一度読み始めたらしっかりと首根っこをつかまれて、おしまいまで読み通し続けざるを得ない本です。
話はオウム真理教の麻原彰晃の故郷である熊本県八代市に作者が訪ねていくところから始まるのですが、そこで、彼は、八代市の真向かいにある海、そしてその海が水俣につながることを「見つけて」しまうのです。
そこから、麻原彰晃(松本智津夫)が目が見えないのは、進行性の視野狭窄ではないか、それは水俣病ではないのかという疑問にとりつくわけですが、ここで、作者だけが取材に成功した松本智津夫の兄との会見の章がはいり、そこから急に、話はかつての作者のインドでの体験に移るのです(あとがきになぜそういう構成をとらざるを得なかったかという後日談が載っています)。
このインドでの作者の私的体験が実に面白いです。
そして、インドで宿を同じくした宗教青年のラリった末の奔走を作者がどう止めたかという場面に来て、ああ、これがオウムの原点なのかと納得するわけです。
ほとんど色調が同じオウムに関する本の中にあって、この本は異彩を放っています。オウムとは関係なく、ぜひとも若い皆さんには読んでいただきたい本だと思います。
黄泉の犬 (文春文庫) (日本語) 文庫 – 2009/12/4
藤原 新也
(著)
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本の長さ355ページ
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言語日本語
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出版社文藝春秋
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発売日2009/12/4
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ISBN-104167591057
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ISBN-13978-4167591052
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
「僕は今までそれを語ろうとしなかった…」。青春の旅を記録した『印度放浪』から34年―長きにわたり著者が封印してきた衝撃の体験が、ついに明かされる!オウム真理教事件にまつわる驚愕の新事実、そしてカルトに惹かれてゆく若者たちの心を繊細に描き出した藤原新也、インド紀行完結篇。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
藤原/新也
1944年、福岡県生まれ。東京芸術大学油画科中退。インドを振りだしにアジア各地を旅して『印度放浪』『西蔵放浪』『全東洋街道』などを著す。第3回木村伊兵衛写真賞、第23回毎日芸術賞などを受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1944年、福岡県生まれ。東京芸術大学油画科中退。インドを振りだしにアジア各地を旅して『印度放浪』『西蔵放浪』『全東洋街道』などを著す。第3回木村伊兵衛写真賞、第23回毎日芸術賞などを受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2009/12/4)
- 発売日 : 2009/12/4
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 355ページ
- ISBN-10 : 4167591057
- ISBN-13 : 978-4167591052
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