既に今は存在しないバンドの20年程前のアルバムですが時空を超えて虜になってます。
寝る前に後味の悪い童話を読んでしまったような、そして目覚めも悪いと。だけど聴いてしまう説明つかない魅力感じました。
1998年発表のメジャー・ファースト・アルバム。ドラムスが柴田一郎になって全体がタイトに引き締まり、各楽器の音も太くなって、見違えるほどダイナミックなバンド・サウンドになった。ソングライティングにしても、歌詞は脳内妄想的な独自の世界を確立し、メロディーは歌謡曲的なキャッチーさを強め、極めて完成度が高い。
代表曲ぞろいだが、特に終盤、奇妙なトリップ感覚をうながすブギ・ナンバー「3×3×3」から、逃避願望を具現化した歌詞と爆音ギター・ソロが見事に融合した「EVIL CAR」へと至るディープなハイライトは、彼らのひとつの到達点といえる。やはりこれが最高傑作であり、国内サイケデリック・ロックのマスターピースだ。(小山 守)
トリオ編成によるロック・バンド、ゆらゆら帝国のメジャー・デビュー・アルバム。 (C)RS