学生のころ、河合隼雄先生の無意識の構造を読みました。それから15年近く経ち読み返してみたところ、学生のころはあまりよく分からなかったことが、理解できました。そして河合先生の本をたくさん読みました。
共時性、無意識、夢、箱庭療法、影、アニマ、アニムス、グレートマザー、曼荼羅、自我と自己など河合先生の他の本にも書かれてあることなので何度も目にした言葉ですが、谷川さんの質問とそれに対する河合先生の考えと、お二人の会話で構成されているため読みやすく、理解が深まります。そして心に染みる言葉がいくつか出てきます。
人間の成熟について谷川さんの
「自分をラッキョウの皮をむくみたいにむいていって見えてくるもののほうが成熟という言葉に近い」
に対して河合先生が
「むくのも自分ですのでそれができるだけの力も蓄えなければいけない」
と言っています。
そのあとに社会的規範と本来的な自己の間の葛藤のことが書かれていますが、自分らしく生きるというのはなかなか難しいながらも、自分の体験を大切にしその都度考え、ちゃんと生きていかなければ自己に近づくことはできないのだなと思いました。
本の最後に谷川さんの詩への河合先生の解釈がいくつか載っています。おもしろいです。
この中に、感触の研究者ー夢という夢の話があり、これに似た夢を自分も小さい頃によく見ました。
私の場合は、大きな粘土の塊ようなグレーの物体に挟まれ押しつぶされるような感覚で息苦しい夢です。そしてそれに触れていることがたまらないのです。
このたまらない感触が特徴で、その感触に耐え難い、夢から覚めたときの手先に残る感触が、ガラスをキーとこすった音を聞かされたようなたまらない感じだったのです。
これを読んだときはビックリしました。
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