●その世界
【あらすじ】
江戸時代から相場師として財を成してきた雷明家。その当主が亡くなり、1千億円と言われる遺産相続に際し、立会人として指定された新人弁護士の霧島千鳥。所長の紹介で彼女と同行することになった燈馬たち。そして相続人たちが勢ぞろいした夜、長男の万作が・・・。
【感想】
推理小説家の卵が書き上げた新人賞応募作品的な王道のミステリー。①資産家の遺産をめぐる兄弟たち(相続人)の間の相克、②次々と殺される相続人、③現場に残された謎の暗号、そしてとどめとばかりに④30年前に家を追い出されてからずっと行方不明のもう一人の相続人、ミステリー三種の神器なるものがあるかどうかは知らないが、少なくとも本作は「全部載せ」の満腹感を味わえる。2時間ドラマのネタに困った脚本家の人は一度手に取ってほしい。(ただしトリックの解明で視聴者を納得させられるかは・・・)
中盤になって本作らしい数学ネタが登場する。(深読みすると最後の最後のアレは「交わる」の暗示ということか。)縦読みすると「I LOVE」っぽく見えるのには笑った。
(数学的な意味での)大ネタを下敷きにした作品なので、前・後編くらいの分量で良かったのでは。話の展開がいつもに比べて駆け足で、1回分に無理やり詰め込んだ感がある。タイトル、テーマ、ストーリーの連関性というか掘り下げも若干不足気味に思われる。
評価:★★★~★★★★
●人がまだ見ることができない
【あらすじ】
時は204X年。接客をしていたAIロボットが突然人に危害を加えようとする事件が発生。賠償金の相談が殺到し対応に追われる「新人弁護士」が事件の調査を開始すると、現場で事件に興味を持ったシステムエンジニアと遭遇する・・・。
【感想】
11巻収録の「溺れる鳥」の続編ともいえる近未来的SF&法廷ミステリー。前回が202X年なので、今回はその20年後。もちろん破格の身体能力に強い正義感と論理的な思考力、そして巧みな交渉術を兼ね備えた超ハイスペックな「あの弁護士」が再登場する。(なぜか20年後も全く同じ人物に見えるのは気のせいだろうか。)
突然暴走を始めたAIの原因を追究するのは旧シリーズ4巻の「ヤコブの階段」を髣髴させる。作品発表から約20年が経ち、ついにAIが市民権を得た時代に作者なりの焼き直しをしたかったのかもしれない。ついでに言えば旧シリーズ30巻の「人形殺人」を意識させる箇所もしばしば散見されるので、「溺れる鳥」も含めた3作品が時を越えて融合して生まれた作品ではないだろうか。その中でも最も濃い血を感じさせるのは「人形殺人」なので、興味のある方は是非読み比べて欲しい。
作品の構成上、小難しい専門用語が時々顔を出すが、「分かった気」になって立ち止まることなく読み進めた方が良いと思う。前半に蒔かれた小さな伏線が最後の最後になって綺麗に回収されるのはさすが。AI万能論による明るい未来が語られる中で、その最も恐ろしい闇の一部分を覗いた気にさせられ、戦慄を覚えた。
読後には、ひょっとするとこういう「殺人」をめぐる議論が起こるのでは、という気にさせる。未来の安楽死問題への警鐘的作品とも言える。
最近、推理作家3名による本シリーズのベストセレクト集が発売されたが、4人目のすり作家版が企画されるなら、本作品が収録されてもおかしくないくらいの出来栄えである。
評価:★★★★~★★★★★
【胸に刻んでおきたい言葉】
①強欲め
②僕も複製には反対です
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Q.E.D.iff ―証明終了―(15) (月刊少年マガジンコミックス) Kindle版
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言語日本語
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出版社講談社
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発売日2020/2/17
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ファイルサイズ88415 KB
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商品の説明
著者について
加藤 元浩
1997年から「マガジンGREAT」で『Q.E.D.-証明終了-』を、並行して2005年から「月刊少年マガジン」で『C.M.B.森羅博物館の事件目録』を連載。2015年4月発売「マガジンR」1号より『Q.E.D. iff―証明終了―』連載開始。2009年、第33回講談社漫画賞少年部門を受賞。 --このテキストは、comic版に関連付けられています。
1997年から「マガジンGREAT」で『Q.E.D.-証明終了-』を、並行して2005年から「月刊少年マガジン」で『C.M.B.森羅博物館の事件目録』を連載。2015年4月発売「マガジンR」1号より『Q.E.D. iff―証明終了―』連載開始。2009年、第33回講談社漫画賞少年部門を受賞。 --このテキストは、comic版に関連付けられています。
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カスタマーレビュー
5つ星のうち4.6
星5つ中の4.6
76 件のグローバル評価
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トップレビュー
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2020年2月20日に日本でレビュー済み
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9人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2020年10月16日に日本でレビュー済み
「その世界」
遺産相続殺人事件
父親は、最後に後ろ姿だけ出てくる役回りで、いわばクローザーであるが、殺人を未然に防ぐ気はなかったのだろうか、ということだけ気になるが、それをいっちゃあこのシリーズは始まらない。
面白い
「人がまだ見ることができない」
AIが死の恐怖を持たない、死を受け入れるように考えるようになりうるというのは(一般人の私には)新しい視点。
ただ、自分が周りの人間だったら、人格をもったガラテアのAIを利用して終末医療や人間のさまざまな問題の助けにする誘惑を抑えきれないとも思う。
遺産相続殺人事件
父親は、最後に後ろ姿だけ出てくる役回りで、いわばクローザーであるが、殺人を未然に防ぐ気はなかったのだろうか、ということだけ気になるが、それをいっちゃあこのシリーズは始まらない。
面白い
「人がまだ見ることができない」
AIが死の恐怖を持たない、死を受け入れるように考えるようになりうるというのは(一般人の私には)新しい視点。
ただ、自分が周りの人間だったら、人格をもったガラテアのAIを利用して終末医療や人間のさまざまな問題の助けにする誘惑を抑えきれないとも思う。










