前半はあまり面白くない。持ち家や年金・保険、節約の話で、この手のノウハウ本は他にもたくさんあるだろう。著者ならではの体験談が読めるのは後半で、尻上がりに面白くなってくる。株式投資の手法は具体的で実践的。何より驚いたのは企業のIRに直接電話で問い合わせることで、こんなことが可能なのかと目を開かされた。
著者の個性的な生き方は「よい人生の公式」、即ち「よい人生=よい高校+よい大学+よい会社」という日本人の頭に染み付く固定観念の否定から始まった。中卒で大工仕事に就き、バイクの事故(この描写は凄まじい)で九死に一生を得てからは一念発起して大検に合格、ニューヨーク大学を卒業後にユニバーサル社に就職して現在はUSJで活躍中と、実に波乱万丈だ。公式どおりに生きていたら月並みの人生になったに違いない。
著者の挑戦の物語は読みごたえがあるが、難点を言えば投資を始めたときの元本が不明なこと。20年で300倍になったというが、今の資産が3000万なのか、3億なのか、30億なのかがわからない。この点を明らかにすると全体の著述に、より信頼度が高まるのではないか。
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