これを読むと1984年が日本の音楽の分岐点だったのかなという気がします
前年の1983年から打ち込み系の音楽が増えていき、1984年が打ち込み系音楽の集大成的年、そして翌年の1985年から当分の間
打ち込み系音楽=日本の流行歌という図式になっていったと思うんです。この本、著者が興味ない歌手や曲はほんとサラッと程度の感想ですよ
軽くネタバレになりますが、マッチこと近藤真彦については曲の解説より中森明菜との金屏風事件の方が詳しく書かれてますから
1984年の歌謡曲 (イースト新書) (日本語) 新書 – 2017/2/10
スージー鈴木
(著)
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本の長さ280ページ
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言語日本語
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出版社イースト・プレス
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発売日2017/2/10
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ISBN-104781650805
-
ISBN-13978-4781650807
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
「田舎」と「ヤンキー」を仮想敵にした“シティ・ポップ”―バブル経済前夜、1984年は日本の歌謡曲においても大きな転回点だった。70年代から始まった「歌謡曲とニューミュージックの対立」は、「歌謡曲とニューミュージックの融合」に置き換えられた。同時に、「シティ・ポップ」=「東京人による、東京を舞台とした、東京人のための音楽」が誕生。それは都会的で、大人っぽく、カラカラに乾いたキャッチコピー的歌詞と、複雑なアレンジとコードを駆使した音楽であり、逆に言えば、「田舎」と「ヤンキー」を仮想敵とした音楽でもあった。1984年、それは日本の大衆音楽が最も洗練されていた時代―。
著者について
1966年大阪府東大阪市生まれ。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。音楽評論家、野球文化評論家、早稲田大学スポーツ科学部講師として活動。音楽評論の領域としては、昭和歌謡から最新ヒット曲まで、邦楽を中心に幅広い。ミーハーな感性と音楽理論を武器として、楽曲そのものと対峙する「プロ・リスナー」的評論アプローチに定評がある。『週刊ベースボール』、『水道橋博士のメルマ旬報』、『東京スポーツ』にてコラム連載中。著書に、『【F】を3本の弦で弾くギター超カンタン奏法』、『1979年の歌謡曲』(共に彩流社)。
スージー鈴木「硬式」サイト http://suzie.boy.jp/
スージー鈴木「硬式」サイト http://suzie.boy.jp/
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
スージー鈴木
1966年大阪府東大阪市生まれ。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。音楽評論家、野球文化評論家、早稲田大学スポーツ科学部講師として活動。音楽評論の領域としては、昭和歌謡から最新ヒット曲まで、邦楽を中心に幅広い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1966年大阪府東大阪市生まれ。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。音楽評論家、野球文化評論家、早稲田大学スポーツ科学部講師として活動。音楽評論の領域としては、昭和歌謡から最新ヒット曲まで、邦楽を中心に幅広い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
- 出版社 : イースト・プレス (2017/2/10)
- 発売日 : 2017/2/10
- 言語 : 日本語
- 新書 : 280ページ
- ISBN-10 : 4781650805
- ISBN-13 : 978-4781650807
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Amazon 売れ筋ランキング:
- 143,774位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 23位イースト新書
- - 45位歌謡曲・演歌 (本)
- カスタマーレビュー:
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カスタマーレビュー
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2018年5月27日に日本でレビュー済み
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13人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2020年12月2日に日本でレビュー済み
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スージー鈴木の名前を知ったのは週刊ベースボールのコラムの連載がきっかけだった。それからカセットテープ・ミュージックを見たりして、彼の音楽の嗜好や知識を面白いと感じた。
バブル経済前夜の1984年を歌謡曲とニューミュージックが融合し、田舎とヤンキーを仮想的にした極めて東京的なシティ・ポップがもてはやされた時代でもあったと定義し、1984年のヒット曲を独断で採点したり分析している。
正直好みが著者と合っているわけではない。安全地帯の「ワインレッドの心」は名曲度5だが、玉置浩二の歌唱力の素晴らしさは同意しつつもそんなに好きな曲ではない。チェッカーズの「哀しくてジェラシー」も名曲度5というのは納得できない(そもそもファンでもなかった)。一方松田聖子の「Rockn'Rouge」は名曲度3だが個人的には好きな曲だし、オフコースの「君が、嘘を、ついた」も酷評されている。確かにタイトルはあざとい感じもするが、オフコースは元々なよっとした所があったと思っていたので、産業ロック化したと書かれても何とも思わない。
むしろスージー鈴木は、評論家からは無視されやすい杉山清隆とオメガトライブ、大沢誉志幸、売野雅勇、後藤次利などに光を当てた事に功績がある。他は取り上げている人がいるので飛ばすが、作詞家オブ・ザ・イヤーが売野雅勇で準MVPが大沢誉志幸である。そして後藤次利であるが、沢田研二のアレンジから、シブガキ隊、一世風靡セピアでの作編曲でみせたダンスビート歌謡路線を評価されている。秋元康の影になりがちだった彼に注目してくれるのは、喜ばしい。
MVPがチェッカーズなのはぴんとこないけど、ライバルの吉川晃司は次の年の方が凄かったからなあ。どちらも西日本ヤンキーと同系列にされているが、そんなにファンはかぶっていなかったと記憶している。しかも著者はチェッカーズの方を後にも先にもないと絶賛しているが、あのファッションは当時でもダサかったと思っていたので、フォロワーがいなかったんじゃないかと嫌味を書いてしまう(ファンの方には申し訳ないが)。
とにかく1984年が懐かしくなる本である。
バブル経済前夜の1984年を歌謡曲とニューミュージックが融合し、田舎とヤンキーを仮想的にした極めて東京的なシティ・ポップがもてはやされた時代でもあったと定義し、1984年のヒット曲を独断で採点したり分析している。
正直好みが著者と合っているわけではない。安全地帯の「ワインレッドの心」は名曲度5だが、玉置浩二の歌唱力の素晴らしさは同意しつつもそんなに好きな曲ではない。チェッカーズの「哀しくてジェラシー」も名曲度5というのは納得できない(そもそもファンでもなかった)。一方松田聖子の「Rockn'Rouge」は名曲度3だが個人的には好きな曲だし、オフコースの「君が、嘘を、ついた」も酷評されている。確かにタイトルはあざとい感じもするが、オフコースは元々なよっとした所があったと思っていたので、産業ロック化したと書かれても何とも思わない。
むしろスージー鈴木は、評論家からは無視されやすい杉山清隆とオメガトライブ、大沢誉志幸、売野雅勇、後藤次利などに光を当てた事に功績がある。他は取り上げている人がいるので飛ばすが、作詞家オブ・ザ・イヤーが売野雅勇で準MVPが大沢誉志幸である。そして後藤次利であるが、沢田研二のアレンジから、シブガキ隊、一世風靡セピアでの作編曲でみせたダンスビート歌謡路線を評価されている。秋元康の影になりがちだった彼に注目してくれるのは、喜ばしい。
MVPがチェッカーズなのはぴんとこないけど、ライバルの吉川晃司は次の年の方が凄かったからなあ。どちらも西日本ヤンキーと同系列にされているが、そんなにファンはかぶっていなかったと記憶している。しかも著者はチェッカーズの方を後にも先にもないと絶賛しているが、あのファッションは当時でもダサかったと思っていたので、フォロワーがいなかったんじゃないかと嫌味を書いてしまう(ファンの方には申し訳ないが)。
とにかく1984年が懐かしくなる本である。
ベスト1000レビュアー
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80年代歌謡曲って、ちょうど江戸時代の浮世絵のように(当時の人は大衆消費のサブカルと軽んじていたけれども)実は世界的にも、希有で貴重な達成をしていた(世界遺産レベル)ってことじゃなかろうか。
歌謡曲とニューミュージックの融合により、作詞家・作曲家・編曲家・歌手の、前人未到の到達があったんじゃないか。こういう時代、実はもう「二度と」訪れないんじゃなかろうか。
そう思うと、あらためて80年代歌謡曲が聞きたくなる。例えば、薬師丸ひろ子の「Woman-Wの悲劇より」(松本隆-松任谷由実)と「探偵物語」(松本隆-大瀧詠一)。当時からいい曲であることはわかっていたが、薬師丸がスッコーンと難なく歌い切っていたから、それほど難しい曲って思えなかった。でも、実際今聞くと、著者が分析しているように実に技巧を駆使した超斬新な曲で、簡単に歌えるようなものではないのだ。薬師丸は、最近もNHKのSONGSやコンサートで、両方の曲を往時よりもさらに味わい深く歌っていて、80年代歌謡のリバイバルブームの一翼を担っている。実に素晴らしいことだ。
追記:続編「1985年の歌謡曲」を是非
本書にも翌年のことが書かれているが、1985年の歌謡曲も実に個性的。松本隆-筒美京平コンビが最後のピークを見せた。1月にチェッカーズを脅かすC-C-Bの「Romanticが止まらない」(編曲家・船山基紀の超絶イントロ)、2月に斉藤由貴「卒業」、7月に薬師丸ひろ子「あなたを・もっと・知りたくて」(両曲とも武部聡志の編曲が超グッド)などヒットを連発。この年、筒美は作曲家別売り上げ1位に返り咲く(1984年は林哲司、芹澤廣明に続いて3位)。この年は、聖子-正輝の結婚の年で、音楽的には明菜の圧勝。そして秋の11月、阿久悠-大瀧詠一による「熱き心に」(小林旭)発売。これこそ昭和歌謡のトップに君臨する曲。1985年にしてついに「演歌とニューミュージックの融合」が成し遂げられたのだ。大瀧詠一は、1981年「風立ちぬ」(松田聖子)、1983年「探偵物語」(薬師丸ひろ子)、1985年「熱き心に」(小林旭)の三連発で、日本歌謡史に不滅の足跡を残したといえるんじゃなかろうか。
追記2:松任谷由実vs大瀧詠一、80年代二大巨頭作曲対決
松田聖子をめぐる対決:「風立ちぬ」(松本隆-大瀧詠一、1981年)vs「赤いスイートピー」(松本隆-松任谷由実、1982年)、薬師丸ひろ子をめぐる対決:「探偵物語」(松本隆-大瀧詠一、1983年)vs「Woman-Wの悲劇より」(松本隆-松任谷由実、1984年)で、松任谷やや優勢(「Woman」の超絶歌曲のため)で推移していたところ、満を持して、松任谷の「歌謡曲とニューミュージックの融合」に対する、「演歌(昭和歌謡)とニューミュージックの融合」という大瀧の独壇場の路線(「冬のリビエラ」松本隆-大瀧詠一、1982年ほか)で大瀧詠一-阿久悠コンビが放ったのが「熱き心に」(小林旭、1985年)だ!
これほど見事に演歌とニューミュージックが融合した例は他に見ない。もちろん、中島みゆき、アリス(堀内孝雄)、松山千春をはじめとして、「演歌っぽいフォーク」は早くからあったが、いわゆるメジャーのシティーポップと融合した演歌は、大瀧詠一独自で、全く類似物がない。大瀧vs松任谷の天才対決は、ここに歴史的な新展開を見たと言っていい。それくらい1984年、1985年の歌謡曲はスリリングでexcitingだった。ああ、リアルタイムに見られて私は幸せだった。スージーさん、是非、次作で「熱き心に」を熱く語ってくだされ。
歌謡曲とニューミュージックの融合により、作詞家・作曲家・編曲家・歌手の、前人未到の到達があったんじゃないか。こういう時代、実はもう「二度と」訪れないんじゃなかろうか。
そう思うと、あらためて80年代歌謡曲が聞きたくなる。例えば、薬師丸ひろ子の「Woman-Wの悲劇より」(松本隆-松任谷由実)と「探偵物語」(松本隆-大瀧詠一)。当時からいい曲であることはわかっていたが、薬師丸がスッコーンと難なく歌い切っていたから、それほど難しい曲って思えなかった。でも、実際今聞くと、著者が分析しているように実に技巧を駆使した超斬新な曲で、簡単に歌えるようなものではないのだ。薬師丸は、最近もNHKのSONGSやコンサートで、両方の曲を往時よりもさらに味わい深く歌っていて、80年代歌謡のリバイバルブームの一翼を担っている。実に素晴らしいことだ。
追記:続編「1985年の歌謡曲」を是非
本書にも翌年のことが書かれているが、1985年の歌謡曲も実に個性的。松本隆-筒美京平コンビが最後のピークを見せた。1月にチェッカーズを脅かすC-C-Bの「Romanticが止まらない」(編曲家・船山基紀の超絶イントロ)、2月に斉藤由貴「卒業」、7月に薬師丸ひろ子「あなたを・もっと・知りたくて」(両曲とも武部聡志の編曲が超グッド)などヒットを連発。この年、筒美は作曲家別売り上げ1位に返り咲く(1984年は林哲司、芹澤廣明に続いて3位)。この年は、聖子-正輝の結婚の年で、音楽的には明菜の圧勝。そして秋の11月、阿久悠-大瀧詠一による「熱き心に」(小林旭)発売。これこそ昭和歌謡のトップに君臨する曲。1985年にしてついに「演歌とニューミュージックの融合」が成し遂げられたのだ。大瀧詠一は、1981年「風立ちぬ」(松田聖子)、1983年「探偵物語」(薬師丸ひろ子)、1985年「熱き心に」(小林旭)の三連発で、日本歌謡史に不滅の足跡を残したといえるんじゃなかろうか。
追記2:松任谷由実vs大瀧詠一、80年代二大巨頭作曲対決
松田聖子をめぐる対決:「風立ちぬ」(松本隆-大瀧詠一、1981年)vs「赤いスイートピー」(松本隆-松任谷由実、1982年)、薬師丸ひろ子をめぐる対決:「探偵物語」(松本隆-大瀧詠一、1983年)vs「Woman-Wの悲劇より」(松本隆-松任谷由実、1984年)で、松任谷やや優勢(「Woman」の超絶歌曲のため)で推移していたところ、満を持して、松任谷の「歌謡曲とニューミュージックの融合」に対する、「演歌(昭和歌謡)とニューミュージックの融合」という大瀧の独壇場の路線(「冬のリビエラ」松本隆-大瀧詠一、1982年ほか)で大瀧詠一-阿久悠コンビが放ったのが「熱き心に」(小林旭、1985年)だ!
これほど見事に演歌とニューミュージックが融合した例は他に見ない。もちろん、中島みゆき、アリス(堀内孝雄)、松山千春をはじめとして、「演歌っぽいフォーク」は早くからあったが、いわゆるメジャーのシティーポップと融合した演歌は、大瀧詠一独自で、全く類似物がない。大瀧vs松任谷の天才対決は、ここに歴史的な新展開を見たと言っていい。それくらい1984年、1985年の歌謡曲はスリリングでexcitingだった。ああ、リアルタイムに見られて私は幸せだった。スージーさん、是非、次作で「熱き心に」を熱く語ってくだされ。
2017年3月26日に日本でレビュー済み
<<1984年の歌謡曲>>、、、ただ、当時のヒット曲を時系列で評論していくだけの本であります。
しかし、本書で紹介される楽曲の数々は、30年以上経った今でも色褪せず、曲のタイトルを
眺めているだけで宝箱を漁っているような気分になります。
翻って現代。2017年の日本のヒット曲を紹介していくような本は、おそらく成り立たないでしょうし、
将来的にも発刊されることはないでしょう。まったく寂しい限りですが、このあたりの分析については、
昨年末に柴那典氏によって上梓された「ヒットの崩壊」に詳しく述べられています。
なにはともあれ、リアルタイムで1984年の歌謡曲を体験できた私は、幸せ者だなとつくづく感じます。
さて、本書では、1984年に流行した48曲を時系列にPickUpし批評する傍ら、それぞれ「名曲度」と
「84年象徴度」を5段階評価で採点しており、巻末では、名曲度で5つ星を獲得した13曲の中から、
著者の独断による総合ベストテンも作成されています。
なお、この1位から5位を紹介すると(ネタバレになりますが)
・1位 (ネタバレにつき削除しました・・・byふるきゃん)
・2位 (ネタバレにつき削除しました・・・byふるきゃん)
・3位 (ネタバレにつき削除しました・・・byふるきゃん)
・4位 (ネタバレにつき削除しました・・・byふるきゃん)
・5位 (ネタバレにつき削除しました・・・byふるきゃん)
となっており、特に、1位~4位までが圧倒的で、5位以下は一段落ちる印象とのことです。
こういった「歌謡曲」という題材で、5段階という数値的評価をくだすことは、大変難しい作業
だっただろうと想像できます。なぜなら、歌謡曲そのものが、多分に情緒的であり抽象的な要素
があり、漫才などの他の芸能以上に、技巧面からの評価が意味を為さないと考えられるからです。
例えば、ある楽曲の旋律は、Aさんが5つ星と感じても、Bさんから見たら2つ星ということが
起こりうる。それが歌謡曲と言えます。そんな中、本書では著者の客観的な分析が随所で冴えて
おり、結果的に、納得感の高い評価が導かれている印象です。
中でも、Womanでのサビのメロディにおけるコード進行の違和感について独自の分析を施しながら、
パイプオルガンのような歌唱、時の河にはまるような転調、と比喩を交え畳み掛ける評論は圧巻で、
著者に、続編として「歌謡曲微分法」の出版を期待したいと感じたのは私だけでしょうか。(笑)
それとやはり、チェッカーズ。
80年代から現在に至るまで、おニャン子、光GENJI、バンドブーム、AKB、色んな旋風が巻き
起こりましたが、彼らが登場した時の凄さを知る者としては、本書において彼らの価値が改めて
定義されていることは大変嬉しく思います。著者は、1984年を総括するうえで「チェッカーズ」は、
別格的な現象だったと結論づけていますが、かつて、彼らはロッキンオンのインタビューで、
「ロックがカッコ良くて歌謡曲がダサいという考え方がダサい」と言い放っています。そんな
彼らが80年代、真にアナーキーな存在であったことは、図らずも本書の考察から浮かび上がって
きたと言えるでしょう。
ページにあと少し余裕があれば、1984年の下位打線を賑わせてくれた、堀ちえみ、石川秀美、
飯島真理に菊池桃子あたりの曲のレビューも読んでみたかったですが、この種のタラレバは言い
だしたらキリがないことですから、まぁ、グッと胸に抑えることにします。
ところで、1984年当時は、月刊明星の別冊「YOUNG SONG」に近田春夫氏が毎月ヒット曲の論評を
連載しており、私はその文章を毎号楽しみに読んでいた記憶があります。
こういった論評は、当時も今も、一読したうえで改めて楽曲を聴き直してみると、楽曲自体が
違った角度から新たな輝きを放つことがあるんですよね。
そういう部分もこの種の評論本の醍醐味かもしれません。
しかし、本書で紹介される楽曲の数々は、30年以上経った今でも色褪せず、曲のタイトルを
眺めているだけで宝箱を漁っているような気分になります。
翻って現代。2017年の日本のヒット曲を紹介していくような本は、おそらく成り立たないでしょうし、
将来的にも発刊されることはないでしょう。まったく寂しい限りですが、このあたりの分析については、
昨年末に柴那典氏によって上梓された「ヒットの崩壊」に詳しく述べられています。
なにはともあれ、リアルタイムで1984年の歌謡曲を体験できた私は、幸せ者だなとつくづく感じます。
さて、本書では、1984年に流行した48曲を時系列にPickUpし批評する傍ら、それぞれ「名曲度」と
「84年象徴度」を5段階評価で採点しており、巻末では、名曲度で5つ星を獲得した13曲の中から、
著者の独断による総合ベストテンも作成されています。
なお、この1位から5位を紹介すると(ネタバレになりますが)
・1位 (ネタバレにつき削除しました・・・byふるきゃん)
・2位 (ネタバレにつき削除しました・・・byふるきゃん)
・3位 (ネタバレにつき削除しました・・・byふるきゃん)
・4位 (ネタバレにつき削除しました・・・byふるきゃん)
・5位 (ネタバレにつき削除しました・・・byふるきゃん)
となっており、特に、1位~4位までが圧倒的で、5位以下は一段落ちる印象とのことです。
こういった「歌謡曲」という題材で、5段階という数値的評価をくだすことは、大変難しい作業
だっただろうと想像できます。なぜなら、歌謡曲そのものが、多分に情緒的であり抽象的な要素
があり、漫才などの他の芸能以上に、技巧面からの評価が意味を為さないと考えられるからです。
例えば、ある楽曲の旋律は、Aさんが5つ星と感じても、Bさんから見たら2つ星ということが
起こりうる。それが歌謡曲と言えます。そんな中、本書では著者の客観的な分析が随所で冴えて
おり、結果的に、納得感の高い評価が導かれている印象です。
中でも、Womanでのサビのメロディにおけるコード進行の違和感について独自の分析を施しながら、
パイプオルガンのような歌唱、時の河にはまるような転調、と比喩を交え畳み掛ける評論は圧巻で、
著者に、続編として「歌謡曲微分法」の出版を期待したいと感じたのは私だけでしょうか。(笑)
それとやはり、チェッカーズ。
80年代から現在に至るまで、おニャン子、光GENJI、バンドブーム、AKB、色んな旋風が巻き
起こりましたが、彼らが登場した時の凄さを知る者としては、本書において彼らの価値が改めて
定義されていることは大変嬉しく思います。著者は、1984年を総括するうえで「チェッカーズ」は、
別格的な現象だったと結論づけていますが、かつて、彼らはロッキンオンのインタビューで、
「ロックがカッコ良くて歌謡曲がダサいという考え方がダサい」と言い放っています。そんな
彼らが80年代、真にアナーキーな存在であったことは、図らずも本書の考察から浮かび上がって
きたと言えるでしょう。
ページにあと少し余裕があれば、1984年の下位打線を賑わせてくれた、堀ちえみ、石川秀美、
飯島真理に菊池桃子あたりの曲のレビューも読んでみたかったですが、この種のタラレバは言い
だしたらキリがないことですから、まぁ、グッと胸に抑えることにします。
ところで、1984年当時は、月刊明星の別冊「YOUNG SONG」に近田春夫氏が毎月ヒット曲の論評を
連載しており、私はその文章を毎号楽しみに読んでいた記憶があります。
こういった論評は、当時も今も、一読したうえで改めて楽曲を聴き直してみると、楽曲自体が
違った角度から新たな輝きを放つことがあるんですよね。
そういう部分もこの種の評論本の醍醐味かもしれません。
2017年2月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
スージー鈴木氏が出演したラジオ番組を聴き、銀座「本屋EDIT TOKYO」で行われたイベントで入手。これまで軽んじられていた「1984年のチェッカーズ」が、冷静に分析された本として、永く記憶されると思う。少なくとも、アルバム『もっと!チェッカーズ』のジャケットの、ミノムシの形でメンバーが木からぶら下がっているビジュアルの「ミノ」になっている新聞が、チェッカーズの故郷である福岡県の新聞=「西日本新聞」だと指摘した論考は、史上初ではないか。あの頃、チェッカーズに夢中になった世代が、今、その価値を客観的に見定めるキッカケとなる本であると思う。