障がいを持った家族がいる中での自分が、自分のコトバで素直に、そして赤裸々に語られています。
同じ悩みを抱えている方々もきっとたくさん居るのだろうと思います。
そのような方々だけではなく、いわゆる「普通」に生きていられる方々にもその現実を知って欲しい、そんな風に思えた一冊です。
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![[ゆたかあすか]の#半透明のわたし](https://m.media-amazon.com/images/I/41afG9+HQJL._SY346_.jpg)
#半透明のわたし Kindle版
「私の姉と妹は知的障害者です。」
この一文から始まる作文を書き、中学生の時、全国作文コンクール地区大会の学校代表に選ばれました。タイトルは「共生」。障害を抱える姉と妹が受けた差別や嫌がらせを紹介し、偏見の無い世の中になって欲しいと訴えた内容です。福祉をテーマにした作品が珍しかったことと、当事者目線で語られる説得力から評価を得たのだと思います。友人は応援してくれて、担任の先生は褒めてくれました。両親も喜んでいたと思います。
しかし大人になってから振り返ると、あれは本当に自分の本心であったのだろうかと、なんとも言えない違和感を覚えました。「障害者家族ならではの目線」をふんだんに盛り込み、「差別偏見のない世の中を!」と声高らかに謳いあげる。それは事実であり本音ですが、体育館の壇上で話せば話すほど、下に居る大勢の聴衆が離れていくような気がしたのです。
三姉妹のうち、次女の私だけが何のハンデも背負わず健康に生まれました。通常の小・中・高等学校に通い、成績も中の上。友人と遠方へ遊びに出かけたりも出来ます。姉と妹のことを伝えない限りは、いたって「普通の」女の子でした。ところがあの作文により、私は自らを「普通の」社会から切り離してしまったのではないでしょうか。同級生からしたら、こちら側だと思っていたクラスメイトが、実は未知なるあちら側の人間だった。共感しえない場所に行ってしまった――果たして、私が伝えたかったことは届けることが出来たのだろうか?敬遠されて終わってしまっただけではないだろうか――作文コンクールの地区大会落選後、そんな不安がよぎるばかりでした。
この原稿を執筆している中で、そんな感情を思い出しました。「あなたは皆が知らない世界を、知っているんだよ」作中に出てくるこの母の言葉。「世界が違う」のではなく「知っている」ということの意義を、これほど自問自答した期間は今までありませんでした。
どちらにも居て、どちらにも居ない“半透明”なわたし。それこそが私らしく発信する糸口のひとつなのでしょう。その糸があちらとこちらを橋渡し、「共感」を紡いでくれるのかもしれません。エピソードとしてご紹介してきた悩ましい問題も、もしかしたら皆さんなら答えが見出せるのかもしれません。
この本が、より充実した社会を目指す皆さんの一助になれば幸いです。
この一文から始まる作文を書き、中学生の時、全国作文コンクール地区大会の学校代表に選ばれました。タイトルは「共生」。障害を抱える姉と妹が受けた差別や嫌がらせを紹介し、偏見の無い世の中になって欲しいと訴えた内容です。福祉をテーマにした作品が珍しかったことと、当事者目線で語られる説得力から評価を得たのだと思います。友人は応援してくれて、担任の先生は褒めてくれました。両親も喜んでいたと思います。
しかし大人になってから振り返ると、あれは本当に自分の本心であったのだろうかと、なんとも言えない違和感を覚えました。「障害者家族ならではの目線」をふんだんに盛り込み、「差別偏見のない世の中を!」と声高らかに謳いあげる。それは事実であり本音ですが、体育館の壇上で話せば話すほど、下に居る大勢の聴衆が離れていくような気がしたのです。
三姉妹のうち、次女の私だけが何のハンデも背負わず健康に生まれました。通常の小・中・高等学校に通い、成績も中の上。友人と遠方へ遊びに出かけたりも出来ます。姉と妹のことを伝えない限りは、いたって「普通の」女の子でした。ところがあの作文により、私は自らを「普通の」社会から切り離してしまったのではないでしょうか。同級生からしたら、こちら側だと思っていたクラスメイトが、実は未知なるあちら側の人間だった。共感しえない場所に行ってしまった――果たして、私が伝えたかったことは届けることが出来たのだろうか?敬遠されて終わってしまっただけではないだろうか――作文コンクールの地区大会落選後、そんな不安がよぎるばかりでした。
この原稿を執筆している中で、そんな感情を思い出しました。「あなたは皆が知らない世界を、知っているんだよ」作中に出てくるこの母の言葉。「世界が違う」のではなく「知っている」ということの意義を、これほど自問自答した期間は今までありませんでした。
どちらにも居て、どちらにも居ない“半透明”なわたし。それこそが私らしく発信する糸口のひとつなのでしょう。その糸があちらとこちらを橋渡し、「共感」を紡いでくれるのかもしれません。エピソードとしてご紹介してきた悩ましい問題も、もしかしたら皆さんなら答えが見出せるのかもしれません。
この本が、より充実した社会を目指す皆さんの一助になれば幸いです。
- 言語日本語
- 発売日2018/8/11
- ファイルサイズ1560 KB
登録情報
- ASIN : B07GCTQN8D
- 出版社 : ソラノイエ; 第1版 (2018/8/11)
- 発売日 : 2018/8/11
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 1560 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効になっていません。
- X-Ray : 有効にされていません
- Word Wise : 有効にされていません
- 本の長さ : 50ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 235,640位Kindleストア (の売れ筋ランキングを見るKindleストア)
- - 1,465位家族問題
- - 1,715位妊娠・出産・子育て (Kindleストア)
- - 3,274位子育て (本)
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