最後の1章は、メディア人に向けて、ジャーナリズムを殺さぬためにどうするべきか著者が語っている。
20代・30代がなんとかしろ!というメッセージは熱い。
4章5年後に食えるメディア人、食えないメディア人
基本的には新聞・雑誌を中心としたメディア(紙&web)についての情報・考察がメインだが、
特に前半の3章は、広告やwebサービス…とより幅広いくくりの人にとっても役立つと思う。
「いかにユーザーを巻き込むか」「マネタイズをどう考えるか」「ユーザーは何を求めるか」…が日米のメディア状況を例に展開される。
1章ウェブメディアをやってみて痛感したこと
2章米国製メディアは稼げているのか
3章ウェブメディアでどう稼ぐか
ちなみに最後の1章は、メディア人に向けて、ジャーナリズムを殺さぬためにどうするべきか著者が語っている。
20代・30代がなんとかしろ!というメッセージは熱い。
4章5年後に食えるメディア人、食えないメディア人





