奥山清行さんの基本はデザインスケッチで勝負する男の中の男のような人。しかも、私の知る限り、非常に弁舌が立ち、講演においては日本でナンバー・ワンでしょう。で、この本を読むと文章力も素晴らしく、240ページの本は600ページくらいのボリュームを感じさせ、息もつかせない迫力で読者の脳に叩き込んで来ます。書かれていることは常識を覆すことばかりなので、本当に一つ一つに圧倒されてしまうこと必至です。第一章「日本人のセンス」、第二章「言葉の力」、第三章「ものづくりの殻を破る」、第四章「仕組みが変わった」、第五章「好きなものを作る」。ここまでは圧巻です。デザイナーから経営者、エンジニアの方々にぜひ読んでほしいです。
注文があるとすれば本のタイトルになっている第六章の「これから100年をデザインする」。前章まで「現場の大切さ」や「職人の素晴らしさ」、「自分と向き合うことこそ物作りの基本」、「デザインは実践の学問」と説いていたのが急に願望や希望が骨子となり、奥山節がかげをひそめてしまいます。ま、ここは時間が証明するのを待たなければならないかもしれませんが、正直、説得力が今ひとつです。
何れにしても、パソコンに向かって動かずに勉強したり仕事をしている人達には、この本の文章が書ける奥山さんの行動力は見習いたい。特に日本の若者はその部分を重点的に読み取ってほしいです。(非常に安価に感じさせる一冊です。)
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100年の価値をデザインする 「本物のクリエイティブ力」をどう磨くか (PHPビジネス新書) 新書 – 2013/8/16
フェラーリやマセラティをデザインし、近年は家具や食器、そして秋田新幹線やヤンマーの農機具のデザインまでを手がける、世界的な工業デザイナー・奥山清行氏。
今でも世界中を飛び回りながら活動を続ける氏だが、自身がこのように活躍できている理由を、「日本人としてのセンスがあったから」だと断言する。
では、その日本人のセンスとはどんなもので、それを引き出すためにはどうすればいいのか。それを説くのが本書である。
まずは日本人としてのセンスとはどういうものかを再確認し、それを発揮するために「世界に一人で打って出る」意識を持つこと。
その重要性を、自身やその他の数多くの事例で証明していく。
「日本人は団体力が弱く、個人力が強い」など、今までの常識をことごとく覆していく。
個人が世界で活躍するために、そして日本のものづくり復活のために、数多くの示唆を与えてくれる一冊。
今でも世界中を飛び回りながら活動を続ける氏だが、自身がこのように活躍できている理由を、「日本人としてのセンスがあったから」だと断言する。
では、その日本人のセンスとはどんなもので、それを引き出すためにはどうすればいいのか。それを説くのが本書である。
まずは日本人としてのセンスとはどういうものかを再確認し、それを発揮するために「世界に一人で打って出る」意識を持つこと。
その重要性を、自身やその他の数多くの事例で証明していく。
「日本人は団体力が弱く、個人力が強い」など、今までの常識をことごとく覆していく。
個人が世界で活躍するために、そして日本のものづくり復活のために、数多くの示唆を与えてくれる一冊。
- 本の長さ241ページ
- 言語日本語
- 出版社PHP研究所
- 発売日2013/8/16
- ISBN-104569809529
- ISBN-13978-4569809526
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商品の説明
出版社からのコメント
序―日本人が持っている潜在力をどう発揮するか?
第1章 世界で通用した「日本人としてのセンス」―僕はなぜフェラーリのデザイナーになれたのか?
「目に見えない日本人のセンス」が、僕を世界で活躍させてくれた
韓国人や中国人に欠けていて、日本人が持っているもの
GMで評価された理由は「日本語」にあった?
第2章 「言葉の力」を発揮する―団体力のイタリア人、個人力の日本人
イタリアははるか古代ローマ時代から、「団体力」の国だった
「多数決」は最悪の選択肢
イタリア人は言葉でデザインする
第3章 日本のものづくりの「殻」を破る
落としどころのない喧嘩
日本語でもきちんとした議論はできるはず
「あなたはなんのために、今いる組織に所属しているのか」
第4章 「ものづくり」の仕組みが変わった!―第二次産業革命時代にどう対応するか?
今の日本は問題だらけ。だが、そこまで悲観する必要があるのか?
「第二次産業革命」が進行している
「会社に行って仕事をする」ようになったのは、ごく最近のこと
第5章 「本当に好きなもの」を作り、売る―プレミアム・コモディティを目指せ!
日本の技術の粋を集めたクルマが、「ニュー・ミニ」より安い不思議
「ニーズとワンツ」が利益率を大きく左右する
クォーツvsスイスの機械式腕時計
第6章 これからの一〇〇年をデザインする―新しい社会システムを作り上げる
僕が「社会システムデザイナー」を名乗る理由
「山形工房」の挑戦は資金集めから
東京を経由せず、いきなり世界を目指せ
終章 クリエイティブであり続けるために
悠久の時の流れを理解する
イタリアの若者が、低収入なのに豊かな「ある理由」
クリエイティブになるための第一歩は「片っ端から疑う」こと
あとがき
第1章 世界で通用した「日本人としてのセンス」―僕はなぜフェラーリのデザイナーになれたのか?
「目に見えない日本人のセンス」が、僕を世界で活躍させてくれた
韓国人や中国人に欠けていて、日本人が持っているもの
GMで評価された理由は「日本語」にあった?
第2章 「言葉の力」を発揮する―団体力のイタリア人、個人力の日本人
イタリアははるか古代ローマ時代から、「団体力」の国だった
「多数決」は最悪の選択肢
イタリア人は言葉でデザインする
第3章 日本のものづくりの「殻」を破る
落としどころのない喧嘩
日本語でもきちんとした議論はできるはず
「あなたはなんのために、今いる組織に所属しているのか」
第4章 「ものづくり」の仕組みが変わった!―第二次産業革命時代にどう対応するか?
今の日本は問題だらけ。だが、そこまで悲観する必要があるのか?
「第二次産業革命」が進行している
「会社に行って仕事をする」ようになったのは、ごく最近のこと
第5章 「本当に好きなもの」を作り、売る―プレミアム・コモディティを目指せ!
日本の技術の粋を集めたクルマが、「ニュー・ミニ」より安い不思議
「ニーズとワンツ」が利益率を大きく左右する
クォーツvsスイスの機械式腕時計
第6章 これからの一〇〇年をデザインする―新しい社会システムを作り上げる
僕が「社会システムデザイナー」を名乗る理由
「山形工房」の挑戦は資金集めから
東京を経由せず、いきなり世界を目指せ
終章 クリエイティブであり続けるために
悠久の時の流れを理解する
イタリアの若者が、低収入なのに豊かな「ある理由」
クリエイティブになるための第一歩は「片っ端から疑う」こと
あとがき
内容(「BOOK」データベースより)
フェラーリやマセラティをデザインし、近年は家具や食器、そして新幹線のデザインまでを手がける、世界的な工業デザイナー・奥山清行氏。氏は自身が活用できた理由を、「日本人としてのセンスがあったから」だと断言する。では、その日本人のセンスとはどんなもので、それを引き出すためにはどうすればいいのか。それを説くのが本書。個人が世界で活躍するために、そして日本のものづくり復活のために、数多くの示唆を与えてくれる一冊。
著者について
Ken Okuyama Design代表
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
奥山/清行
工業デザイナー/KEN OKUYAMA DESIGN代表。1959年山形市生まれ。ゼネラルモーターズ社(米)、チーフデザイナー、ポルシェ社(独)シニアデザイナー、ピニンファリーナ社(伊)デザインディレクター、アートセンターカレッジオブデザイン(米)工業デザイン学部長を歴任。フェラーリ・エンツォ、マセラティ・クアトロポルテなどの自動車やドゥカティなどのオートバイ、鉄道、船舶、建築、ロボット、テーマパーク等数多くのデザインを手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
工業デザイナー/KEN OKUYAMA DESIGN代表。1959年山形市生まれ。ゼネラルモーターズ社(米)、チーフデザイナー、ポルシェ社(独)シニアデザイナー、ピニンファリーナ社(伊)デザインディレクター、アートセンターカレッジオブデザイン(米)工業デザイン学部長を歴任。フェラーリ・エンツォ、マセラティ・クアトロポルテなどの自動車やドゥカティなどのオートバイ、鉄道、船舶、建築、ロボット、テーマパーク等数多くのデザインを手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年12月2日に日本でレビュー済み
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15人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2014年12月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本では日本のホワイトカラーの生産の低さが激しく批判されている
日本の官庁や一流会社は協調性があるとして、ホワイトカラーには体育会系の人間を採用することが多い。
旭硝子からユニクロの社長におさまった人物がそうだろう。
しかし体育会系の部活動では「きまりにしたがうこと」ではなく「人にしたがうこと」を学んでいるのである。
仕事に無関係な服従を強制されてパワーハラスメントも多く発生する。
しかも中国韓国台湾は日本の真似をするため、アジアにこれが広がっていく。
日本で働いていた中国人が中国へかえったら中国はプライベートまで上司に絶対服従なので困ったという。
結局こういうのをくぐりぬけた人が社会の上にいくので
国政でも、ノーベル賞のLEDの学者がいうように、法よりも裁量が目立つ。
正義の追求よりも、「とりあえず俺が仲介するからこうしとけ」程度なのである。
官庁と取引する会社は横並び主義で行政府依存が強くなり
恣意的な起訴・求刑や自白の強制が横行するなど、司法の独立性や公正性も怪しい。
こないだの江ノ島の猫ハッカー事件で、容疑者4人のうち2人自白してみとめちゃったからね。
近代国家には絶対に必要な「法の支配」と「合理主義」を阻害する人々が、教育の場で再生産されている。
日本の官庁や一流会社は協調性があるとして、ホワイトカラーには体育会系の人間を採用することが多い。
旭硝子からユニクロの社長におさまった人物がそうだろう。
しかし体育会系の部活動では「きまりにしたがうこと」ではなく「人にしたがうこと」を学んでいるのである。
仕事に無関係な服従を強制されてパワーハラスメントも多く発生する。
しかも中国韓国台湾は日本の真似をするため、アジアにこれが広がっていく。
日本で働いていた中国人が中国へかえったら中国はプライベートまで上司に絶対服従なので困ったという。
結局こういうのをくぐりぬけた人が社会の上にいくので
国政でも、ノーベル賞のLEDの学者がいうように、法よりも裁量が目立つ。
正義の追求よりも、「とりあえず俺が仲介するからこうしとけ」程度なのである。
官庁と取引する会社は横並び主義で行政府依存が強くなり
恣意的な起訴・求刑や自白の強制が横行するなど、司法の独立性や公正性も怪しい。
こないだの江ノ島の猫ハッカー事件で、容疑者4人のうち2人自白してみとめちゃったからね。
近代国家には絶対に必要な「法の支配」と「合理主義」を阻害する人々が、教育の場で再生産されている。
2013年8月30日に日本でレビュー済み
フェラーリやマセラティだけでなく、秋田新幹線のデザインや「フェラーリ風トラクター」などでも話題の工業デザイナーが書いた「仕事論」。
ただ、「仕事論」という言い方が正しいかはちょっと微妙で、発想法であり、比較文化論であり、ものづくり論であり、もちろんデザイン論でもあります。
ある意味、ついていくのが大変なくらい、密度の濃い一冊でした。
「日本人のセンスがあったから、アメリカでもイタリアでも認められた」
という前提に立ち、「では、その日本人としてのセンスとは何か?」を探っていく前半はまさに本書の白眉。
なるほどと思わせるとともに、日本人であることに自信が湧いてきます。
また、「ルネサンスは実は大したことない」「イタリア人は古代ローマ時代から個人より団体力のほうが強かった」「江戸時代より室町の文化のほうが優れている」などの文化論的な視点は、学者ではなく実学の世界で活躍している人が言うからこそ、非常に新鮮で説得力があります。
こんなふうに、いろいろな視点を与えてくれる一冊です。
写真も豊富で、ビジュアル的にも楽しめる一冊。
著者が今手がけているという「北陸新幹線」のデザインも楽しみ。
ただ、「仕事論」という言い方が正しいかはちょっと微妙で、発想法であり、比較文化論であり、ものづくり論であり、もちろんデザイン論でもあります。
ある意味、ついていくのが大変なくらい、密度の濃い一冊でした。
「日本人のセンスがあったから、アメリカでもイタリアでも認められた」
という前提に立ち、「では、その日本人としてのセンスとは何か?」を探っていく前半はまさに本書の白眉。
なるほどと思わせるとともに、日本人であることに自信が湧いてきます。
また、「ルネサンスは実は大したことない」「イタリア人は古代ローマ時代から個人より団体力のほうが強かった」「江戸時代より室町の文化のほうが優れている」などの文化論的な視点は、学者ではなく実学の世界で活躍している人が言うからこそ、非常に新鮮で説得力があります。
こんなふうに、いろいろな視点を与えてくれる一冊です。
写真も豊富で、ビジュアル的にも楽しめる一冊。
著者が今手がけているという「北陸新幹線」のデザインも楽しみ。
2013年12月25日に日本でレビュー済み
日本人ながらフェラーリやマセラティのデザインの責任者をされ、世界で活躍される奥山清行さんの著書である。
ずばり、「なぜ、奥山がフェラーリのデザイナーになれたか?」という読者なら誰もが知りたい問いに対し、日本人だから世界で通用したと端的に述べられている。
その理由が大変興味深く、ご自身の実体験にもとづく日本人論のようでもある。
たとえば、日本人特有の「切り捨て文化」と、シンプルを極めるピニンファリーナの哲学との類似性や、言葉でデザインするイタリア人と、議論力がないばかりに優れた個人力を活かしきれていない日本人との対比などは、読んでいて刺激を受けた。
後半の日本のものづくりに向けた提言も大変説得力があった。
日本人がもともと持っている素晴らしいクリエイティビティを開花させるには、自分一人で世界に打って出ることだという奥山氏のメッセージが心に響いた。
ずばり、「なぜ、奥山がフェラーリのデザイナーになれたか?」という読者なら誰もが知りたい問いに対し、日本人だから世界で通用したと端的に述べられている。
その理由が大変興味深く、ご自身の実体験にもとづく日本人論のようでもある。
たとえば、日本人特有の「切り捨て文化」と、シンプルを極めるピニンファリーナの哲学との類似性や、言葉でデザインするイタリア人と、議論力がないばかりに優れた個人力を活かしきれていない日本人との対比などは、読んでいて刺激を受けた。
後半の日本のものづくりに向けた提言も大変説得力があった。
日本人がもともと持っている素晴らしいクリエイティビティを開花させるには、自分一人で世界に打って出ることだという奥山氏のメッセージが心に響いた。