謎を提示した2001年、映画に合わせて調整しながら一部の伏線を回収した2010年、袋小路の2061年。
3001年は、一旦ほぼ全ての伏線を回収するとしながら、個人的には大いに矛盾を感じる結末だった。
フランク・プールが冷凍催眠状態で発見されるのは、21世紀人の目を通して(読者に伝わるように)31世紀の社会と技術を紹介する観点で良い設定である。しかし、魁種族がなぜ人類を滅ぼそうとしているのか、本当に滅ぼそうとしているのか、という重要な部分が殆ど明確に書かれていない。
また、2010年までの小説では、デイブ・ボーマンは超光速で移動し、超光速で通信できる身体に転換された筈です。なのに、3001年で人類がモノリスを破壊したことが魁種族に伝わるまで450年も要するなんてあり得ない。実際には、破壊を見届けて「独り立ち」と見なされたか、数週間以内に報復が来るかのいずれかではないか。
2001年~2010年で、魁種族がどうやってデイブ・ボーマンを超光速で移動させたかについて、明示的な説明をしなかった(謎のままで残した)ために、その設定が3001年では欠落したのだろう。
著者は、4部作は厳密にはシリーズではなく変奏曲だと考えているようだが、SF 小説で超光速の可否に関する設定を黙って変更するのはアカンでしょう。
とはいうものの、2061年がつまらなかった分、そこそこ楽しんで読めました。
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3001年終局への旅 Kindle版
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言語日本語
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出版社早川書房
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発売日2001/3/15
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ファイルサイズ541 KB
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
31世紀初頭、海王星の軌道付近で奇妙な漂流物が発見された。それこそは、宇宙船ディスカバリー号の船長代理フランク・プールだった。はるか1000年前、宇宙船のコンピュータ、HAL9000によってディスカバリー号から放りだされたプールは、冷凍状態で星の世界へ向かっていたのだ。地球の軌道都市スター・シティで蘇生させられたプールがたどる究極にして最後の宇宙の旅とは…『2001年宇宙の旅』に始まるシリーズ完結篇。
--このテキストは、paperback_bunko版に関連付けられています。
内容(「MARC」データベースより)
時は31世紀初頭、海王星の軌道付近で宇宙船ゴライアスは漂流物を発見。それこそ、1千年前HALの陰謀で宇宙船から放擲された副長フランク・プールだった。31世紀の文明に驚嘆する日々、そして…。オデッセイの終局編。
--このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
--このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
伊藤/典夫
1942年生、英米文学翻訳家。訳書に『第81Q戦争』スミス、『アインシュタイン交点』『ノヴァ』ディレイニー、『失われた宇宙の旅2001』クラーク、『猫のゆりかご』ヴォネガットJr.(以上早川書房刊)他多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、paperback_bunko版に関連付けられています。
1942年生、英米文学翻訳家。訳書に『第81Q戦争』スミス、『アインシュタイン交点』『ノヴァ』ディレイニー、『失われた宇宙の旅2001』クラーク、『猫のゆりかご』ヴォネガットJr.(以上早川書房刊)他多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、paperback_bunko版に関連付けられています。
登録情報
- ASIN : B00DZC06C2
- 出版社 : 早川書房 (2001/3/15)
- 発売日 : 2001/3/15
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 541 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効
- Word Wise : 有効にされていません
- 本の長さ : 286ページ
-
Amazon 売れ筋ランキング:
- 71,476位Kindleストア (の売れ筋ランキングを見るKindleストア)
- - 258位SF・ホラー・ファンタジー (Kindleストア)
- - 507位英米の小説・文芸
- - 2,279位英米文学
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2020年12月2日に日本でレビュー済み
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役に立った
2019年9月13日に日本でレビュー済み
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一度歴史を途切れさせたのが、残念だった。奇抜な結末が欲しい。
2018年3月11日に日本でレビュー済み
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魁種族:モノリスの設置主か。
2061でルシファーが消えるってなっていたが、消えていないよ。
今回はHALに殺されたフランク・プールが見つかって復活し主役になっている。
どうも続きと言いつつ少し違う所もあるようだ。
軌道エレベーターが複数台あってそれを繋いだリングが出来ているし、
木星の衛星もエウロパ以外は開拓されている世界なので、やることはやっぱり
エウロパの生命がどうなっているかだよね。
対モノリスでウィルス戦仕掛けるってのもなんだかな。
「典拠と謝辞」、「終わりに」が良かった。
2061でルシファーが消えるってなっていたが、消えていないよ。
今回はHALに殺されたフランク・プールが見つかって復活し主役になっている。
どうも続きと言いつつ少し違う所もあるようだ。
軌道エレベーターが複数台あってそれを繋いだリングが出来ているし、
木星の衛星もエウロパ以外は開拓されている世界なので、やることはやっぱり
エウロパの生命がどうなっているかだよね。
対モノリスでウィルス戦仕掛けるってのもなんだかな。
「典拠と謝辞」、「終わりに」が良かった。
2012年11月23日に日本でレビュー済み
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DVDでみた「2001年」と「2010年」の続きが小説で出ていると知って、即攻で購入しました。映画とは少し違っているというyか、かなり分かりやすいお話で、アーサー・C・クラークの小説に初めて触れた自分には二重の意味で驚きでした。なるほど、これならファンがあんなにいるのも納得、なんでこちらは映画化されないの?という驚きです。今ならCG全盛でどうにでも映像化できると思うのに、でも映画化となると作品自体が軽く見られるかもしれないので、このままでいいのかなと思い直しました。作品の方はとりあえず人類の未来は期限付きで保証されたものの、明るいものではない、でも可能性と望みは残されたというものです。神のごとく作品中に君臨していたモノリスが、実は保証期間の切れたポンコツだったというのは少なからずショックでしたが・・・。