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43回の殺意 川崎中1男子生徒殺害事件の深層 (日本語) 単行本 – 2017/12/13

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商品の説明

メディア掲載レビューほか

貧困のシングルマザー家庭で育った少年は、なぜ殺されたのか

2015年2月、川崎市で中学一年の上村遼太君が「夜遊び仲間」の先輩らにカッターで身体を切り刻まれた上、河川敷に投棄され死亡。18歳、17歳の計3人の無職少年が殺人容疑で逮捕された。当時、評者も取材し「元仲間」から写真を見せてもらった加害少年の母はフィリピン人だった。葬儀では「ガクラン」姿の中学生が会場外で荒れ、報道陣に食って掛かりパトカーが呼ばれた。「こんな土地柄ならさもありなん」と勝手に納得していた。だが「島根県に住み続ければ悲劇はなかった」のか。被害少年の環境が気になっていた。

本著にも登場するが、斎場から出てきた参列者が「悲しむ母親の頬をいきなり友人の女性がひっぱたき仰天した」と話した。当時、母親は「育児ネグレクトしていたくせに」などとネットで中傷されていた。

父親が「Iターン」で漁師を始めた島根県の小さな島で育った遼太君は明るい子だったが両親は離婚。母は実家のある川崎市へ移り生活保護などで5人を育てるも、やがて恋人を連れ込む。

同じ犯人による少し前の暴力事件で目も開かないほど遼太君の顔が膨れ上がった際、母は息子の写真を撮るだけだった。深夜に出ていく遼太君を気にしなかったという。裁判で意見陳述した母親は「(元夫の)顔を見たくない」と希望し衝立が立てられた。

本著には父親の「インタビュー」も。読めば彼に加担してしまうが鵜呑みにしてよいものか。他人の家庭の中は容易にはわからない。

「血縁者の中で話を聞けたのは父親だけ。母の話は公判でしか聞けていない」という著者も「偏りがあることを危惧する」と正直だ。母親は子供を連れて隠れるように他の地に移った。通常は加害者家庭の行動だろう。上村遼太君が呼び出されたLINE、貧困のシングルマザー、ネット中傷、形骸化した保護司制度……掘り下げればきりがない悲しい事件から、本書は現代の「闇」を抉ってくれた。

評者:粟野 仁雄

(週刊文春 2018年2月15日号掲載)

43回の殺意

2015年2月、川崎市の多摩川河川敷で中学1年生が少年3人にカッターナイフで43回切りつけられて殺害された。不良たちによる凶悪犯罪とも報じられたが、本書を読むと印象は一変する。

「加害者も社会的弱者だった」とすれば紋切り型になるが、関係者の誰もが家庭に居場所がないことに驚く。主犯の少年は小学校時代からいじめにあい、家庭では躾と称して鉄拳制裁や長時間の正座を科されていた。

被害者の少年も母親が恋人と同棲を始めたことで、加害少年たちから酷い目にあっても、彼らと疑似家族のように群れ続けた。だが、寂しさを埋め合わせるだけの、家長のいない集団は暴走する。

凶悪性に目を奪われがちだが、事件の背景にある空洞化した家族の現状を直視することを著者は突きつける。

評者:栗下直也

(週刊朝日 掲載)

内容(「BOOK」データベースより)

二〇一五年二月二十日、神奈川県川崎市の多摩川河川敷で十三歳の少年の全裸遺体が発見された。事件から一週間、逮捕されたのは十七歳と十八歳の未成年三人。彼らがたった1時間のうちに、カッターの刃が折れてもなお少年を切り付け負わせた傷は、全身43カ所に及ぶ。そこにあったあまりに理不尽な殺意、そして逡巡。立ち止まることもできずに少年たちはなぜ地獄へと向かったのだろうか。インターネットを中心に巻き起こった「犯人捜し」の狂騒。河川敷を訪れた1万人近くの献花の人々の「善意」。同じグループで「居場所」を共有していた友人たちの証言。遺族の「涸れることのない涙」―浮かび上がる慟哭の瞬間。

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カスタマーレビュー

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