先に良いところを挙げると、敗戦国になったアメリカ人が
「ドイツ人は地中海を干拓し、アフリカから黒人を一掃し、共産主義を根絶し、火星にまで到達した。彼らの力と自信、高邁さに比べて、猿真似しかできないイエローモンキーの尻を舐めてるオレ達はなんなんだ?」
と歪んだコンプレックスを抱えてるところは、歴史が浅く、神話を肌身に感じられるような文化もなく、民族を意識できるほど血が染み込んでない土地で暮らす移民の国で、正義や理想あるいは「自分達こそが世界を導く強者である」という使命感にすがって「合衆国市民」を形作っているアメリカ人の脆さが見えて面白かった。
実際にあの戦争でアメリカがコテンパンに負けて心折れていたら、ナチスの人種政策を道義的には批判しつつ、同じ負け組でも最下層のユダヤ人を蔑むようなプアホワイトの烏合の衆になっていただろうな、と思えるリアルさがある
黄金の50年代は古き良き時代となり、ベトナムでトラウマを負い、ソ連という分かりやすい悪が消えても世界は平和にならず、むしろ過去から延々と続く凄惨な歴史の途上に自分達もまだいるのだと思い知らされ、日独に飴を与えすぎて経済戦争に敗北しかけ、その立て直しで拝金主義と国内格差が顕となってウンザリし、冷戦時代のツケから911を招いてそれから続く中東での戦いで軍事的には圧勝してもイマイチでスカっとせず、自国の正義を安易に疑いなく信じられなくなって「国の思春期」が終わったUSAキッズにとっては「もしアメリカが負けてたら」というIFは”ぼんやりとした不安”を客観視するため鏡になるだろう
ただ作中の日本人とその被支配層に蔓延している易経狂いが・・・もうギャグしか見えない
現実の日本人にとって易経は「なんか割り箸みたいなのをいっぱいガチャガチャするアレ?占いオタクが好きなおみくじみたいなやつ?」だからか、真面目なシーンでやられると笑ってしまう
作中では日本の勝利は戦前にルーズベルトが暗殺されてアメリカの国力回復が微妙だったおかげっぽいが、きっと日本の政府や軍が易経を活用したからに違いない。
ドイツのIF勝利についても結論有りきの辻褄合わせで緻密な考証はなく、物語も後半は易経ネタ混じった内面描写がダラダラ続いて味気ない。ドラマでの大和のサンフランシスコ入港を見て仮想戦記のようなブッ飛んだエンタメ性を期待すると肩透かしを食らう
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高い城の男 (ハヤカワ文庫 SF 568) 文庫 – 1984/7/31
| フィリップ・K・ディック (著) 著者の作品一覧、著者略歴や口コミなどをご覧いただけます この著者の 検索結果 を表示 |
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アメリカ美術工芸品商会を経営するロバート・チルダンは、通商代表部の田上信輔に平身低頭して商品の説明をしていた。ここ、サンフランシスコは、現在日本の勢力下にある。第二次大戦が枢軸国側の勝利に終わり、いまや日本とドイツの二大国家が世界を支配しているのだ--。第二次大戦の勝敗が逆転した世界を舞台に、現実と虚構との微妙なバランスを緻密な構成と迫真の筆致で書きあげた、1963年度ヒューゴー賞受賞の最高傑作。
- 本の長さ432ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日1984/7/31
- ISBN-104150105685
- ISBN-13978-4150105686
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登録情報
- 出版社 : 早川書房 (1984/7/31)
- 発売日 : 1984/7/31
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 432ページ
- ISBN-10 : 4150105685
- ISBN-13 : 978-4150105686
- Amazon 売れ筋ランキング: - 24,519位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- カスタマーレビュー:
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カスタマーレビュー
5つ星のうち3.9
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新しいカバーの版が出ていたので、改めて買いました。昔はオチがよく理解できなかったのですが、我々の生きる現実の世界に、自己認識と世界(世間)とのずれを感じるようになって来て、この小説の言わんとするところが(恐ろしいことに)解かってきたように思います。フィリップ.K.ディックは常にそうした不安感を抱えて生きていたのでしょうか?精神病的なのは自分自身なのか世界なのか...まるでディックの描く悪夢のような現世界に私も不安で一杯ですが、"高い城の男"が言うように"それ"(ネタバレ秘匿)はあり得ることなのでしょう。ミリタリーテイストのカバーが示すように日独の対立構造が基本の"この世界"なのですが、その手のマニア諸氏の感性をくすぐるような小道具(メッサーシュミットE9ロケット船、航空母艦翔鶴、エルアラメインの戦い)なども出てきて読むにつれて"この世界"に引き込まれて行きます。「流れよわが涙・・・」や、「電気羊・・・」も同傾向の作品ですが、この作品が一番の大仕掛けで読み応えがあると思います。「逆回りの世界」も改版/カバー替え(できれば新訳/改訳)して再販して欲しいですね☆
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2018年10月10日に日本でレビュー済み
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有名なSF作品なので、わざわざ解説するまでもない。第二次世界大戦で日本とドイツが戦勝国になった世界を描く歴史改変物である。特徴的なのは、作中に登場する小説が、日本とドイツが敗戦国となった世界を描くことだ。その物語が登場人物を巻き込み、ひとつの結果に導かれる。
結末について、日本人として考えるものはあるが、それ以上に、米国人など戦勝国の人々はこの小説を読んで、何を感じるのだろうか。戦勝国と敗戦国が強者と弱者の関係になり、特に弱者の境遇がどんなものなのか、私は敗戦国の立場で読めたが、米国人らは異なる境遇をどう感じ取ったのだろうか。名作であるがゆえに様々な人の意見を聞きたい。
結末について、日本人として考えるものはあるが、それ以上に、米国人など戦勝国の人々はこの小説を読んで、何を感じるのだろうか。戦勝国と敗戦国が強者と弱者の関係になり、特に弱者の境遇がどんなものなのか、私は敗戦国の立場で読めたが、米国人らは異なる境遇をどう感じ取ったのだろうか。名作であるがゆえに様々な人の意見を聞きたい。
2019年9月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
Amazonプライムビデオで同名のドラマを見て、原作を知りたく読みました。改変歴史、並行世界ものに分類されるのでしょうが、原作では並行世界は暗示されるのにとどまります。ビデオの方は、この原作の意図を尊重しつつ、様々な拡張や変更を加えている事がわかり興味深く思いました。例えば、原作ではイナゴの本になってますが、ビデオではフィルムに。ちらっとしか原作では現れないパラレルワールドの幻影が、ビデオでは大きく発展させられています。ただし、ビデオの方はシーズン1くらいでやめておいた方が良かったのでは、と個人的に思います。原作の結末の意味は、読後、すぐにはわかりませんでしたが、多くの人の感想を読んでなるほど、とわかりました。ビデオでは、その辺は、大幅に拡張されている。さて、多くの方が、日本人の取り扱い方に違和感をお持ちのようですが、私は逆に、他の国の人が日本をどのように見ているかわかり興味深く感じました。読後感は独特のものがあります。
2020年4月4日に日本でレビュー済み
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第二次世界大戦でドイツと日本が勝っていた世界を描いた作品。SF史上名高い作品であり、読後に知ったのだが、1960年代に書かれたにも関わらずつい最近ドラマ化されているなど、稀有なロングセラー作品である。これは、アメリカ人がドイツ人と日本人に支配されているという世界が、アメリカ人にとって今尚ショッキングであり、特にニヒルな、あるいはシニカルなインテリに好まれているのではないかと推察する。
しかし、実際の戦争の敗者である我々日本人は、アメリカ人と同じように本書を受容することはない。アメリカ人が日本人にペコペコする様を見て、最初はくすぐったい思いがするが、徐々に虚しくなってくる。そして、戦争に負けるとはどういうことなのかと考えさせられる。先の戦争で日本が負けていなかったら、という世界を描いた作品としては、村上龍の『五分後の世界』があり、私は本書よりも余程面白いと思うが、虚しさを感じさせてくれるという意味で深いのは本書の方だろう。
しかし、実際の戦争の敗者である我々日本人は、アメリカ人と同じように本書を受容することはない。アメリカ人が日本人にペコペコする様を見て、最初はくすぐったい思いがするが、徐々に虚しくなってくる。そして、戦争に負けるとはどういうことなのかと考えさせられる。先の戦争で日本が負けていなかったら、という世界を描いた作品としては、村上龍の『五分後の世界』があり、私は本書よりも余程面白いと思うが、虚しさを感じさせてくれるという意味で深いのは本書の方だろう。
殿堂入りベスト50レビュアー
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"『彼は前からそうやって住んでたらしいのよ。そこでこの本を書いたんだもの。その屋敷の名前はね(中略)〈高い城〉ーそれが彼のつけた愛称なの』"1963年ヒューゴー賞受賞作であり、amazonドラマ化された本書は、複数視点、同時進行する物語が虚実が混在する不思議な読後感を与えてくれる。
個人的には、話題になったドラマを観る前の予習として、また『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』(映画ブレードランナー原作)の著者が、第二次大戦で枢軸国側が史実と違って勝利した世界をどのように描いているかに興味をもって本書を手にとりました。
さて、本書ではドイツと日本により【冷戦的な分割支配を受けているアメリカ】を舞台に、アメリカ人、日本人、ドイツ人といった様々な登場人物がナチスの後継者をめぐる争いに、それぞれの事情で巻き込まれつつ【物語世界とはさらに逆(つまり史実的な)の世界】を描いた禁書扱いの小説『イナゴ身重く横たわる』も読みふけっている。という二重構造あるいは最近流行りの【並行世界もの】となっているわけですが。アメリカ人美術商から見た日本人の描写にはやはり、多用される易経なども含めて【偏りや混乱が感じられて】何とも複雑な気持ちにさせられました。
また登場人物の1人、ジュリアナが『イナゴ身重く横たわる』の作者に会うために刹那的なロードムービーよろしく旅に出かけるシーンには、私にはどこかナボコフによる『ロリータ』(1955年)による復讐の為に小説家を訪れるシーンが思い出され、『オンザロード』ではありませんが、アメリカ文学らしい【どこまでも続く道路】の雄大な光景が頭から離れませんでした。
著者のファンはもちろん、架空歴史や並行世界小説が好きな人にオススメ。
個人的には、話題になったドラマを観る前の予習として、また『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』(映画ブレードランナー原作)の著者が、第二次大戦で枢軸国側が史実と違って勝利した世界をどのように描いているかに興味をもって本書を手にとりました。
さて、本書ではドイツと日本により【冷戦的な分割支配を受けているアメリカ】を舞台に、アメリカ人、日本人、ドイツ人といった様々な登場人物がナチスの後継者をめぐる争いに、それぞれの事情で巻き込まれつつ【物語世界とはさらに逆(つまり史実的な)の世界】を描いた禁書扱いの小説『イナゴ身重く横たわる』も読みふけっている。という二重構造あるいは最近流行りの【並行世界もの】となっているわけですが。アメリカ人美術商から見た日本人の描写にはやはり、多用される易経なども含めて【偏りや混乱が感じられて】何とも複雑な気持ちにさせられました。
また登場人物の1人、ジュリアナが『イナゴ身重く横たわる』の作者に会うために刹那的なロードムービーよろしく旅に出かけるシーンには、私にはどこかナボコフによる『ロリータ』(1955年)による復讐の為に小説家を訪れるシーンが思い出され、『オンザロード』ではありませんが、アメリカ文学らしい【どこまでも続く道路】の雄大な光景が頭から離れませんでした。
著者のファンはもちろん、架空歴史や並行世界小説が好きな人にオススメ。
2020年1月2日に日本でレビュー済み
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読む前のイメージはドイツと日本がWW2で買った場合を描いた本でしたが、実際に読んでみると物の真贋や同じ形をした物でも実際には違うことを描いた本だなあという印象を受けました。
あとは現代の白人至上主義と真逆に白人が戦争に負けただけで弱者扱いになって白人であることに劣等感を持ってるのが感慨深かった。
その反面、タオについてはサッパリでした。
作中に登場する道(タオ)の考え方はユング心理学のシンクロニシティに近い考えらしいのでタオに興味持った方はユング心理学調べてみるといいんじゃないかと思います。
電気羊より読みやすいと他のレビューにあるようにたしかに電気羊より読みやすい印象です。
あと理解できないというレビューがいくつか見られますが、
表現の仕方が少し癖のある感じなので理解できない人がいるのはそのせいかなと。
内容がてんこもりなせいで理路整然としてるとは言えないんですよね。
あとは現代の白人至上主義と真逆に白人が戦争に負けただけで弱者扱いになって白人であることに劣等感を持ってるのが感慨深かった。
その反面、タオについてはサッパリでした。
作中に登場する道(タオ)の考え方はユング心理学のシンクロニシティに近い考えらしいのでタオに興味持った方はユング心理学調べてみるといいんじゃないかと思います。
電気羊より読みやすいと他のレビューにあるようにたしかに電気羊より読みやすい印象です。
あと理解できないというレビューがいくつか見られますが、
表現の仕方が少し癖のある感じなので理解できない人がいるのはそのせいかなと。
内容がてんこもりなせいで理路整然としてるとは言えないんですよね。
2021年11月29日に日本でレビュー済み
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歴史改変もの、あるいはパラレルワールドもの。amazonのテレビドラマ『高い城の男』の原作です。
ナチス・ドイツと日本が第二次大戦に勝利し、アメリカが東西に分割されている、という設定はテレビドラマに受けつがれているものの、ストーリー展開はテレビドラマ版とはまったく別物です。ジュリアナ、田上、フランク、チルダン、アベンゼンは登場しますが、ジョン・スミスや木戸大尉は出てきません。
文化論的には興味深いですが、登場人物が易経や筮竹占いを真剣に受け止めているところなどは、やや滑稽に思えます。
またテレビドラマ版を知らずに本作を読んだとしても、ラストがあっけなくて、ちょっと肩透かしを喰らった感じがするかもしれません。
個人的には、古物商チルダンが裕福な梶浦夫妻に対して抱く屈折した感情の描写が興味深かったです。
ナチス・ドイツと日本が第二次大戦に勝利し、アメリカが東西に分割されている、という設定はテレビドラマに受けつがれているものの、ストーリー展開はテレビドラマ版とはまったく別物です。ジュリアナ、田上、フランク、チルダン、アベンゼンは登場しますが、ジョン・スミスや木戸大尉は出てきません。
文化論的には興味深いですが、登場人物が易経や筮竹占いを真剣に受け止めているところなどは、やや滑稽に思えます。
またテレビドラマ版を知らずに本作を読んだとしても、ラストがあっけなくて、ちょっと肩透かしを喰らった感じがするかもしれません。
個人的には、古物商チルダンが裕福な梶浦夫妻に対して抱く屈折した感情の描写が興味深かったです。
他の国からのトップレビュー
adam kyle
5つ星のうち5.0
That's great book!
2020年10月1日にアメリカ合衆国でレビュー済みAmazonで購入
Thank you for my package in coming home is here!!1
Robert J. Geoffroy
5つ星のうち1.0
I am sure I will enjoy the American version
2016年2月3日にアメリカ合衆国でレビュー済みAmazonで購入
I did not realize the book was in Japanese. I shall be returning it due to that reason. I seen the series on Amazon. I am sure I will enjoy the American version.







