どことも言えない港町、名前もわからない国、文化、けれど知っている気がする。
読み始めると、現代の多くの小説が、説明過多なんだと思い知らされました。
面白い物語、引き込まれるお話に、秩序や説明がなきゃいけないなんて、誰も決めていない。
一つのお話の中に、たくさんの小話が含まれた小説。
なんとなく「千夜一夜物語」が頭に浮かびました。
読み終えると、主人公が一晩かけて話してくれた、彼の人生と無数の物語のように感じました。
そしてこのお話を読む間、忘れていた幼心のようなものを思い出します。
わくわくする嘘のような奇妙なお話、誰も知らない自分だけの友達。
大きな悲しみも書かれているお話ですが、クーチェの足音がきっと光の方へ導いてくれる。
冒頭からそんな予感をしっかりと植え付けています。それを信じて読み進めることができました。
面白いという本ではないです。誰にも大切な本になる一冊です。
Kindle 端末は必要ありません。無料 Kindle アプリのいずれかをダウンロードすると、スマートフォン、タブレットPCで Kindle 本をお読みいただけます。
無料アプリを入手するには、Eメールアドレスを入力してください。
