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鷺と雪 (文春文庫) 文庫 – 2011/10/7
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帝都に忍び寄る不穏な足音。ルンペン、ブッポウソウ、ドッペルゲンガー…。良家の令嬢・英子の目に、時代はどう映るのか。昭和十一年二月、運命の偶然が導く切なくて劇的な物語の幕切れ「鷺と雪」ほか、明治三十年頃に発生した、松平斉(ひとし)男爵の失踪事件を題材にとった「不在の父」、補導され口をつぐむ良家の少年は夜中の上野で何をしたのかを探る「獅子と地下鉄」の三篇を収録。『街の灯 (本格ミステリ・マスターズ)』『玻璃の天』に続く、花村英子とそのおかかえ運転手・ベッキーさんが主人公のミステリー・シリーズ第三弾。本書所収の3短編は、それぞれ昭和9年から11年にわたる3年の物語。6度目の候補で、第141回直木賞受賞作。
- 本の長さ285ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2011/10/7
- ISBN-10416758607X
- ISBN-13978-4167586072
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
昭和十一年二月、運命の偶然が導く切なくて劇的な物語の幕切れ「鷺と雪」ほか、華族主人の失踪の謎を解く「不在の父」、補導され口をつぐむ良家の少年は夜中の上野で何をしたのかを探る「獅子と地下鉄」の三篇を収録した、昭和初期の上流階級を描くミステリ“ベッキーさん”シリーズ最終巻。第141回直木賞受賞作。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
北村/薫
昭和24(1949)年、埼玉県生れ。早稲田大学第一文学部卒業。大学時代はミステリ・クラブに所属。高校で教鞭を執りながら、昭和59年創元推理文庫版日本探偵小説全集を編集部と共同編集。平成元(1989)年、「空飛ぶ馬」でデビュー。平成3年、「夜の蝉」日本推理作家協会賞、平成18年、「ニッポン硬貨の謎」で本格ミステリ大賞評論賞、平成21年、「鷺と雪」で直木賞を受賞。アンソロジーの編集や、エッセイ、評論などにも腕を振るう“本の達人”としても知られる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
昭和24(1949)年、埼玉県生れ。早稲田大学第一文学部卒業。大学時代はミステリ・クラブに所属。高校で教鞭を執りながら、昭和59年創元推理文庫版日本探偵小説全集を編集部と共同編集。平成元(1989)年、「空飛ぶ馬」でデビュー。平成3年、「夜の蝉」日本推理作家協会賞、平成18年、「ニッポン硬貨の謎」で本格ミステリ大賞評論賞、平成21年、「鷺と雪」で直木賞を受賞。アンソロジーの編集や、エッセイ、評論などにも腕を振るう“本の達人”としても知られる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2011/10/7)
- 発売日 : 2011/10/7
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 285ページ
- ISBN-10 : 416758607X
- ISBN-13 : 978-4167586072
- Amazon 売れ筋ランキング: - 46,653位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 623位文春文庫
- - 894位ミステリー・サスペンス・ハードボイルド (本)
- - 5,138位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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北村 薫
1949(昭和24)年、埼玉県生れ。早稲田大学ではミステリ・クラブに所属。母校埼玉県立春日部高校で国語を教えるかたわら、’89(平成元)年「覆面作家」として『空飛ぶ馬』でデビュー。’91年『夜の蝉』で日本推理作家協会賞を受賞。作品に『ニッポン硬貨の謎』(2006年本格ミステリ大賞評論・研究部門受賞)『鷺と雪』(’09年直木賞受賞)など:本データは『1950年のバックトス (ISBN-13:978-4101373324 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年11月16日に日本でレビュー済み
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読み損ねていた作品。余韻を残し、この後のことをいろいろと想像してしまう。戦争の中、みんなどうなるのだろう…
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2009年8月2日に日本でレビュー済み
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「わたしのベッキー」シリーズ第三弾で、三部作の最終巻です。
内容的には、三編の短編(「不在の父」「獅子と地下鉄」「鷺と雪」)からなっており、昭和初期の外面的には平穏な時代にところどころに射す暗雲が語られてゆきます。
もちろん、タイトルからも想像がつくように、終わりは「2・26事件」に至ります。
このあたりの何気ない日常の描写の中に登場する軍人たちの表現が、実によく計算しつくされておりなかなか良いです。
そうした若き軍人たちは、ヒロイン英子らの伴侶候補であり、優しいお兄さんでもあります。
そこから彼女が学び、成長してゆく姿がこの三巻の中で実に上手く表現されていました。
もちろん、このシリーズは「ミステリー」です。
従って、この本でもそれぞれ一つづつ「謎」が登場し、英子とそのお抱え運転手ベッキーの活躍で、その「謎」を解き明かして行きます。
第一話は、神隠しにあったように姿を行方不明の父親の行方。
第二話は、少年の謎の深夜行から補導に至る理由。
第三話は、外国にある婚約者が写った写真の謎。
どれも日常の何でもない一事ですが、その解き明かされた時に残る心温まる雰囲気が、バックにある時代の暗雲と実に見事なハーモニーを奏でています。
個人的には、第二巻の「玻璃の天」の方が動きがあって好きなのですが、これはこれで素晴らしい完結編になっていると思います。
内容的には、三編の短編(「不在の父」「獅子と地下鉄」「鷺と雪」)からなっており、昭和初期の外面的には平穏な時代にところどころに射す暗雲が語られてゆきます。
もちろん、タイトルからも想像がつくように、終わりは「2・26事件」に至ります。
このあたりの何気ない日常の描写の中に登場する軍人たちの表現が、実によく計算しつくされておりなかなか良いです。
そうした若き軍人たちは、ヒロイン英子らの伴侶候補であり、優しいお兄さんでもあります。
そこから彼女が学び、成長してゆく姿がこの三巻の中で実に上手く表現されていました。
もちろん、このシリーズは「ミステリー」です。
従って、この本でもそれぞれ一つづつ「謎」が登場し、英子とそのお抱え運転手ベッキーの活躍で、その「謎」を解き明かして行きます。
第一話は、神隠しにあったように姿を行方不明の父親の行方。
第二話は、少年の謎の深夜行から補導に至る理由。
第三話は、外国にある婚約者が写った写真の謎。
どれも日常の何でもない一事ですが、その解き明かされた時に残る心温まる雰囲気が、バックにある時代の暗雲と実に見事なハーモニーを奏でています。
個人的には、第二巻の「玻璃の天」の方が動きがあって好きなのですが、これはこれで素晴らしい完結編になっていると思います。
2009年8月2日に日本でレビュー済み
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著者の書くミステリーは、論理の骨格に自在な引用を交えながら、いつしか日常性を超える部分を描いていて、愉しめる。同時に、例えば女子大生の生活等、その独特の世界を映し出す。
本書では、日本の歴史を多少なりとも知っているものなら、必ず出てくるはずの事件とのつながりを念頭に、あれこれ想像を交えながら読み耽った。そうこうしているうちに、最後のページまで行き着いてしまった。
「……こんなこともあるのですね。この世では何でも起こるものだ」という、のこりわずかの場面での、ある登場人物の言葉が、読み終わった直後の気分を代弁してくれている。日常的行為と、歴史的事実との稀有の結合がある。
とはいえ、最後の場面を描くまでに、著者は用意周到な伏線を張り巡らしている。これでもか、という言葉が聞こえてきそうなほどであり、その畳みかけるように描かれる事実の連鎖が、時代の雰囲気を感じさせる。特に、能の『鷺』の描写には、並々ならぬ著者の思い入れを感じる。書名が『鷺と雪』と題されたのも頷ける。
次のような言葉には、著者の世の中に対する立ち位置がうかがわれ、興味深い。多くの登場人物の言葉は、これらの言葉との位置関係を確認してはじめて意味をもつように思う。
「≪妻がそうであった≫のではない。≪妻もまた、そうであった≫のです。妻は別に変り者ではなかった。当り前の考えを持ち、当たり前に生きていた」
「―――あれにとって、まことの幸せはあちらにあったのです。それに疑義を抱くことは、即ち、犯罪なのです。―――そこにあるのは至って明快で、一度も病んだことのない肉体にも似た、―――頑強な、殆ど健康といっていい思想なのです」
「(省略)わたしが捨てたのではない。―――わたしが捨てられたのです」
本書では、日本の歴史を多少なりとも知っているものなら、必ず出てくるはずの事件とのつながりを念頭に、あれこれ想像を交えながら読み耽った。そうこうしているうちに、最後のページまで行き着いてしまった。
「……こんなこともあるのですね。この世では何でも起こるものだ」という、のこりわずかの場面での、ある登場人物の言葉が、読み終わった直後の気分を代弁してくれている。日常的行為と、歴史的事実との稀有の結合がある。
とはいえ、最後の場面を描くまでに、著者は用意周到な伏線を張り巡らしている。これでもか、という言葉が聞こえてきそうなほどであり、その畳みかけるように描かれる事実の連鎖が、時代の雰囲気を感じさせる。特に、能の『鷺』の描写には、並々ならぬ著者の思い入れを感じる。書名が『鷺と雪』と題されたのも頷ける。
次のような言葉には、著者の世の中に対する立ち位置がうかがわれ、興味深い。多くの登場人物の言葉は、これらの言葉との位置関係を確認してはじめて意味をもつように思う。
「≪妻がそうであった≫のではない。≪妻もまた、そうであった≫のです。妻は別に変り者ではなかった。当り前の考えを持ち、当たり前に生きていた」
「―――あれにとって、まことの幸せはあちらにあったのです。それに疑義を抱くことは、即ち、犯罪なのです。―――そこにあるのは至って明快で、一度も病んだことのない肉体にも似た、―――頑強な、殆ど健康といっていい思想なのです」
「(省略)わたしが捨てたのではない。―――わたしが捨てられたのです」
VINEメンバー
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ベッキーさんシリーズも最終巻になってしまいました。人が死なないミステリは落ち着いて読めるし、なにより上流階級の暮らしとはこういうものだったのか、と文化史を垣間みるようで、ミステリとはまたひと味違う面白さもある作品。昭和初期。まだ100年もたっていないのに、日本にもこういう社会があったのだと、日本人でありながら知らないことが多すぎて少し恥ずかしい。そう、長い日本の歴史から見たら、ついこないだのことなのに。
昭和11年2月。これから日本は激動の時代を迎える。純真で真っ直ぐな英子と聡明なベッキーさんはこれからどのように生きていくのだろうか。ミステリそのものよりも、この2人の人生が気になって仕方ない。派手さはないのに、とても魅力的な女性だった。2人とも。
日本が何をしたとか、いまだに自虐史観を掲げて後ろばかり見ている輩は多いけれど、日本人の根底を流れるものは、この時代から変わっていないと思いたい。四季を愛で、礼節を重んじ、「人間の善き知恵を信じる」こころを持っているはず。そう思いたい。
昭和11年2月。これから日本は激動の時代を迎える。純真で真っ直ぐな英子と聡明なベッキーさんはこれからどのように生きていくのだろうか。ミステリそのものよりも、この2人の人生が気になって仕方ない。派手さはないのに、とても魅力的な女性だった。2人とも。
日本が何をしたとか、いまだに自虐史観を掲げて後ろばかり見ている輩は多いけれど、日本人の根底を流れるものは、この時代から変わっていないと思いたい。四季を愛で、礼節を重んじ、「人間の善き知恵を信じる」こころを持っているはず。そう思いたい。
2009年8月29日に日本でレビュー済み
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この作品を読み終わった後、しばらく私は呆然としていた
背筋が凍る想いというものを久々に感じた気分だった
終わり方が面白い作品なら、今までのもそうだろう
だが、流石というべきか今回のは異例でゾクッときた
続きが気にならないといえば嘘になるが、もしこれの続きがあっても読みたいとは思わないかもしれない
不思議な感覚だ
初めて生まれた私の中の感情だった
上からものを言うつもりはないが、これはとてもすばらしい作品だと思う
一生私の心の中にあり続ける物語だろう
背筋が凍る想いというものを久々に感じた気分だった
終わり方が面白い作品なら、今までのもそうだろう
だが、流石というべきか今回のは異例でゾクッときた
続きが気にならないといえば嘘になるが、もしこれの続きがあっても読みたいとは思わないかもしれない
不思議な感覚だ
初めて生まれた私の中の感情だった
上からものを言うつもりはないが、これはとてもすばらしい作品だと思う
一生私の心の中にあり続ける物語だろう
2010年6月5日に日本でレビュー済み
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初期の頃からの北村薫の読者である私は、最近の著作を読むと別の作者のように感じる。どちらも良い作家として位置づけられるのだが、私は今のほうがいい。出自や世間の期待や、今まで読んできた本がミステリ中心だからといって、著作の範囲を自ら狭める必要はない。何せ特定のジャンルにこだわっているわけではない直木賞を受賞したのだから。何ならもう一回覆面作家に戻って別名で書いてもいいかもしれない。器用貧乏になるのは期待しないけれど。それとさらに贅沢な希望を言うと、海外の優秀なミステリを、心震えるような格調高い日本語で翻訳してくれないだろうか。北村先生が若い頃読んだであろう、日本語を流暢に操る翻訳家が最近少ないと思いませんか?