完成までに300人を超える死者を出した、
黒部峡谷発電所設立のための隧道(トンネル)工事についてのルポルタージュ。
冠されたタイトルの名の通り、異様な熱気が文字から浮かび上がる。
舞台は昭和初期の富山であるが、
温泉湧出地帯で大規模な隧道工事を完遂させた例はその時点ではほぼゼロに等しく、
また、その山に入って人間が手を加えようとすること自体、
地元の人間からすれば狂気じみた行為であったため、
計画から実際の工事に至るまで全てが暗中模索の苦労の連続であったことがうかがえる。
まず、単純に、怖い。
孔を掘る岩肌が160度近くだなんて、そもそも私たちの日常ではあり得ない状況だ。
しかも、そんな高熱の中でダイナマイトを取り扱い、
発破をかける作業をしなければならない。
暗い孔の中、気絶しそうな熱気と、
いつ自然発火してもおかしくないようなダイナマイト…異様な状況である。
また、厳しい自然vs人間、というテーマも盛り込まれていて、
作中に出てきた「ホウ雪崩」という恐ろしい爆発系雪崩の存在も
全く知らなかったので大変興味深かった。
ただ、この作品の本質的な部分はやはり「人間」なのだろうと思う。
人が自然と戦った記録であると同時に、人が人として得体の知れない感情や状況と
どう向かい合っていくのかを淡々と切り取った印象が強い。
同僚が次々と事故に巻き込まれて死んでいく現場で、
彼らの胸に兆す憤りや憎しみはどう揺れ動いていくのか、
その半面、関わる者たちの心の底には、
国家の威信をかけた大事業であるという誇りや責任感も同時に生じていて、
また、それぞれがそれぞれの道におけるプロであるという意識もチラチラ鎌首をもたげるため、
各人の心の中の葛藤はわけが分からないほど大きく膨れ上がっていく。
これほど壮大な現場に直接投入される人間は少ないし、
立花隆の『宇宙からの帰還』ではないけれど、
特殊な体験をした人々の記録を知ることは、
「人間」を知る上でかなり貴重かつ重要な経験なのではないかと思う。
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高熱隧道 (新潮文庫) 文庫 – 1975/7/29
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黒部第三発電所――昭和11年8月着工、昭和15年11月完工。人間の侵入を拒み続けた嶮岨な峡谷の、岩盤最高温度165度という高熱地帯に、隧道(トンネル)を掘鑿する難工事であった。犠牲者は300余名を数えた。トンネル貫通への情熱にとり憑かれた男たちの執念と、予測もつかぬ大自然の猛威とが対決する異様な時空を、綿密な取材と調査で再現して、極限状況における人間の姿を描破した記録文学。
- 本の長さ272ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日1975/7/29
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-104101117039
- ISBN-13978-4101117034
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出版社より
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戦艦武蔵 | 高熱隧道 | 冬の鷹 | 零式戦闘機 | 漂流 | 海の史劇 | |
【新潮文庫】吉村昭 作品 | 帝国海軍の夢と野望を賭けた不沈の巨艦「武蔵」──その極秘の建造から壮絶な終焉まで、壮大なドラマの全貌を描いた記録文学の力作。 | トンネル貫通の情熱に憑かれた男たちの執念と、予測もつかぬ大自然の猛威との対決──綿密な取材と調査による黒三ダム建設秘史。 | 「解体新書」をめぐって、世間の名声を博す杉田玄白とは対照的に、終始地道な訳業に専心、孤高の晩年を貫いた前野良沢の姿を描く。 | 空の作戦に革命をもたらした”ゼロ戦”──その秘密裡の完成、輝かしい武勲、敗亡の運命を、空の男たちの奮闘と哀歓のうちに描く。 | 水もわかず、生活の手段とてない絶海の火山島に漂着後十二年、ついに生還した海の男がいた。その壮絶な生きざまを描いた長編小説。 | 《日本海海戦》の劇的な全貌。七カ月に及ぶ大回航の苦心と、迎え撃つ日本側の態度、海戦の詳細などを克明に描いた空前の記録文学。 |
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大本営が震えた日 | 羆嵐(くまあらし) | ポーツマスの旗 | 破船 | 雪の花 | 海馬(トド) | |
開戦を指令した極秘命令書の敵中紛失、南下輸送船団の隠密作戦。太平洋戦争開戦前夜に大本営を震撼させた恐るべき事件の全容──。 | 北海道の開拓村を突然恐怖のドン底に陥れた巨大な羆の出現。大正四年の事件を素材に自然の威容の前でなす術のない人間の姿を描く。 | 近代日本の分水嶺となった日露戦争とポーツマス講和会議。名利を求めず講和に生命を燃焼させた全権・小村寿太郎の姿に光をあてる。 | 嵐の夜、浜で火を焚いて沖行く船をおびき寄せ、坐礁した船から積荷を奪う──サバイバルのための苛酷な風習が招いた海辺の悲劇! | 江戸末期、天然痘の大流行をおさえるべく、異国から伝わったばかりの種痘を広めようと苦闘した福井の町医・笠原良策の感動の生涯。 | 羅臼の町でトド撃ちに執念を燃やす老人と町を捨てた娘との確執を捉えた表題作など、動物を仲立ちにして生きる人びとを描く短編集。 |
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天に遊ぶ | 彰義隊 | 空白の戦記 | 星への旅 | ニコライ遭難 | プリズンの満月 | |
日常生活の劇的な一瞬を切り取ることで、言葉には出来ない微妙な人間心理を浮き彫りにしてゆく、まさに名人芸の掌編小説 21 編。 | 皇族でありながら朝敵となった上野寛永寺山主の輪王寺宮能久親王。その数奇なる人生を通して江戸時代の終焉を描く畢生の歴史文学。 | 闇に葬られた軍艦事故の真相、沖縄決戦の秘話……。正史にのらない戦争記録を発掘し、戦争の陰に生きた人々のドラマを追求する。 | 少年達の無動機の集団自殺を冷徹かつ即物的に描き詩的美にまで昇華させた表題作。ロマンチシズムと現実との出会いに結実した 6 編。 | ”ロシア皇太子、襲わる”──近代国家への道を歩む明治日本を震撼させた未曾有の国難・大津事件に揺れる世相を活写する歴史長編。 | 東京裁判がもたらした異様な空間……巣鴨プリズン。そこに生きた戦犯と刑務官たちの懊悩。綿密な取材が光る吉村文学の新境地。 |
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遠い日の戦争 | 仮釈放 | 脱出 | 天狗争乱 | 破獄 | 冷たい夏、熱い夏 | |
米兵捕虜を処刑した一中尉の、戦後の暗く怯えに満ちた逃亡の日々──。戦争犯罪とは何かを問い、敗戦日本の歪みを抉る力作長編。 | 浮気をした妻と相手の母親を殺して無期刑に処せられた男が、 16 年後に仮釈放された。彼は与えられた自由を享受することができるか? | 昭和 20 年夏、敗戦へと雪崩れおちる日本の、辺境ともいうべき地に生きる人々の生き様を通して、〈昭和〉の転換点を見つめた作品集。 | 幕末日本を震撼させた「天狗党の乱」。水戸尊攘派の挙兵から中山道中の行軍、そして越前での非情な末路までを克明に描いた雄編。 | 犯罪史上未曽有の四度の脱獄を敢行した無期刑囚佐久間清太郎。その超人的な手口と、あくなき執念を追跡した著者渾身の力作長編。 | 肺癌に侵され激痛との格闘のすえに逝った弟。強い信念のもとに癌であることを隠し通し、ゆるぎない眼で死をみつめた感動の長編小説。 |
登録情報
- 出版社 : 新潮社; 改版 (1975/7/29)
- 発売日 : 1975/7/29
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 272ページ
- ISBN-10 : 4101117039
- ISBN-13 : 978-4101117034
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 11,868位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- カスタマーレビュー:
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カスタマーレビュー
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前から名前は知ってはいましたが手着かずの吉村昭さんの著作。たまたま2016年5月22日の読売新聞の書評で、司馬遼太郎との対比で紹介されていたのが気になり購入。戦時の国家プロジェクトで絶対完遂しなければという命のもと、トンネル(当時は隧道という)は100℃を超えるし、高温でダイナマイトは何度も爆発するし、雪崩の突風で森のなかの宿舎は吹き飛ばされるは、何百人の死者を出す死屍累々のトンネル事業。リアルな描写と人間模様。そして最後の結末。ハマってしまいそうです。数日後、書店でたくさん吉村さんの本を買いました。もっと若い時に出会うべきでした、ああ勿体ない。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年4月3日に日本でレビュー済み
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132人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2018年11月18日に日本でレビュー済み
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本書のレビューはカカオポッドさんのが優秀すぎで素晴らしくまとめてあり
これ以上の書評(レビュー)を書くことは出来ません。
「ホウ雪崩」については北海道大学 低温科学研究所の論文がネット上にありますので
一度ご覧くだされば黒部峡谷をまたぎ600mも人も家屋も吹っ飛んでいった威力が垣間見れます。
本年夏より吉村作品に嵌まり込み 充実した読書ライフを楽しんでおります
小説、フィクションは実感が伴わず作者の意図や思惑を類推している内に終わってしまったり
文体や情景描写がクドく まだるっこしい表現や時間軸のテンポが遅かったり速すぎたりと
作者の感性に大きく左右されることが多いですが吉村作品は久しぶりに
自分のテンポと感覚にピッタリのドキュメンタリールポルタージュです
おすすめは間違いなく熊シリーズです。
1.羆嵐
2.羆
3.熊撃ち
一気読み間違いなしのドキュメンタリーです(注:怖いです)
高熱隧道のレビューで他著作の紹介がバカっぽいのは承知してます、
というよりボケてますので勘弁してください。
これ以上の書評(レビュー)を書くことは出来ません。
「ホウ雪崩」については北海道大学 低温科学研究所の論文がネット上にありますので
一度ご覧くだされば黒部峡谷をまたぎ600mも人も家屋も吹っ飛んでいった威力が垣間見れます。
本年夏より吉村作品に嵌まり込み 充実した読書ライフを楽しんでおります
小説、フィクションは実感が伴わず作者の意図や思惑を類推している内に終わってしまったり
文体や情景描写がクドく まだるっこしい表現や時間軸のテンポが遅かったり速すぎたりと
作者の感性に大きく左右されることが多いですが吉村作品は久しぶりに
自分のテンポと感覚にピッタリのドキュメンタリールポルタージュです
おすすめは間違いなく熊シリーズです。
1.羆嵐
2.羆
3.熊撃ち
一気読み間違いなしのドキュメンタリーです(注:怖いです)
高熱隧道のレビューで他著作の紹介がバカっぽいのは承知してます、
というよりボケてますので勘弁してください。
2018年12月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
何を読んでも吉村昭は最高に面白い。
土木工事とは何億年もかけて自然が達した均衡を崩す戦いであり、高熱岩盤や泡雪崩といった自然の猛威からの挑戦が物語の一つの柱になっている。また、常に死と隣り合わせの人夫達と、危険な業務には直接関わらない雇用する側の間に成り立っている精神的な均衡をいかに保ってゆくかがもう一つの主題になっている。
「そんなことありえないだろう」と思わずにいられない泡雪崩の破壊力を読んで欲しい。
「死に山」の書評から本書に辿り着いた。死に山も面白いのだが、綿密な取材力と優れた文章力に裏打ちされた本書の方が圧倒的にリアリティを感じられる。
何を読もうか迷ったときは吉村昭だ。
土木工事とは何億年もかけて自然が達した均衡を崩す戦いであり、高熱岩盤や泡雪崩といった自然の猛威からの挑戦が物語の一つの柱になっている。また、常に死と隣り合わせの人夫達と、危険な業務には直接関わらない雇用する側の間に成り立っている精神的な均衡をいかに保ってゆくかがもう一つの主題になっている。
「そんなことありえないだろう」と思わずにいられない泡雪崩の破壊力を読んで欲しい。
「死に山」の書評から本書に辿り着いた。死に山も面白いのだが、綿密な取材力と優れた文章力に裏打ちされた本書の方が圧倒的にリアリティを感じられる。
何を読もうか迷ったときは吉村昭だ。
2018年10月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本の肝は、大規模工事に立ち向かったプロジェクトX的な輝かしい男たちの物語!!!
等では無く、「難工事の中で蝕まれていく人間」そのものである。
別にプロジェクトXが嘘んこだと言うわけではないが、
実際のプロジェクトものってこういった泥臭さが初めから終わりまでずっと続いていくもの。
これは当時だからそうだって訳では無くて、現代でも、もちろんここまで人は死なないけど
身体を壊したり、精神を病んだり、残業続きで家庭仲が悪くなったり、
色んな人間の犠牲があってプロジェクトは進んでいく。
多分、現代で一番、共感できるのはラストのシーンじゃないかな。
あの雰囲気はおどろおどろしいんだけど、
彼らも抜け出した後は、ちゃっかり新聞のインタビューなんか受けて
周りと時代の力で、プロジェクトXのような物語に紡ぎ直されるんだよね。
それこそ、狂人になって山の中に消えた彼のことなど忘れ去られて。
この本は、やっぱりそういった人間群像が柱になるんで、
記録文学とかノンフィクションの名作と言われると、はてな?とは思うけど、
誰が読んでも損はない、間違いない傑作。
等では無く、「難工事の中で蝕まれていく人間」そのものである。
別にプロジェクトXが嘘んこだと言うわけではないが、
実際のプロジェクトものってこういった泥臭さが初めから終わりまでずっと続いていくもの。
これは当時だからそうだって訳では無くて、現代でも、もちろんここまで人は死なないけど
身体を壊したり、精神を病んだり、残業続きで家庭仲が悪くなったり、
色んな人間の犠牲があってプロジェクトは進んでいく。
多分、現代で一番、共感できるのはラストのシーンじゃないかな。
あの雰囲気はおどろおどろしいんだけど、
彼らも抜け出した後は、ちゃっかり新聞のインタビューなんか受けて
周りと時代の力で、プロジェクトXのような物語に紡ぎ直されるんだよね。
それこそ、狂人になって山の中に消えた彼のことなど忘れ去られて。
この本は、やっぱりそういった人間群像が柱になるんで、
記録文学とかノンフィクションの名作と言われると、はてな?とは思うけど、
誰が読んでも損はない、間違いない傑作。
2018年2月27日に日本でレビュー済み
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1930年代の出来事を60年代に書いているが、古い作品独特の難しい言い回しなどは少なく、スラスラと読めた。
「ほんとかよ…」と思うことの連続だが、これがほぼ事実。
元々映画「黒部の太陽」(こちらは第4ダム)の回想シーンにある、
第3ダムでの冷却水を浴びながらダイナマイトを岩盤に挿し込むシーンが強烈で、手に取った。
黒部の秘境、ダイナマイトの自然発火、ほう雪崩、迫り来る戦争の影と電力事情…様々な困難に立ち向かう姿と、
成し遂げた後の異様な空気感。。。
未読の人にはぜひ読んで欲しい
「ほんとかよ…」と思うことの連続だが、これがほぼ事実。
元々映画「黒部の太陽」(こちらは第4ダム)の回想シーンにある、
第3ダムでの冷却水を浴びながらダイナマイトを岩盤に挿し込むシーンが強烈で、手に取った。
黒部の秘境、ダイナマイトの自然発火、ほう雪崩、迫り来る戦争の影と電力事情…様々な困難に立ち向かう姿と、
成し遂げた後の異様な空気感。。。
未読の人にはぜひ読んで欲しい
ベスト1000レビュアー
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プロジェクトXみたいなノリだが、熱いシーンは少なく、ただただ工員の苦労、犠牲、当日の技術での苦労等を書き綴っている。
エンジニアと現場にいる工員との葛藤、発破や落盤などで簡単に亡くなる工員など、少々重いが、読み応えがある。
人命の犠牲を前提とする工事など現代ではあり得ないが、生活の為、国や会社の為、様々な事情からトンネル掘りに挑む人々の心情や生き様など、大変面白く読めた本。
エンジニアと現場にいる工員との葛藤、発破や落盤などで簡単に亡くなる工員など、少々重いが、読み応えがある。
人命の犠牲を前提とする工事など現代ではあり得ないが、生活の為、国や会社の為、様々な事情からトンネル掘りに挑む人々の心情や生き様など、大変面白く読めた本。
2020年11月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
黒部ダムに行くにあたって読みました。当方20代前半で今の恵まれた日本しか知らないわけですが、およそ100年前はまだ今のような時代ではなかったわけです。それをこの本は迫真の描写で私に教えてくれました。実際に黒部ダムの上に立ったとき、私は今多くの犠牲の上に立っているのだと深く思い至りました。読んでよかったです。
ちなみに観光地の黒部ダムは第4ダムでこの本のテーマは黒部第3ダム(のための隧道工事)です。
映画「黒部の太陽」に回想シーンとしてこの第3ダムのための隧道掘削シーンがあります。それも見ておくと狂人じみた工事現場がリアルに思い描けるかと思います。
ちなみに観光地の黒部ダムは第4ダムでこの本のテーマは黒部第3ダム(のための隧道工事)です。
映画「黒部の太陽」に回想シーンとしてこの第3ダムのための隧道掘削シーンがあります。それも見ておくと狂人じみた工事現場がリアルに思い描けるかと思います。