フィリップ・K・ディックが原作だからすごく楽しみにしてたのに…。
製作総指揮がリドリー・スコットだからワクワクしてたのに…。
ドラマを観るのに頑張らなければいけない理由は明確!
視聴者が世界に入り込みづらいノイズが多すぎる。
①歴史的背景が分からない…
原作未読だったため、設定を理解するのに原作を調べる必要があった。本を売るための商法ですか?
あの“ブレードランナー”でディストピア未来世界を、その画いっぱつで表現したリドリー・スコットが製作総指揮とは到底思えない…。
②植民地政策が分からない
この世界のドイツと日本は15年間、一体どんな植民地政策をしているのか真面目に考えるほど分からない…。政策によりどんな抑圧が行われているかが分からなければドラマに没入も感情移入もできない。原作を間延びさせる話数があるんだから、そこ描いてよ。政策を描かないならレジスタンス目線だけ描けばいいのに。中途半端。
③文化的背景が分からない
このパラレルワールドの日本はナチズム(ユダヤ人絶滅政策)に傾倒しているらしい…。原作では「人種政策でドイツと対立している」らしいのですが…。そもそもこのお話は、日本人、ドイツ人、ユダヤ人が主で肝心のアメリカ人がジュリアナ以外、ほとんど描かれません。これアメリカの話だよね?
④マクガフィンかが分からない
シーズン1での『イナゴ身重く横たわる』はマクガフィンでしょ?1話目で断片が見れるけど、見せるのなら説得力のある画を持ってこないと…。マクガフィンなら9話目まで見せない。ノイズになってる。
ジュリアナは人命よりもフィルムと言われて「そんなに価値が?」と言っているが君、見たんじゃないの?それで身内の危険も承知で届けたり潜入してるんじゃないの?
ヒロイン目線(視聴者目線?)で揺らぐフィルムの価値…。設定が適当過ぎる…。
⑤キャラクターの行動原理が分からない
特に主人公のジュリアナ。身内の死による行動か?フィルムの世界に魅せられて行動か?前者ならすぐレジスタンスに入れ!後者なら身内の死が軽すぎる…。中途半端。
全員の行動原理が伏線を作るため(シーズンを伸ばすことに重点をおいた伏線のための伏線?)にしか見えない。連携もしない。みんな勝手にやっている。感情移入できっこない。
⑥各キャラの心理が分からない
主要キャスト達の心理が分からない。ジョンと田上は政府関係者だから分からなくても良いと思うのだけど逆に分かりやすい…近親者の命を危険にさらして反対されてもスパイ活動をするジュリアナや、彼女の勝手な行動で身内を殺され、こっそりスパイ活動され憤慨して、シーンや話数が変われば無かったことに。この人達は全員、精神分裂してるんですか?
⑦役職や役割が分からない
木戸は現場に出向いたり、大臣に拝謁したり、皇太子と肩を並べたりできる…数日で出世するシステムなのか人手不足なのか?
ジュリアナの元々の仕事は?合気道のインストラクターじゃないよね?政府に潜り込んだレジスタンス?大臣の手助け?何がしたいの?
⑧何でこうも偶然が続くのか分からない
偶然が度重なるストーリーなら何でもありでしょ…。偶然、妹の死に際に遭遇。偶然ジョンに会って、偶然好みで、偶然レジスタンスの元で働き、偶然盗まれ、偶然フランクは助かり、偶然ペンダントを落とし、偶然拾い、偶然ぶつかり、偶然泳がされ、偶然雇用があり、偶然採用され、偶然厚遇され、偶然信頼を得えて…偶然、偶然、偶然…。
いや待て…もしかしてこの偶然は、高い城の男の特別な力で、主要キャストを引き合わせてるのか?それはそれで面白そうだけどそうはならない…
10話目でやっと面白くなりかけますが土台がこれでは以降もノイズになるでしょう。
シーズン2は見ません…。もう無理です。
このドラマの作りなら総指揮はリドリー・スコットじゃなくてポール・バーホーベンかコーエン兄弟では?
アメリカン・ゴッズのシーズン2が頓挫して以来、Amazon難航してますね。
これではNetflixに置いていかれるぞ…。