![[佐島 勤, 石田 可奈]の魔法科高校の劣等生(22) 動乱の序章編〈下〉 (電撃文庫)](https://m.media-amazon.com/images/I/61qkHGSrmBL._SY346_.jpg)
文芸を読み慣れてしまうことはあまり良いことではないのかもしれない。終盤の遠山の台詞で克人が達也に勝てないことが確定してしまった。
多分ものすごく苦労するだろう。だがしかしああしたフラグが立つと、結局物語の進行は確定してしまう。
if(!(a == b)) というフラグなのだが、登場人物は絶対にこれに抗うことができない。はっきり言って物語の中で一番ひどいフラグである。
ここから四葉家に対しての包囲網が形成され、少ないながらも味方となるであろうニューヒーロー二人とそれを鍛えているエリカその他昔からの友人達という構図。正直味方の布陣が頼りなさすぎるので誰かおそらく死ぬような目に合うか死ぬか、どちらかが保証されている展開だが、達也の周りにいる人が誰か死ぬのは全滅エンドのフラグだから（最悪、かのスペースオペラと同じ展開になる。特に、主人公のライバルが死んだ場合は100パーセントそうなるのだが、この物語の場合ここまできて結局主人公と本質的に同等足りうるのはいまいち頼りない光宣とロシアのカーラさんだけなので）、死なないでほしいもんだねえ……
三国志を意識するとどうしても次世代、ということになっていくのだけれど、主人公が老いないのに次世代となると、やはりあのスペースオペラのように死にまくる展開になるので、ここら辺どうしたもんかと読者として真剣に憂慮する。つまり、三国志的流れを放棄すべきじゃないかな、と。三国志と言っても演技ではなくて正史の方だからこそ、司馬炎的な立ち位置のキャラが登場するんだけど。
決まりごとに捉われないで進んでほしいものです。フラグは時折へし折れる、これもラノベの一つの手段ですからね。
ここからキャラに愛着を持っている人にとってしばらくきつい展開になるでしょうね。それにしても達也の目的とは一体なんなのか、示唆されていてもなかなか全体像が掴めないですね。言われたら、なんだ、そんな単純な、という話にもなりそうですが。
ネタバレなしで読んでいるとなかなかにひどいところまで来たな、という感じ。しかし、嘆いている人たちの感想ほど外れてもないと思います。
ただ一つ、達也が幸せになれる未来がなかなか見えてきません。ここは気になりますね。
スペースオペラの金髪の人みたいにならないといいのですが。
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