まだ数ページ残っているが、ほとんど読めたと思うので気が早いけど感想を書きたいと思った。
全体的にはすごく面白い本だった、前回の「暴力の人類史」に引き続き、様々なデータを見る限り、現実を客観的に見る限り人類は確実に進歩しており、社会問題は減り続けている、いたずらに暗い未来への不安をあおるのは止めよう、というメッセージが繰り返し出てくる。ベストセラー「ファクトフルネス」の雰囲気にも近い。実際、ファクトフルネスの著者にはたびたび言及されている。実にさっぱりした健全な楽観主義ともいえる内容で、世界トップの知識人がここまでスカッとさわやかな心性の持ち主であることには、ある種の心強さを感じる。
ただ一方で…個人的には違和感を感じる部分もあった。あまりにも悲観論を否定し、楽観論を肯定しようとするあまり、現代に伸長していると思われる脅威を過小評価しているのではないか?具体的には中国とロシアだ。
著者は、資本主義による人間生活の進歩、民主主義を結局多くの人が支持することを強調するものの、それらがうまく機能していない中国やロシアにはさほど言及していない。時間の問題で解決する、としか思っていないのだろうか?著者はトランプをたびたび批判しているが、トランプ政権が中国の世界侵略に果敢に立ち向かおうとしている姿勢を良しとする人々も、また現代世界には大勢いるだろう。著者がアメリカの政治家であったなら、中国にどう立ち向かうつもりなのだろうか?ロシアには?
また、理性を強調するあまり、宗教やスピリチュアルなものを否定しすぎるのはどうなんだろう?と思うこともあった。これも、私がたまたまそれらに関心があるから個人的に疑問をさしはさんでいるだけであって、世間の特に若い世代には、宗教に無関心な人も確かに急増しているだろうし、著者の語り方は確かに広く受け入れられるのかもしれない。ただ、私は宗教やスピリチュアリズムには一定の真実が含まれていると信じているし、無神論者が増えている一方で、やはり宗教やスピリチュアリズムの価値を信じ続ける人もまた大勢いるだろう。それなのに大知識人がここまで宗教をバッサリ切り捨ててもいいのだろうか?と思ってしまった。
確かに伝統的宗教には中身のない因習としか言えないものも多数含まれていると思う。そこを切り捨てるのは確かに健全な姿勢かもしれない。ただ宗教には依然として、著者が信奉するヒューマニズムにも直結するような高い価値も含まれていると思うし、スピリチュアルになるとなおさら現代人に受け入れられやすい要素も多いはずではないか?
私は男だが、スピリチュアルのファンには女性が多いとも聞く。女性の感想も聞いてみたいし、もっと多くの人の感想も見てみたい。みんな、こういう言説に違和感は感じないのだろうか?
総じて、実に健全な世俗主義者が大知識人として活躍している、そんな人が書いた本だという印象。読んでいてわかりやすい文章だし、幅広い知識が頭に入ってきて心地よい感触が得られる一方で、あまりの楽観主義、合理主義に対して個人的には違和感も覚える、というのが率直な感想だった。もっと・・・いかにも「人間の理想!」といってもいいような、完璧な知識人の人か、と思っていたが、私にはこの人が完璧とは思えない…やはり基本的に大学リベラリズムの中だけでモノを考えているようにも見えてしまう。ちょっと意地悪な言い方かもしれないが、そういう印象が残った。
ただマイナスな言い方で感想を締めくくるのはきっとよくない。これだけ幅広い見識をもとに、人類の健全な未来の可能性をわかりやすく示してくれた著者には感謝したい。
※蛇足だが、最後の方、著者が徹底的にニーチェをこき下ろしているのは面白いと思った。これほどニーチェを下らないもの扱いしている大知識人は初めて見たかもしれない。私は「知識ミーハー」なので思想史上の巨人というと誰彼構わずついつい興味を持ってしまうクセがあるが、ニーチェにやたら興味を持ちすぎるのも考えものか、と初めてちょっと反省した。
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21世紀の啓蒙 下:理性、科学、ヒューマニズム、進歩 Kindle版
わたしたちは、今、史上最良の時代を生きている――。
過去を理想化して進歩を否定、未来は衰退に向かうと主張する反啓蒙主義の
嘘・誤りを、データにより明らかにする。
世界の状況を正しく評価するにはどうしたらいいのだろうか。
答えは「数えること」である。今生きている人が何人で、
そのなかの何人が暴力の犠牲になっているのか。
何人が病気にかかり、何人が飢えていて、何人が貧困にあえぎ、
何人が抑圧されていて、何人が読み書きができず、何人が不幸なのか。
……これは実は道義的にも賢明な方法だといえる。
なぜなら、身近な人を優先するわけでも、テレビ受けする人を
特別扱いするわけでもなく、一人ひとりの価値を平等に扱う取り組みだからだ。
――本書より
ポピュリズムの隆盛により、民主主義の死はもはや決定づけられた。
世界人口の増加により、今世紀中の食糧危機の到来は間違いない。
地球温暖化も核兵器拡散も、解決の糸口はまるでつかめていない。
……というのは本当だろうか。
若い人はポピュリズムを支持しておらず、世代交代とともに衰退する可能性が高い。
世界人口が増加しても、農業の進歩により飢餓に苦しむ人の数は大きく減少している。
温暖化も核兵器も現実の脅威だが、GDPあたりの二酸化炭素排出量は減少しており、
また世界の核兵器の数は近年減少し続けている。決して解決できない問題ではない
データを用いて、無根拠な「衰退の予言」の欠陥を指摘し、
啓蒙の理念による進歩の重要さを説く。
世界をよりよいものにする意志に満ちた、世界的ベストセラー。
過去を理想化して進歩を否定、未来は衰退に向かうと主張する反啓蒙主義の
嘘・誤りを、データにより明らかにする。
世界の状況を正しく評価するにはどうしたらいいのだろうか。
答えは「数えること」である。今生きている人が何人で、
そのなかの何人が暴力の犠牲になっているのか。
何人が病気にかかり、何人が飢えていて、何人が貧困にあえぎ、
何人が抑圧されていて、何人が読み書きができず、何人が不幸なのか。
……これは実は道義的にも賢明な方法だといえる。
なぜなら、身近な人を優先するわけでも、テレビ受けする人を
特別扱いするわけでもなく、一人ひとりの価値を平等に扱う取り組みだからだ。
――本書より
ポピュリズムの隆盛により、民主主義の死はもはや決定づけられた。
世界人口の増加により、今世紀中の食糧危機の到来は間違いない。
地球温暖化も核兵器拡散も、解決の糸口はまるでつかめていない。
……というのは本当だろうか。
若い人はポピュリズムを支持しておらず、世代交代とともに衰退する可能性が高い。
世界人口が増加しても、農業の進歩により飢餓に苦しむ人の数は大きく減少している。
温暖化も核兵器も現実の脅威だが、GDPあたりの二酸化炭素排出量は減少しており、
また世界の核兵器の数は近年減少し続けている。決して解決できない問題ではない
データを用いて、無根拠な「衰退の予言」の欠陥を指摘し、
啓蒙の理念による進歩の重要さを説く。
世界をよりよいものにする意志に満ちた、世界的ベストセラー。
- 言語日本語
- 出版社草思社
- 発売日2019/12/18
- ファイルサイズ8406 KB
商品の説明
著者について
スティーブン・ピンカー Steven Pinker
ハーバード大学心理学教授。認知科学者、実験心理学者として視覚認知、心理言語学、人間関係について研究している。進化心理学の第一人者。主著に『言語を生みだす本能』、『心の仕組み』、『人間の本性を考える』、『思考する言語』(以上NHKブックス)、『暴力の人類史』(青土社)、『良い文章とは(The Sense of Style)』(未邦訳)があり、最新の『21世紀の啓蒙』が10冊目になる。研究、教育ならびに著書で数々の受賞歴があり、2004年には米タイム誌の「世界で最も影響力のある100人」に、2005年にはフォーリンポリシー誌の「知識人トップ100人」に選ばれた。米国科学アカデミー会員。『アメリカン・ヘリテージ英語辞典』の語法諮問委員会議長も務めている。
橘 明美(たちばな・あけみ)
英語・フランス語翻訳家。お茶の水女子大学卒。訳書にドミトリ・チェルノフ+ディディエ・ソネット『大惨事と情報隠蔽』(草思社、共訳)、ジェイミー・A・デイヴィス『人体はこうしてつくられる』(紀伊國屋書店)、フランソワ・ヌーデルマン『ピアノを弾く哲学者』(太田出版)ほか。
坂田 雪子(さかた・ゆきこ)
英語・フランス語翻訳家。神戸市外国語大学卒。訳書にドミトリ・チェルノフ+ディディエ・ソネット『大惨事と情報隠蔽』(草思社、共訳)、ロバート・I・サットン『スタンフォードの教授が教える 職場のアホと戦わない技術』(SBクリエイティブ)、クリストフ・アンドレ『はじめてのマインドフルネス』(紀伊國屋書店)ほか。 --このテキストは、tankobon_hardcover版に関連付けられています。
ハーバード大学心理学教授。認知科学者、実験心理学者として視覚認知、心理言語学、人間関係について研究している。進化心理学の第一人者。主著に『言語を生みだす本能』、『心の仕組み』、『人間の本性を考える』、『思考する言語』(以上NHKブックス)、『暴力の人類史』(青土社)、『良い文章とは(The Sense of Style)』(未邦訳)があり、最新の『21世紀の啓蒙』が10冊目になる。研究、教育ならびに著書で数々の受賞歴があり、2004年には米タイム誌の「世界で最も影響力のある100人」に、2005年にはフォーリンポリシー誌の「知識人トップ100人」に選ばれた。米国科学アカデミー会員。『アメリカン・ヘリテージ英語辞典』の語法諮問委員会議長も務めている。
橘 明美(たちばな・あけみ)
英語・フランス語翻訳家。お茶の水女子大学卒。訳書にドミトリ・チェルノフ+ディディエ・ソネット『大惨事と情報隠蔽』(草思社、共訳)、ジェイミー・A・デイヴィス『人体はこうしてつくられる』(紀伊國屋書店)、フランソワ・ヌーデルマン『ピアノを弾く哲学者』(太田出版)ほか。
坂田 雪子(さかた・ゆきこ)
英語・フランス語翻訳家。神戸市外国語大学卒。訳書にドミトリ・チェルノフ+ディディエ・ソネット『大惨事と情報隠蔽』(草思社、共訳)、ロバート・I・サットン『スタンフォードの教授が教える 職場のアホと戦わない技術』(SBクリエイティブ)、クリストフ・アンドレ『はじめてのマインドフルネス』(紀伊國屋書店)ほか。 --このテキストは、tankobon_hardcover版に関連付けられています。
登録情報
- ASIN : B082S64BCS
- 出版社 : 草思社 (2019/12/18)
- 発売日 : 2019/12/18
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 8406 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効にされていません
- Word Wise : 有効にされていません
- 本の長さ : 739ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 86,179位Kindleストア (の売れ筋ランキングを見るKindleストア)
- - 2,988位社会学 (Kindleストア)
- - 3,831位社会学概論
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ベスト500レビュアー
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現代版の啓蒙思想を提示しようという非常に野心的な内容の本書。
私はスティーブンピンカーの本は初めて読んだが、結論から言うと、上下巻ともに、とても良い本だった。
いろいろ面白い箇所はあるが、個人的には、民主化を進歩ととらえる章の見方が特に興味深かった。
また、中国を民主化するためには、民主化することのメリットを説き、自発的に民主化するように誘導するのが鍵となるなど、現実の政策担当者にもヒントとなる内容も書いてあり、勉強になった(民主国家はそうでない国に比べ経済成長率が高いという指摘は、最近の中国などを見てると若干ほんとか?とも思うが)。
あと、完全な民主主義国ではなくとも、民主的な国家が増えているという指摘も心強い。
著者は、知的に誠実で、識見が広く、バランスの取れたものの見方をする本物の知識人なんだろうなと思う。
私はスティーブンピンカーの本は初めて読んだが、結論から言うと、上下巻ともに、とても良い本だった。
いろいろ面白い箇所はあるが、個人的には、民主化を進歩ととらえる章の見方が特に興味深かった。
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あと、完全な民主主義国ではなくとも、民主的な国家が増えているという指摘も心強い。
著者は、知的に誠実で、識見が広く、バランスの取れたものの見方をする本物の知識人なんだろうなと思う。
ベスト500レビュアー
上下巻の下巻では、上巻からの続きである「進歩」について述べられていることに続き、「理性」「科学」「ヒューマニズム」が語られている。
「進歩」の続きの部分は、人間の知能指数(IQ)は過去100年で見ても上昇していること、労働時間は短くなり、家事に要する時間も短縮され、生活の質は向上していること、豊かさは必ずしも幸福感に直結していないこと、人類の存亡に関わる脅威はAIか、核戦争か(核兵器の数は過去30年で減少している)。そして、筆者は今後も進歩は続くと期待している。
「理性」について、人は知性が高くとも偏見があると誤った結論に飛びつくものであり、政治的な主義主張が絡むと正しい判断がより困難になることを例を挙げて述べている。気候変動活動が(それまでは保守派の主張だったものが)民主党のアル・ゴアが「不都合な真実」を制作したことが、反ってマイナスになったという見方は興味深い。
「科学」によって人類は大きな恩恵を受けているが、米国の政治家はそれを軽視している。人文学との協力が双方にとってメリットのあることにも拘わらず、必ずしもそれが進まない現実は残念である。
様々な角度から人間を取り巻く考えるべき要素をカバーしている上下巻である。
「進歩」の続きの部分は、人間の知能指数(IQ)は過去100年で見ても上昇していること、労働時間は短くなり、家事に要する時間も短縮され、生活の質は向上していること、豊かさは必ずしも幸福感に直結していないこと、人類の存亡に関わる脅威はAIか、核戦争か(核兵器の数は過去30年で減少している)。そして、筆者は今後も進歩は続くと期待している。
「理性」について、人は知性が高くとも偏見があると誤った結論に飛びつくものであり、政治的な主義主張が絡むと正しい判断がより困難になることを例を挙げて述べている。気候変動活動が(それまでは保守派の主張だったものが)民主党のアル・ゴアが「不都合な真実」を制作したことが、反ってマイナスになったという見方は興味深い。
「科学」によって人類は大きな恩恵を受けているが、米国の政治家はそれを軽視している。人文学との協力が双方にとってメリットのあることにも拘わらず、必ずしもそれが進まない現実は残念である。
様々な角度から人間を取り巻く考えるべき要素をカバーしている上下巻である。
ベスト1000レビュアー
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上巻と同じく下巻も500頁とボリューミーです。
内容は上巻につづいて「進歩」「理性」「科学」「ヒューマニズム」の伸展と内容詳述です。
世界人口は増大中ですが、農業の進歩により飢餓に苦しむ人は減少しています。
労働時間・家事労働時間は制度的改善、家電製品の普及で減少の一途です。
家族、友人たちとの交流は利便性の向上で交遊時間は増えました。
食物は国際的になり食事の選択肢が増えました。
文化、娯楽、趣味に触れ学ぶことが簡単・便利・安価になりました。
好きなものを手に入れる機会は向上しました。
幸福リストの生命の安全、健康、教育、自由、余暇などはベターな方向に進んでいます。
個人も国も豊かさと幸福感の増大は比例します。
世界一豊かなアメリカで幸福感を感じる人の割合は変化がありません。
他人との比較において感じる主観的幸福感は伸びていません。
自由を得たために失った宗教、地域コミュニティーの崩壊が関係しています。
日本でも自殺率が高いのは田舎の一人暮らしの老人です。
地球温暖化についての見解は、諸説あります。
地球温暖化はNGだというのが著者の見解です。
私は武田邦彦先生の主張が妥当だと考えています。
悲観主義のから騒ぎが旺盛な現代ですが、理性に基づく科学、進歩、ヒューマニズムに信を置いての前向きな著者の姿勢は頼もしく思います。
内容は上巻につづいて「進歩」「理性」「科学」「ヒューマニズム」の伸展と内容詳述です。
世界人口は増大中ですが、農業の進歩により飢餓に苦しむ人は減少しています。
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家族、友人たちとの交流は利便性の向上で交遊時間は増えました。
食物は国際的になり食事の選択肢が増えました。
文化、娯楽、趣味に触れ学ぶことが簡単・便利・安価になりました。
好きなものを手に入れる機会は向上しました。
幸福リストの生命の安全、健康、教育、自由、余暇などはベターな方向に進んでいます。
個人も国も豊かさと幸福感の増大は比例します。
世界一豊かなアメリカで幸福感を感じる人の割合は変化がありません。
他人との比較において感じる主観的幸福感は伸びていません。
自由を得たために失った宗教、地域コミュニティーの崩壊が関係しています。
日本でも自殺率が高いのは田舎の一人暮らしの老人です。
地球温暖化についての見解は、諸説あります。
地球温暖化はNGだというのが著者の見解です。
私は武田邦彦先生の主張が妥当だと考えています。
悲観主義のから騒ぎが旺盛な現代ですが、理性に基づく科学、進歩、ヒューマニズムに信を置いての前向きな著者の姿勢は頼もしく思います。